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「士業」という言葉がかっこよくて法律初学者が行政書士試験を受けた話

「士業」:
「〜士」と付く資格を持つ職業の俗称。弁護士・公認会計士・行政書士・弁理士など。さむらいぎょう。(goo辞書より)


さ む ら い ぎ ょ う
もう実質武士じゃん。かっこいい。つよそう。

しかも、その中でも一部の士業は「8士業」と呼ばれているらしい。
なにそれすごい。ジムリーダーみたい。バッジもあるし。

とはいえ、8士業の試験はそんなテンションで勉強して受かるようなものではない。
比較的優しめと言われている行政書士試験でも、合格までに必要な勉強時間は短く見積もっても数百時間といわれているらしい。
中途半端にやっても受からない試験であることは明白だ。

しかしながら、社会人になってからしばらく経ち、暗記などの「THE・勉強」をする機会は極端に減った。
意識的に頭を使っていかなければ、どんどん錆びついていってしまう気がする。
ここで一瞬でも「8士業の試験に挑戦したい」と思ったことは、何かの運命ではないか。

そんなわけで、きっかけは不純な動機だが、8士業の一つである行政書士の試験を受けてみることにした。
この記事では、自分が受験した令和5年度行政書士試験について、その感想や勉強方法、その他感じたこと等を書いていこうと思う。



概要

スペック

・法律初学者(公民系の知識は高校の現代社会まで)
・大卒(理系)
・社会人
・履歴書に書ける資格は自動車免許ぐらい

勉強スタイル

・独学
・勉強期間約半年
・勉強時間不明(300~400時間ぐらいだと思う)
・肢別過去問集(一問一答集のこと)を中心に勉強

試験結果

・合格(198点/300点、180点以上で合格)
 →各科目の正答数・得点
  基礎法学  1/2問
  憲法    2/5問
  行政法   14/19問
  民法    6/9問
  商法会社法 3/5問
  多肢選択式 10/12問
  一般知識  13/14問
  記述式   22/60点

合否通知書


感想

想像以上に難しい試験だった

なんとか合格したものの、法律初学者なこともあって想像以上に難しい試験だと感じた。
得点の内訳を見ても、自信をもって高いと言えるのは一般知識ぐらい。
簡単だった民法で3問も落としているし、記述も完答はおそらく0だった。

とにかく肢別だけやっていればよいと思っていた

模試や過去問(試験の形式になっているもの)を解いていればだいたいのレベル感は分かるはずなのだが、自分はそういったものを全くやらず本番を迎えていた。
「とにかく肢別をやり込めば合格できる知識がつくので、あとは試験本番でそれをぶつけるだけ」というぐらいの気持ちでいたと思う。

全体的な勉強時間だけみたら短いかもしれないけど、これは模試や過去問を全くやらず、もっと言うと講義も受けず、テキストすら買わずに肢別ばかりやっていたから。
肢別以外のものを全くやっていないわけではないけど、肢別を解いた時間だけで見たら合格者平均より長いと思う。

しかし試験を終えてみて、安定して合格するレベルに到達するためにはそれだけでは足りず、肢別で身に付けた雑学的・断片的な知識を繋いで応用できるような勉強が必要だと強く感じた。

あきらめずにやり切った

本当に頭を使ったというか、ひねり出してなんとか解き切ったという感覚が強い。
それだけ集中したし、出来ないからって心が折れたら終わりだと言い聞かせていた。
3時間全力で脳を使い続けた結果、試験が終わった時は頭痛というか、脳がぎゅんぎゅんする感覚に襲われ、そこから数日ずっと体調が悪かった。


勉強方法

ここからは、当時の考えを振り返りながら、自分が行った学習について時系列に沿って書いていこうと思う。

【5月中旬~6月上旬】 各科目の基礎知識をつける

法律初学者ということもあり、「ギョウセイホーってなに?」「ミンポーってなに?」という状態だったので、まずは概要や基礎知識を学ぼうと考えた。

最初はyoutubeの動画から探したが、行政法・民法に関してはなかなか良いものに巡り合えなかった。
科目の一部しか対応していなかったり、内容が冗長だったり、十数万円する有料コンテンツを購入していること前提だったり…

結局、行政法と民法に関しては伊藤塾の公務員試験対策の本を購入して学習した。

公務員試験を受ける人に向けた本ということもあり、法律初学者を想定してとても分かりやすく書いてあった。


また、憲法は中学公民や高校現代社会の知識で本当に最低限のことは分かると思ったので、とりあえずこの段階では何もしなかった。

商法(会社法)に関しては、団体職員2.0@お勉強チャンネル さんの動画で学習した。

ゼロから始める会社法というタイトルの通り、はじめて会社法に触れる人向けに分かりやすく解説されていた。

【6月中旬~8月中旬】 肢別過去問集で知識を肉付けする

各科目の「基礎of基礎」を学んだところで、肢別過去問集を使って試験に出るレベルの知識をガンガンつけていこうと考えた。

ネットで調べたところ、この早稲田経営出版の肢別過去問集を回せば受かるといった内容がよく目に留まった。
「そうなんだ、じゃあこれやり込めば楽勝じゃん」
この頃はそんな楽観的な気持ちでいたと思う。
もちろん最初は全然解けないのだが、気にせず答えと解説を読んで、それでも分からなければネットで調べるということを繰り返していた。

ちなみによく見ていたサイトは ステップアップファースト さんの過去問解説のページ。
法律初学者にも分かりやすく、それでいて詳しく解説されている。
テキストを買っていなかったので、気が付くと「とりあえずここを見てから考える」という思考になるぐらいにはこのサイトに頼り切っていた。

【8月中旬~9月下旬】 2冊目の肢別を購入し、並行して学習する

合格革命の肢別をやっていて、一度やったことのある問題をやる際、無意識に「メタ的な解き方」をしてしまうことがあった。
つまり、「根抵当権の1問目は○だったような気がする」「このあたりで出てくる問題文がめちゃめちゃ長い問題は×だったと思う」といったメタ情報で、無意識に正答を出してしまうことがあったのだ。

正答の理由が分かっていれば良いのだが、メタ情報で正答が分かってしまい、そこから理由を思い出すという流れになるのはなかなか気持ち悪い。
2週目は逆から・ページ下の問題からやるなどして、ある程度工夫をしながらやってはみたものの、紙媒体である以上どうしても限界はあった。

悩んでいたところ、早稲田経営出版だけではなく、LECも肢別過去問集を出版しているということを知った。
しかもそのLECの肢別にはスマホアプリ版がついており、間違えたところだけ抽出したり、何よりシャッフル出題が出来るらしい。
どちらにしろ学習を進めるうちに肢別1冊だけでは知識量が足りないのではという不安も出てきたので、思い切って買うことにした。

シャッフル出題が想像以上に良く、また思ったより合格革命との問題の被りが少なかったので、知識量の増加にもつながった。
また、同じ論点なのに合格革命では出来てLECでは出来ないということもあったので、買って正解だと感じた。
スマホ版は想像以上に自分に合っていて、通勤時間などスキマ時間に勉強できたので効率がググンと上がった。 

【10月上旬~10月下旬】 肢別と並行して記述式の対策をはじめる

10月に入った時点で、合格革命の肢別は2周目の途中、LECの肢別は1周終わったところ。
ここからは勉強時間を増やし、肢別を回しつつ記述式の問題集をやろうと決めた。

しかし、気に入った記述式の問題集を見つけるのには難儀した。
そもそも、記述式の問題集の多くは「40字にまとめる方法」にページの大半を割くものが多いと感じる。
自分は「記述に出そうな知識がまとまっているもの」を求めていたので、知識があること前提で40字にまとめるテクニックが書いてあるものより、載っている知識が豊富なものを選びたかったのだ。

amazonでサンプルを読みながら色々探した結果、ケータイ行政書士シリーズの記述式問題集を買うことにした。

この問題集はそういうテクニックなんて全く書かれておらず、ただひたすらに「記述に出そうな知識」を叩き込んでくるタイプのもの。
「不利益処分」「抵当権の性質」といったざっくりしたテーマについて、それぞれ見開き1ページずつ、これでもかというほど問題が載っている。
これが自分には刺さった。

しかし、これ1冊で太刀打ちできるほど記述は甘くない。
令和5年度本試験の記述問題だと、この本だけでは1・3問目(問44と問46)の論点が完全にはカバーされておらず、この本を全て完璧に記憶していたとしても完答は2問目(問45)しかできなかったと思われる。

試験が終わってから感じたことなのでこの時点では気付きようがないが、この本はあくまで基本論点を抑えるものとして使い、肢別を解いている時も記述を見据える必要があると思った。

【11月上旬~試験日】 全体の総復習と一般知識対策をする

この時点で合格革命の肢別を2周、LECの肢別を2周している状態。
最後に10日間でLECの肢別をなんとか1周まわして総復習しつつ、一般知識対策にも手を付けようと考えた。

一般知識は足切りさえ何とかなればいいと思っていたので、なるべく薄く広く知識をカバーしているものにしたいと思い、これもケータイ行政書士シリーズの一般知識を買うことにした。

この本は表紙に「足切りラインを突破せよ!」と書いてあるだけあって、非常にコンパクトにまとまっている。
しかしながら、意外と学生時代に習っていないことも載っていたし、肢別だけでは圧倒的に不足していた情報関係の分野に多くのページが割かれていて、やってよかったと思った。

また、時事については試験前日に 学びの場ちゃんねる / たける さんのyoutube動画を見てサラッと学習した。

このチャンネルは中高生向けなこともあり、背景に触れつつやさしく時事について解説していて、とても勉強になった。
ごはんを食べながら、またお風呂に入りながら倍速で見る。
あまりにも付け焼刃な学習だったが、本当にやってよかった。

また、LECの肢別に関しては、3周目とはいえ11月から始めて終わるか不安だったが、試験前までになんとか最後までやり切った。

ちなみにこの時の正答率は、シャッフル出題で94.7%。
問題が2500肢あるので、100肢以上間違えていることになる。
なかなか完璧にするのは難しい。
しかしながら本試験は6割取れば合格できるわけで、合格レベルの知識量は付けることができたのではと感じていた。

試験日までにやったこと まとめ

・公務員試験対策の本で行政法と民法の基礎を学ぶ
・肢別過去問を回す(合格革命2周 / LEC3周 +間違えたところの復習)
・記述対策の本を1冊やる
・一般知識と時事をサラッとやる

初学者に戻ったらこう勉強する

合格はしたものの、実際に試験を受けてみて感じたことも踏まえながら、いま自分が一から勉強するならこうする、ということを考えてみたい。

最低限の基礎を学ぶ

テキストや問題集へ入る前に、広く浅く、そしてやさしい表現で解説している本を読む。
法律初学者の自分にとって、これはやってよかったし必要だと思った。

自分は公務員試験の参考書で勉強したが、「はじめの一歩」「スタートダッシュ」的な本でも良いと思う。
公務員試験の参考書を買ってからそういうタイプの本があることを知ったので、こだわりがあるわけではない。

記述対策の本をやる

肢別へ入る前に、一回このタイミングで記述の本をやると良いと思った。
特に前述したケータイ行政書士の記述本は基礎的な知識が詰まっていて、このタイミングでやると肢別へスムーズに移行できると思う。

実際、公務員試験の参考書からいきなり肢別に行ったのは失敗だと思っていて、分からなければ調べればよいとはいえ、全然分からないことをやり続けるのは正直大変だった。

記述の本である必要はないが、とにかく肢別へ行く前に何か1つクッション的なものを挟むと良いと思った。

肢別過去問を回しながら、テキストで内容を確認する

なんだかんだ、肢別を勉強の中心に据えたいとは思う。
合格革命とLEC、2冊とも買いたい。
時間に余裕があれば大原のアプリなど3つ目に手を出しても良いぐらい。

また肢別を解くときは、正答することやたくさん問題を解くことが目的にならないようにしたいと思った。
つまり、無意識にメタ情報を使って答えを出したり、早くたくさんの問題を解きたいあまり解説を読まないなど、本末転倒な勉強に陥らない意識が必要だと感じる。

そしてやっぱりテキストは必要だと思った。
今思えば、テキストを買わずにやり始めた手前、意地になって買わずにいた気がする。

テキストを買うことで、「辞書的な使い方ができる」「一緒にその周辺知識が身に付く」「何度も問われているところが分かって自然と重要な箇所が理解できる」などなどなど、メリットは計り知れない。

再度記述を対策しながら、一般知識と時事に触れる

記述を本格的に勉強しつつ、肢別も回しつつ、でも直前期でよいので一般知識や時事の対策もやった方がいいと思った。

あくまで一般知識はおまけというか、本腰を入れてやるものではないと感じる。
でも全くやらないのは違うのかなとも思う。
サラっと問題集を見るだけでも、それがどこかの何かに引っかかるかもしれない。

試験の練習をする

模擬試験等、1回でいいので試験の練習をした方がいいと思った。
もちろんそれで自信が無くなってしまう可能性はあるが、それでも時間配分など得られるものの方が大きいと思う。

試験の雰囲気を味わいたいなら会場で受けるタイプの模試という選択肢もあるけど、結局本番と模試では感じる緊張感も違うし、自分は模擬試験の本を買ってやればよいかなと思った。

初学者に戻ったらやりたいこと まとめ

・初学者向けの本で各科目の基礎を学ぶ
・肢別をやる前に、記述対策の本などで基礎を補強する
・テキストを使いながら肢別をやる
・肢別を回して知識を定着させる
・試験が近づいてきたら記述対策を本格的にやる
・一般知識と時事をサラッとやる
・1回でいいから模試や過去問を3時間かけてちゃんと解く

Q&A

その他、まだ書き足りないことをQ&A形式で書こうと思う。

肢別だけで受かる?

隅から隅までやり込んで、解説に書いてあることをしっかり頭に叩き込むことができれば受かると思う。
でも、肢別「だけ」では効率が悪いというか、肢別を中心に講義やテキスト、記述対策本や一般知識対策本などを絡める方が色々と楽じゃないかな…と感じた。

働きながら独学でも受かる?

法律初学者で働きながらでもやり方によっては十分受かる試験だとは思った。
でも、行政書士として働きたいならスクールをオススメしたい。

そう思う理由は大きく2つあって、1つは独学より合格する可能性が高くなる(と思われる)こと。
実際にスクールに通ったことがないから分からないけど、「試験に受からせるプロ」はそれなりのノウハウを持っているはず。
1年に1回しかない試験。
行政書士として働きたいなら合格・不合格が自分の人生を大きく左右するわけで、お金を惜しむのは逆にもったいないと思う。

2つめの理由は、独学だと「しっかりした知識」が付きづらいということ。
肢別中心で学習していたので余計にそう感じるのかもしれないが、どうしても知識が断片的・付け焼刃的になりがちで、勘違いして覚えていることも多々あると感じる。
ちなみに自分は「根抵当権」を「ねていとうけん」と読むことを、この記事の執筆中に知った。
受かることがゴールではなく、身に付けた知識を仕事で活かしていきたいのであれば、時間はかかるかもしれないがスクールでしっかりと土台を作った方が良いと思った。

なんで○○買わなかったの?なんで○○やらなかったの?

買っていない、やっていないものについての所感。

スクール:
行政書士になりたいというより、久しぶりに一生懸命勉強するという経験を目的に受験したので、コスパを考えて行かなかった。
先述した通り、行政書士になりたいなら行った方がいいと思う。

「はじめの一冊」的な本:
公務員試験の対策本を買った後にこういう類の本があることを知ったので、知っていたら買っていたかも。

テキスト:
高いし分厚いし読む気しないから買わなかったけど、買った方が良かった。
肢別をやっている時、解説を読んで分からなかったら頼るものが欲しいし、ついでに周辺知識とか似たような部分を覚えられるし。

ウォーク問:
テキストに沿った問題集。
時間に余裕があれば買ってもいいと思う。
ただしあくまでアウトプットの練習(5択を解く練習)として使うべき。
まだ知識面に不安があるなら、それをやる時間で肢別を回した方がいいと思う。

1000本ノック:
テキスト準拠の一問一答型問題集。
「肢別の重要度Aを回すのと何が違うの?」と思ってしまったので買わなかった。
ただ、テキストにあって肢別ではカバーされていない論点も割とあるようで、それをカバーする目的でやるならアリだと思う。

過去問・模擬試験集:
時間配分の練習など、しっかりと目的を持ってやるなら良いと思う。
でも、これはあくまで試験の形式を学んだり、アウトプットの練習のためにやるのであって、これをやることで知識がつくわけではない。
試験1回に3時間かかるわけで、その時間で肢別を回す方が身になるのではという比較は常に考えた方が良いように思う。

模試(予備校で受けるタイプのもの):
お金かかるし会場まで行かないといけないし、結局模試と本番は空気感も違うと思っていたので受けなかった。
とはいえ、本番に近しい環境を経験したいとか、相対的な自分の力を知りたいとか、同じ目標に向かって頑張っている人を見て勇気づけられたいとか、受けた方がプラスになる人も多いとは思う。

六法、判例集:
ネットで調べればいいと思ったので買わなかった。
通読することも考えてなかったし。
もちろん通読で知識はつくと思うけど、ちょっと過剰というか、優先順位低めというか…
漢検受けるからって、一から漢字辞典を読み始めるような感覚。
肢別やテキストの知識が完璧でもう他にやることのない人がやる「エンドコンテンツ的要素」だと思ってしまった。

最重要論点:
必要な知識をコンパクトにまとめた本。
初見でこのタイプの本を見た時、「コンパクトにまとまりすぎていて逆に分からない」という感覚を持ってしまい、それ以来勝手に苦手意識がある。
知識がある程度ついてから見たら違った感想になったのかもしれないけど。

多肢選択式対策:
判例の穴埋めなんかも出るようで、対策のしかたが分からなかったので何もしなかった。
このためだけに六法やら判例集やら買うのもやり過ぎだと思ったし、そもそも現場思考でいけるかもしれないし。

文章理解対策:
ネットで色々調べた結果、わざわざ対策する必要はないと感じたので何もしなかった。
ネットの問題を見る限りだけど、かなり易しいと思う。
それにしても令和5年度は簡単すぎたけど。

捨てた科目や分野はあった?

最終的に商法は捨てた。(会社法はやった)

捨てるつもりはなかったが、300点満点180点合格の試験なのに4点分しか出ないのでどうしても優先順位が下がり、気が付いたら捨てていた。
それに「民法ではこうだけど商法ではこうだよ」みたいなのもあって、あまり中途半端にやっても民法とごちゃごちゃになると思ってしまった。

他に捨てたところはないが、地方自治法は色々悩んだ。
条文の数が多く、やればやるほど沼にハマる。

合格革命の肢別だと100ページ程度あるが、LECの肢別だと50ページちょっとだし、逆に大原のアプリだとすごい問題数が収録されているらしい。

どこまでやるべきかについては諸説あるようだが、自分は肢別に載っているものはちゃんとやろうという意識でいたと思う。
肢別以上の知識をつけようとも思わなかったし、肢別の重要度がCの問題でも飛ばさずにやった。

試験の問題はどういう順番で解いた?

①記述の問題を読んで、書けるなら下書きやキーワードを書く
②一般知識を解く
③前から順に解いていき、択一に飽きたら多肢を解く
④択一を最後まで解き、残った時間でじっくり記述を解く

脳は無意識化で勝手に情報を処理するらしい(実際はよく知らないけど)ので、最初に記述の情報を入れておくと良いのではという発想。
「最初に見た時は全く理解できなかったけど、時間をおいてまた見たら何となく意味が理解できた」ということを、少なくとも自分は何回も経験してきた。

仮に全然分からず脳がフリーズしてしまったとしても、択一が終わって試験時間残り30分の状態で初めて記述の問題を見てフリーズするよりまだマシだと思う。

また、一般知識は学生時代の知識を引っ張り出したり、文章理解で現場思考が必要だと思ったので、脳がフレッシュな時にやるべきだと考え、早めに解くことにした。

法令の択一問題に関しては長丁場なので、途中でリフレッシュの意味も込めて多肢選択を解いたところ、スムーズに集中を切らさず出来た。

もう一度試験を受けてくれと言われても、おそらくこの順番で解くと思う。
まあ令和6年度から試験内容変わっちゃうけど。

得点目標(何の科目で何問取るのか)は考えた?

全く考えなかったし、個人的にはおすすめしない。

事前にこういうこと考えちゃうと思惑通りに行かなかった時に心が折れたりパニクったりしてしまうと思う。
得意な科目でも難問だらけならあきらめざるを得ないことだってあるし、逆に苦手な科目でも簡単な問題だらけなら目標以上に取らないといけない。
例えば令和5年度の試験は基礎法学(問1~問2)と憲法(問3~問7)が難しかったけど、こういう得点目標を考えていた人ほど出鼻をくじかれて焦り、沼にハマったのではと感じてしまう。

大手予備校の試験分析を見るとよく分かるけど、この試験は得意不得意の差では埋められないレベルの明らかな捨て問というのが想像以上に多く存在する。
科目や分野に縛られず、取れる問題を全力で取りに行けばいいと思う。


おわりに

もともと「久しぶりに勉強してみよう」という気持ちで始めたが、やっぱり勉強を続けるうちに受かりたいと思ったし、それが達成できて本当に嬉しかった。

しかし思ったより大変な試験だったし、法律を勉強することの難しさも実感した。
しかもこの難易度の試験が、8士業の中では簡単な方という絶望感。
そして何より、受かったからといって行政書士として働くことができる気なんて全くしないという事実。

「資格試験に受かるのが偉い」のではなく、「資格を活かして活躍している人が偉い」ということは重々理解しているつもりだったけど、改めてそれを実感した。
この界隈は一生勉強なんだろうし、資格を活かして働いている方や、この界隈に飛び込もうとしている方たちへの尊敬の念はとても強い。

ここまで読んでくださっている方はほとんどいないと思うけど、最後までお読みいただきありがとうございました。


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