情シス→SIerへの転職で掴んだもの
情シス(社内SE)として約12年キャリアを歩んできた自分が、ロサンゼルスに転居しSIerとして働き始めてから早いもので1年。
SIerとして1年間働いてきた中で感じたことをまとめてみたいと思います。
SIer以前のキャリア
ちなみに、SIerになる前は 日系企業で約5年、外資系企業で約7年、情シス(社内SE)として以下のような仕事を担当してきました。対象ユーザは300名~80,000名くらい。
ヘルプデスクチーム監督+インシデント管理
基幹システム刷新
PBX→Skype for Business 切り替え
Microsoft 365導入(PM+ユーザ教育)
オフィス開設・クローズ・移転PM
数万台のWindowsクライアントのパッチ管理
SIerとしての今の仕事
現在は、アメリカでビジネスをしている日系企業を対象に、インフラエンジニアとしてITにまつわるあれやこれやの支援をしています。触っているインフラはオンプレミスとクラウドが半々くらい。社内SEの方をお手伝いすることもあれば、専任のIT担当者がいない会社さんに入っていくこともあります。ユーザが十数名~500名くらいの組織を中心に、以下のような仕事をしています。
サーバー・ネットワーク構築
バックアップ構築
PCキッティング
Microsoft 365管理
Azure管理
セキュリティ対策
ヘルプデスク対応
情シスとしての経験が活かせたこと
自分が想像していた以上に情シスとしてやってきた経験がそのまま役に立っています。
「〇〇ってだいたいこういうもの」が分かる
情シスとして広く浅くいろんな分野に触れてきたことが意外な形で役に立っています。
例えばセキュリティ製品を比較するうえで気を付けるポイントとか、基幹システムがカバーする範囲とか、エンドポイント管理製品の強み弱み、とかの「この分野でキモになるのはなんとなくこの辺」という勘所が(ボンヤリとであっても)分かっていることが情シス出身者の強み。
個別の機器・製品に関しての詳細な経験はなくても「的外れなことを言わずに会話を受け止める」「話題に乗っかってしゃべる」ことができるので、何でも興味を持っておいてよかったなあ、と感じています。不変(?)の法則
「人はミスをするし機械は壊れるもの」
「RPAって結局手間がかかる」「とりあえず再起動」
「ネットワーク機器、できれば4,5年に1回はリプレースしたい」
「DBが載ってるサーバはうかつに再起動できない」
「IT部門の通達ってあんまりユーザは見てない」
「Wifiを過信せず念のため有線も引いとけ」
みたいな情シス時代に培ったノウハウは、ある種不変の法則みたいなもので、SIerの業務にもそのまま活かせる場面が多いです。
SIerになって初めて経験したこと
逆に、SIerになって初めて経験・意識するようになったこともあります。
見積もりの作成
顧客向けにネットワークデバイスのハードウェア見積もりや、サーバのキッティングの作業費用見積もりを提出するようなことがあるのですが、こうした作業は情シス時代には経験したことがないものでした。
仕入れ値が〇〇ドルのサーバに利益を何パーセント乗せる、とか
サーバーのキッティング作業に〇時間かかるから、時間当たりの単価〇〇ドルをそれにかけて、バッファ入れて、とか
全く初めての作業なので、コツをつかむのに少し時間がかかりました。
工数(作業時間)を意識する
自分が手を動かしている作業時間は顧客に請求できるものか?、という点や
顧客に「〇時間で完了する想定」と報告していた作業が予定していた時間内に完了できそうか?、という意識づけは、情シス時代にはありませんでした。
SIerとなった今の自分は、これまでと違って顧客を相手にお金を稼ぐ立場。時間当たりの労働生産性にもシビアに向き合う必要があります。ここは明確に情シスとは違う点ではないかと思います。
1年間働いてみて得られたもの
自信がついてきた
情シスからSIerにポジションチェンジして1年、経験したことのあることも、初めてのこともいろいろやってきました。
外部の顧客と直接コミュニケーションしたり、お金に関するやり取りなどは
未経験だったので苦労することもありましたが、そういったことを乗りこなしてきたことで自分に自信が持てるようになってきた感じ。
どこ行っても必要なスキルって変わらない
日本からアメリカへ、情シスからSIer への転身、フィールドとしては大きな変化でしたが、1年働いてみて実感するのは「環境が変わっても、本質的に求められるスキルって変わらないんだな」ってこと。
学ぶ姿勢や主体性について、今後も自らを戒めつつ続けていければいいなと思います。
これから
今後の目標ですが、実は今年の7月に管理職を拝命しまして、小さなチームではありますがそれを束ねるマネージャーをやっています。チームの売上の管理やメンバーの育成など、特に管理職未経験の自分にとっては大きなチャレンジ。今後も楽しみつつ挑戦を続けていきます。
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