ガンダーラ
堺正章さん主演の『西遊記』はもはや内容も何も覚えていないのですが、絶妙に面白かったことは覚えていて、三蔵の夏目雅子さん、猪八戒は西田敏行さん(のちに左とん平さん)、沙悟浄は岸部シローさんっていう配役も抜群で、あれを越えるキャスティングはいまだに無いんじゃないかと思う次第ですが、あと、『西遊記』といえば、ゴダイゴの主題歌も実によかった。モンキーマジックもいいけれど、やっぱり私はなんともいえない愁いを帯びたガンダーラが大好きで、「そこに行けばどんな夢もかなうというよ」って、本当に夢みたいな世界のことを歌っているのに、まったくそんなノリではないのがたまらない。そんな夢みたいな世界があるならば、どうしたら行けるのか教えてほしいと歌っているんですが、旋律がもう、「実際そんなところは本当は無いのくらいわかっちゃいるけど、それを信じながらじゃなければこんなキツい仕事やってられるか」っていう雰囲気で、昔からきっとその哀愁が好きだったんだと思うんですが、いま、現実世界において、あの旋律のなかを生きておる実感があり、そのうえ、私にはガンダーラを夢見ることさえできないから、せめてそんな時代をどう生きているか、切り取って記録しておきたいという思いから、こうして毎日、日記を書いている、といえば何やらたいそうなことになってしまいますが、書くことくらいしか楽しみがないから書いております。どなたか、書く仕事をください。
さて。
本当にあるというのなら、一度は行ってみたいのは、やはり愛の国ガンダーラですが、そんな国を作ろうとすれば、必ず悪い輩が暗躍しているわけであり、そんな奴らの作り出した愛の国で楽しく踊ってばかりいるようでは、これはまさに手のひらの孫悟空状態ではありませんか。どうせ手のひらで踊るなら、仏様の手のひらで踊りたいし、どうせ踊るなら、そこはガンダーラよりもホーリー&ブライトがいいし、リクエストできるなら、ボーイズタウンギャングの君の瞳に恋してるがいい。そういう国があるなら行ってみたい。
蠱惑暇
こわくいとま
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