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農地を勝手に農業以外に使ってはいけません!

アグリパートナーの高津佐(こうつさ)です。

新年号は「令和」に決定しましたね。
様々な解釈がテレビのコメンテーターやSNS上で流れていますが、私はこの解釈が一番好きです。

さて、新年号とはあまり関係のない農地のお話です。

農地を農業以外の目的に使うことは法律で禁止されています。例えば家や工場を建てたり、駐車場にしたり、太陽光パネルの設置もそうです。

農地を農業以外の目的に使うことを「農地転用(以下 転用)」と言います。今回は農地を農業以外の目的に使いたい場合の法律や手続きについて述べたいと思います。

まずは法律の確認

農地転用は「農地法第4条」と「農地法第5条」に規定されています。
その内容をまとめますと下記の通りです。

農地を転用しようとする者は、農業委員会を経由して都道府県知事又は農林水産大臣が指定する市町村(指定市町村)の長の許可(転用面積が4haを超える場合は農林水産大臣との協議が必要となる)を受ける必要があります。
ただし、市街化区域内農地を転用する場合は、あらかじめ農業委員会に届け出ることで許可は不要となります。

農業委員会・・・各市町村に設置された農地等の利用関係の調整等を行う行政委
        員会。ほとんどの市町村にあります。
指定市町村・・・各市町村の農政部署にてご確認ください。
転用面積が4ha以上・・・許可に時間がかかるということです。
市街化区域・・・都市計画法に定められています。対象の農地が市街化区域内か
        区域外かをまず調べるのが農地転用の最初です。インターネッ
        トか市町村の都市計画関係部署に聞いて調べます。

都市計画法による違い

農地転用の相談を役場に持っていくと、「対象の農地は、市街化区域内ですか?それとも調整区域ですか?」と聞かれます。市街化区域とか調整区域とかは、都市計画法によって、各市町村の都市計画関係部署が定めた区域です。
市街化区域とは「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき地域」とされています。ですから、この地域内にある農地は農地転用つまり農地を他の目的に使うことが簡単にできます。

市街化区域内にある農地は農地転用の許可は必要なく、農業委員会に届け出をするだけで、農地転用が可能です。

それでは、市街化区域外の農地について説明します。

市街化調整区域

都市計画法では市街化区域以外の土地を市街化調整区域としています。一般に調整区域と呼ばれます。農地転用に許可が必要なのは、この調整区域にある農地です。

農地の区分

農地は5つに分類されます。これは農振法と呼ばれる法律に従っております。それぞれの区分について説明します。

農用地区域内農地
市町村が定める農業振興地域整備計画に置いて農用地区域とされた区域内の農地。一般的に青地(あおち)と呼ばれます。
甲種農地
市街化調整区域内の「農業公共投資後8年以内農地」「集団農地で高性能農業機械での営農可能農地」
第1種農地
集団農地(10ha)、農業公共投資対象農地、生産力の高い農地

これらの3つの農地は原則転用はできません。申請しても不許可になります。ただし、例外もありそれ相応の理由があり、認められる場合もありますが、それには1年くらいの期間が必要になることも覚えておいてください。

第2種農地
農業公共投資の対象となっていない小集団の生産力の低い農地。市街地として発展する可能性のある区域内の農地
第3種農地
都市的整備がされた区域内の農地。市街地にある区域内の農地

第2種農地は第3種農地に立地困難な場合等に許可されます。第3種農地は原則許可されます。

つまり、農地転用ができるのは、

①市街化区域にある農地
②農地のうち第2種農地と第3種農地

ということになります。
対象の農地がどの農地区分になるかは行政で調べてもらいましょう。

2通りの農地転用

農地転用は2パターンあります。

農地の権利移動を伴わない転用(農地法第4条)
農地の権利移動を伴う転用(農地法第5条)

農地法第4条で規定しているのは、農地の所有者が、農地を農地以外に使用する目的があり、農地転用申請することです。例えば、自分の農地に家を建てたりする場合ですね。この場合は、所有者が申請して、許可を受けます。

農地法第5条に規定されているのは、農地を転用して使用したいのが、農地の所有者以外の場合です。例えば、友人Aに農地を売って、友人Aがその農地に家を建てたい場合などです。この場合は、所有者と権利移転者(買主や借主)が共同で許可申請をする必要があります。

所有権の移転者が農家の場合は、農地として販売して、移転後の所有者が農地法第4条にならって農地転用許可を受けることは可能ですが、所有権を移転したい相手が、普通のサラリーマン等であれば農地が売れませんので、共同で許可申請する必要があります。

最後に

農地転用にかかる法令等に違反すると罰則規定もありますので注意しましょう。

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