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CP+でデジカメUXデザイナー連携

撮影スタイルをデザインするのがデジカメUXデザイナー達です。

Leicaによるカメラの小型化がストリートフォトグラフィを生んだように、カメラのデザインが撮影スタイルを作ってきた一面があります。

近年では、フィルムからデジタルへ、また写メ、スマホの登場も撮影スタイルに大きな影響を与えました。道具が人に変化を与えライフスタイルや価値観まで変えていくということは沢山おきています。


どんな存在のカメラを作りたいのか

この世のあらゆるものはさまざまな使い方ができます。例えばクルマもナイフもカメラも、どんな使い方もできますが間違えると人を傷つけてしまうこともあります。

人がその道具からどのような影響を受けて行動を取るかということが、プロダクト製品におけるUXデザインです。人が道具を使うためにはその道具が何に使えるのか認識する必要があります。「〇〇できそうだ」と感じさせる情報は製品そのものが発する場合もありますし、周辺情報として得ることもあります。それらをトータルで考えるのがUXデザインということになります。

現代的な道具の多くは、社会の関係性の中で使われます。クルマやインターネットと同じようにカメラも同様です。

つまりカメラが人に与える影響には撮影者に与えるものと被写体に与えるものの2つの方向があります。むしろどのようなカメラを使うかということが二者の関係においてメッセージの一つになっています。


デザイナーが作るカメラには、その双方向への意識を現場で作り出し、さらには社会全体に対して撮影という行為の意味を伝える一旦を持つものでなければなりません。またデジカメUXの中には撮影シーンだけでなくデジタル化によって広がった写真活用の世界も含めて意識していかなければならなくなっています。


固定した組織で価値観がアップデートできない問題

各社のカメラビジネスが縮小する中で、固定したメンバーだけで細々と仲間内で機能アップしては褒め合う関係になってしまっているのではないでしょうか。

これまでもカメラ開発の世界は多様な価値観を排除するような閉鎖的な面がありましたが、関係する人数が減っていき、さらに仲良しクラブになってしまっているのではないかと心配しています。

2月に発生した富士フイルムのプロモーション動画の件も、その様な関係の中で起きたことだと思います。


今回の騒動によって、さらにカメラからスマホへの流れが加速すると、多様な撮影スタイルが失われ写真文化の豊かさも衰退してしまいます。カメラメーカーにとって重大な事態になりかねません。もちろんその結果はカメラや写真を愛するユーザーのところに降りかかってきます。


CP+で連携、他社デザイナーと交流

デジカメUXデザイナーは、世の中にそれほど多くいるわけではありませんので、メーカーの枠を超えてさまざまなことを議論できる環境が必要です。

会社の中では技術とビジネスの話が中心になってしまいますが、他社のデザイナーと話をすることで社会や文化を意識した会話ができるのではないでしょうか。社会的な責任というほど大きいものではないかもしれませんが視野を広げバランス感覚を取り戻す取り組みをしていきませんか。

私は業務では既に引退した立場ですが、個人としてはUXデザイン/体験設計の題材としてデジカメUXの研究を続けていますので、もし希望者がいれば連携していきたいと思います。

富士フイルム、ニコン、キヤノン、パナソニック、ソニー、リコーペンタックス、シグマ、オリンパスのデザイナーの皆さん

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