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リハビリとリハビリテーションと理学療法と

僕の持っている資格に、「理学療法士」がある。

理学療法士はリハビリテーションにおける国家資格だ。
医師の指示のもと、患者さんやお客さんに対して「理学療法」を提供するのが一般的な理学療法士。
この時世間では「理学療法」という言い方ではなく、「リハビリ」と呼称されることが多い。
「リハビリテーション」という言葉も含めると、何が何だかわからなくなる。

「リハビリ」と「リハビリテーション」と「理学療法」は違う?

厳密に言うと違う。
「リハビリテーション」は目的、「リハビリ」は手段、「理学療法」はその手段の一部となる。

リハビリテーションの意味は「全人間的復権」
リハビリテーションの語源はラテン語で、re(再び)+ habilis(適した)、「再び適した状態になること」となる。
つまりリハビリテーションの頭についている「リ」は「re(再び)」であり、リハビリテーションから「リ」を外すと「ハビリテーション」
リハビリテーションが一度失ったものを取り戻すことであるのに対し、ハビリテーションは元々あるものを伸ばしていく、先天性疾患を持つ方々に対しての考え方となる。
このことからわかるように、リハビリテーションは手段的なものというよりももっと大きな、目的的な概念と言える。

では、「リハビリ」は?

リハビリは文字通りリハビリテーションの略称だ。
もっと略して「リハ」とも呼ばれる。
ただ世間的に「リハビリする」と言われることも多いように、リハビリテーションが概念なのに対してリハビリやリハは手段的なものに近い気がする。
これは個人的見解だが、リハビリテーションを実現するための手段のことをリハビリやリハと行うのではないだろうか。
ちなみに医療保険や介護保険上リハビリテーションを名乗り、保険点数を請求できるは医師の指示を受けた理学療法士や作業療法士、言語聴覚士(理学療法士等)が行う疾患別リハビリテーション、通書リハビリテーション、訪問リハビリテーションに限られる。
理学療法士等が医師より直接の指示を受けない訪問看護ステーションからの訪問、通所介護などでの機能訓練指導員による機能訓練は、それを行うのが理学療法士等でもサービスとしてリハビリテーションを名乗ることはできない。
リハビリ、リハ、リハビリステーションなどは可能だを

では、理学療法は?

これも個人的見解だが、手段としてのリハビリやリハが理学療法等に近い包括的な手段であるとするならば、理学療法はその中の一部ではないかと考えられる。
理学療法の定義として、「病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法」とある。
つまり理学療法等の手段の集合体(場合によってはもっと広い)がリハビリ、その目的となるのがリハビリテーションと言うのではないだろうか。

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