ROMA/ローマ

ネットフリックスの映画がアカデミー賞を取ったと評判になった映画ということで、ずっと気になっていた。映画は基本的に予備知識なしで観るのが好きだ。余計な情報が入って来ないように気をつけていた。

白黒映画だか、映像は極めて鮮明。カメラはじっと固定していて、ときどきゆっくりとパンする。全体的に動きは少ない。主演とおぼしき女性の目の表情を覗く感じ。淡々と流れて行く日常に非日常的事件が重なっていき、いつのまにか登場人物たちに感情移入していく。

映画を観ている時間と映画の時間がなかなか融合しないまま、映画は進行していく。

昔見た「旅芸人の記録」を思い出した。内容忘れたけど、ワンショット長回しの映像だったようにおもう。

この映画、ローマの良さが分からない。と思いながら、じっと我慢してなんとか最後まで観た。

が、海で溺れそうになった子どもたちを自らも溺れそうになりながら救いに行くシーンは、圧巻だった。どきどきした。子どもたちを救ったあと、ほんとは生まれるのを望んでなかったと泣き崩れ、皆が肩を抱き合うことに、さらに感動した。このあと、きっとこの家族たちの絆は強固になっていったのではないか、そんな暖かい気持ちに包まれた。

ひょっとして、これがこの映画の良さなの?

監督の半自叙伝だと、後から知った。
あのシーンが事実だとしたら、あのシーンを描きたかったのだろう。

そうすると、この映画の良さをなんとなく理解した。

監督はゼログラビティを撮ったそうだ。ずっと、なぜか敬遠してたけど、観たくなった。

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