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まだまだしがむ達成感を

 自主企画イベントが無事終了し、日常が戻ってきました。当事者であるうちは自覚していなかったのですが、いざ、終了すると、それまでの日常に占めていた比率が思いのほか高かったのだと気づきます。槇原敬之の「もう恋なんてしない」をはじめ、失ってからはじめて気づく恋心を歌っている曲は多いですが、当事者でいるうちには気づかないのは、恋愛だけではないらしい。

 普段からチェックしている新聞記事も気付けば一週間分、未読状態で放置していました。雑誌や本もほとんど読み進めることができませんでした。自分で思っていた以上に自主企画イベントへ向けて一心不乱であったらしいことを二日後に自覚して誇らしい気持ちだったりする。齢を重ねると遅れてやってくるのは筋肉痛だけではないらしい。

 振り返ってみると、今回は「専門家の男」「祇園の女」という演目がメインで、それぞれ25分、15分ほどの演目であり、どちらもほとんど私が一人で喋り続けますから、なかなか覚えるのは大変やったんですが、これもやっているうちはそんなに大変だという風に思っておらず、無事終演したあと、楽屋に来てくださったお客様に「あんなに台詞を覚えてすごい」とおっしゃっていただいたことで、「そういえば言われてみれば確かにそうかもしれない」などと思った次第であり、なんか、企画をうまいこと成功させることに腐心していたために、その他諸々の感覚がかなり鈍ってしまっていたらしい。
 
 いまは体中が痛くて、これはおそらく「祇園の女」が最後にボーイズタウンギャングの「君の瞳に恋してる」で踊った動きを起因とする筋肉痛なんですが、こうして、日常に戻ってしまった私のもとへ、次から次へとやってくる様々な名残りがいまは実に心地よいのです。なんせ、たぶん、この自主企画をいちばん満喫したのが私だったわけですから、もう少し、達成感をしがんでいたいのです。面白かったな、涌井大宴会。

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