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【感想】「営繕かるかや怪異譚」について

「営繕かるかや怪異譚」

大分、久しぶりの読書感想ですね。本を読んでないわけではないのですが、読書感想を書いてない。ちょっと苦手意識があるので、仕方がない。

営繕は、建築物の新築工事、増改築工事、修繕工事、模様替えなどを指すそうです。
登場人物は、古い家に住んでいるのですが、度々不思議なことが起きます。それを最終的に「営繕 かるかや」の人が、主に修繕工事で対応して解決していく短編集です。

作者は小野不由美さん。有名なのは「十二国記」シリーズでしょうか?
「十二国記」シリーズは、私も好きで、すべて読みました。他にも、こういった怪談系の話をたくさん書かれています。

本作は、その中でも家を中心にしたお話。怪談というと怖いものという印象がありますが、本作はどちらかというと不思議寄り。でも、過去はその家で、その現象が原因で死んでしまったりしている人もいるので、何もせずにそのまま過ごすことを考えると怖い。

私が好きなのは、「雨の鈴」です。

雨の降る日に、喪服姿で傘を差さず、澄んだ音の鈴をつけている女の人を、主人公は、小路で度々見かけるようになります。
その女の人が家に来ると、その家で誰かが死んでしまう。
女の人は、小路を真っ直ぐにしか進めない、角に来ると足を止めて、曲がる。その内、主人公の家にも来てしまう。どうすればいい?
続きは本作で。

家が原因なら、取り壊せばいいと考えますが、それは違うと、「営繕 かるかや」の尾端さんが以下のように言っています。

「家に問題があると堪えます。家は本来、自分を守って包み込んでくれる場所ですから」

彼は、家と共に、家とそこに住む人との繋がりを、営繕しているのかもしれないです。

以上。説那せつなでした。

なお、単行本では2も出ているようです。

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