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オリンピックとVlogカメラ

2020年の7月24日の今日、東京オリンピックの開会式が行われる予定でした。朝は日差しが出ていましたが東京は雨の予報がでていますので自宅で幻のオリンピックを想って過ごすのにはちょうど良いかもしれません。

多くの人がこの日について、幻のオリンピックについてブログなどに書くのではないでしょうか。

自分はこの日に対して何を書こうかと考えたとき、オリンピックに向けて各社が開発してきたカメラが頭に浮かびました。オリンピックどころか旅行すら行けないような状況の中で少し良いカメラを買おうということにはなりませんので、せめてそのストーリーをしっかりと受け止め、来年おこなわれるかもしれないオリンピック本番に向けてイメージトレーニングをしておきたいと思います。

オリンピックカメラと言えば

オリンピックのカメラと言えば、プロカメラマンが会場で大きなレンズを付けて撮影するいわゆるフラッグシップ機を想像しますが、それとは別にオリンピック選手や応援する参加者の目線で思い出を残すためのカメラがあります。

最近ソニーとパナソニックから発売・発表された「Vlog向けのカメラ」はまさにそのために開発されたものです。新型コロナの影響がなければもう少し早く発売されオリンピックまでの盛り上がりなどを記録していたはずです。

体験を「まるごと」記録する

オリンピックの思い出を21世紀らしく残すならば「体験」を丸ごと記録することだと多くの人が感じていると思います。そのためには目の前の出来事だけでなくその場にいる自分自身や家族・仲間を被写体にできるカメラが必要です。

体験している自分を記録し、感じたことを言葉にして伝える。その作法は一部の実験的なTV番組から始まり、YouTuberやVideoBloggerと呼ばれる人たちが生み出した新しい撮影スタイルです。

そのスタイルがもっとも表れているのが、カメラを片手に持って移動し話をしながら撮影する「セルフ・アクティビティ撮影スタイル」ではないでしょうか。

自分自身がアクティビティに参加し、その様子をセルフィーで動画撮影し、さらに映像に向かって感じたことを話すことによって、これまで静止画だけでは伝えきれなかった「体験」が思い出に残せたり、他の人へ伝えることができるようになります。

なにもプロのアナウンサーやYouTuberのように長く話をする必要はありません。映像に写らない、場所や気温や、そこに至るまでのストーリーを話し、そこから目の前の出来事へと映像を切り替えていけば、きっと素敵な思い出になるはずです。

コンパクトさか、レンズ交換か

ソニーとパナソニックがそれぞれ選んだプラットフォームが、コンパクトカメラと小型ミラーレス一眼というところに注目です。

写りとしてはどちらも十分な画素数や画作りができるもので、フルサイズよりも小さい撮像サイズの活路としてVlogカメラを考えていたことが分かります。

両社とも「普通のカメラとしての使い勝手をそのままにVlogカメラにした」ことが第一のポイントです。よりアクティビティに対応していこうとすればGoProのようなアクションカムの方が扱いやすい場面も多いはずですが特化し過ぎたことでサブカメラのポジションから出ることができていません。ソニーもパナソニックも以前に出した製品で十分に学習したのだと思います。

ソニーのZV-1は、高画質を犠牲にせず小型化をギリギリ狙うことを考えると1型の撮像素子と固定レンズは説得力があります。ただ多様なシーンを撮影したり表現を工夫しようとするとレンズの表現幅の限界が足かせになりそうですので、本格的な撮影にはαをメインに使ってもらいサブカメラとしてVlogカメラを持つ状況を想定しているのかもしれません。

パナソニックのG100はレンズ交換できることで、さまざまな映像表現ができたり運動会や子供のスポーツ観戦の望遠撮影など活用領域が広がります。もしこの機種が一定の評価を受ければマイクロフォーサーズが多様な撮影スタイルを生み出す先進的なフォーマットであることをまた証明することになります。

コロナの次はオリンピック

カメラ業界はこの一年をどれだけ「準備と予習」期間にできるのか、しっかりとユーザーに体験を提供して、オリンピックに向けた期待を高めていく必要があります。

現在カメラはビデオ会議のためにPCに接続されています。実際に使われている数は別にして、各社がWebカメラとして使うためのユーティリティアプリを出し映像の可能性を体験する機会を提供しました。

このカメラとPCが接続されている状態を利用して、疑似的にオリンピックでの撮影を練習できるアプリを出すことができれば面白いと思います。

またその練習をより実践的に試してみるために、大量の観客を集めてスポーツイベントが出来ない今、プレミアムな観客としてカメラメーカーが自社ユーザーを招待して撮影機会を提供できれば、このマイナスな状況をプラスに変えることができるはずです。

さあ、来年のオリンピックとカメラ業界はどうなっているのでしょうか。どうなったとしても最大限楽しもうと思います。

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