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メタファ/モチーフからマテリアル、キャラクターへ

デザインの発想の原点となり、ユーザーと意味を共有するための鍵となるもの。共通の概念モデルであり、言葉よりも複雑な要素が組み合わさったものと定義することができます。

最近その辺りが色々変化してきているのでちょっと書き出してみる。

モノのメタファ/モチーフ

「スキューモーフィズム」ってとても言いにくいですよね。世の中に物理的に存在するモノを、グラフィックの中に用いることでそのモノが持つ意味によって情報を伝える手法のことです。

ゴミ箱アイコン、フォルダアイコンなどがこれに当たります。昔は立体的なゴミ箱のことをスキューモーフィズムデザイン、線画のものをフラットデザインって言っていた時代もありましたが、今はゴミ箱を使うものはスキューモー、「X」アイコンを使うものをフラット(シンプル)デザインと呼ぶようになっているかもしれません。

スキューモーの便利なところは、そのモノの扱われ方や機能が明確な場合は、行為を指し示すものとしても使われます。象徴的でありフローピーディスクアイコン(保存)などは実在するものというよりも単なる記号になっているとも言えます。

マテリアルデザインは関係情報を表現する

GUIがフラットになりどんどんとシンプルになっていく中で、それとは少し違った表現が生まれてきました、それがマテリアルデザインです。スキューモーと違う点は、存在するけれども物質では無いもの、情報としての存在としてエレメント(要素)が存在しています。

主に複数要素の関係性を示すために、組み合わせて使われます。ただし質量はモーションの中で表現されます。(基本的には「軽い」ものです)

キャラクターとしてのオブジェクト

当初はフラットデザインにおけるユーザビリティの担保のために使われていたマイクロアニメーション(インタラクション)は、その効果がエクスペリエンスの領域でも効果的であることからリッチなUIの表現として、可愛らしさや軽快さ、力強さといったキャラクターを持つようになってきています。

ユーザーの操作に対してのインタラクションで発信される情報は、ユーザーへの自己帰属感から、他者としてのオブジェクトの物理的・生物的反応に変化しているのではないかと考えています。

さまざま機器のインテリジェンス化が進みエージェントとしてふるまうようになっていくなかで、UIの本質が道具に対する身体性や帰属感ではななく、むしろ他者として独立した存在を感じるようになってくる場合には、このキャラクター性はより重要になってきます。

まとめ

メタファ/モチーフは、モノからカンケイへ、そしてキャラクターへと進化している。

ゴミ箱にドラッグして捨てていたドキュメントは、画面上でクシャクシャにつぶせば寂しく消えていくキャラクターへと進化するかもしれないということである。そうなってくるとUIデザイナーの役割は演劇監督かアイドルを育てるプロデューサーのような感じになっていくのではないだろうか。

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