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Regenerative Leadership を考える#01

2/11に開催された、Ecological Memes主催の「Regenerative Leadership」を読み解くイベントへ行ってきました。(*Ecological Memes は、エコロジーや生態系を切り口に、これからの時代の人間観を探索する領域横断型サロン!詳しくは、こちらの代表 小林さんの記事をオススメします!)

タイトルにもあるように、「自分らしさの追求」と「社会の持続可能性」の繋がりが、今回学んだ「Regenerative Leadership」にもリンクするな〜と!早速、学んだことをこちらに書きたいと思います⬇︎


Regenerative(再生的)Leadershipに迫る!

今回の読書会は、2019年に出版された「Regenerative Leadership: The DNA of life-affirming 21st century organizations」(直訳:「再生的なリーダーシップ:生命を肯定する21世紀型組織のDNA」)を参加者全員で読み解くアクティブ・ブック・ダイアログのスタイルで行われました。

そもそも「リジェネラティブ」とは、「繰り返し生み出す」といった意味をもつそう。この本では、自然の叡智に学び、21世紀型のシステム変容をもたらすリーダーシップの在り方と実践に迫っていて、海外では「ビジネス、個人、そして地球にとって持続可能な未来を築くための画期的な設計図」と賞賛されているそう。昨年秋にも同様のイベントが行われたそうで、詳しい本の内容についてはこちらを参考にしてみてください⬇︎


このnoteでは、サステナビリティやエシカルといった領域で活動する私の視点で感想を書いていきたいと思うので、興味がある方は引き続き読み進めていただけたらと思います!

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今回の読書会前編では、イントロを含めPART2 まで読みました。(来月開催の後編は残りのPART 3を読みます!)

『Regenerative Leadership』は、生態系や自然環境をベースにした「リーダーシップ指南書」ならぬ「人生のガイドブック」というのが、PART 2まで読んだ私個人の感想です。

というのも、事前に著者の一人 Laura StormさんのTED talkも観ていたこともあり、この本が単純に「サステナ界隈必読のビジネス書」を超えたメッセージを持っている!と感じたからです。

(サステナビリティの最前線を行くLauraさんの、パーソナルなストーリーにも焦点が当たっています)

特に、サステナビリティを追いかけるあまり精神的に消耗したことから「Inner Sustainability(内面的な持続可能性)」の重要性に気づいた、という話はすごく納得しました。

…とは言え、全容が掴めないままではよく分からないと思うので、簡単にではありますが、今回読んだ部分で私が「おっ!」と思ったものに焦点を当て、サマライズしたいと思います。

「自然」を介して「内」と「外」を再繋する

イントロは、マクロ・ミクロでの「統合→分断」の流れについて。10万年前アフリカ大陸から世界に旅立った人類。自然との強いつながりを感じながらも、徐々に「農業革命」が起こったことで「自然」は人間による支配の対象になっていき、中世には宗教革命の影響で「神」や”男性”が自然や”女性”と切り離されることに。加えて、科学革命が加速したことで、「自然との断絶」や「”女性”への支配」が集団・個人的なアンバランスさを生んでいるとて堂々と書いてあったのが印象的なイントロダクションでした。

そういったマクロ社会の視点もありつつ、面白いのは「外的な世界」と「内的な世界」にも言及していること。科学革命が体現しているように、外的な技術革新や物質的進歩を追い求めてきた近代。それは、内的なウェルビーイングやコンシャスネスから目を背けてきた、とも言える。そして、心の「内側」で混乱したりトラブルを抱えると、「外側」の快楽(ショッピングや特別な食事、スポーツやデートetc)を求める。これって「外側」と「内側」が明確に分かれてしまっているってことだよね、というウェルネス的な視点もドドンと書かれていました。

そういった文脈を踏まえ、「脳科学」の領域にも展開しています。よく聞くとは思いますが、左脳ではロジカルで「直線的な構造」を、右脳では創造性や共感と言った「総体的な繋がり」を扱っていると言われます。つまりは、左脳と右脳の再統合した状態がリジェネレーションの時代に必要だよね、と。

このパートでは、「人間/自然」「男性/女性」「左脳/右脳」のように二つに分けて比較しながら進んでいて、そもそも「なんでリジェネラティブ・リーダーが必要になのか?」という前提がクリアになりました!

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(メンバーと、自分が読み解いたパートをシェア)

「セルフ・アウェアネス」 と 「システム・アウェアネス」

次に面白い!と思ったのが、「ライフ・ダイナミクス」と「リーダーシップ・ダイナミクス」。リジェネラティブ・リーダーシップの要(DNA)は、この2つの異なるダイナミクスが螺旋のように交わっているといいます。(詳細は、先ほど共有した前回のイベントレポートから!以下はこちらのレポートから引用しています^^)

「ライフ・ダイナミクス」は、生態系の中で自然に発生する緊張を具体化したもので、発散(divergence)と収束(convergence)によって構成されているそう。

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そして、「リーダーシップ・ダイナミクス」は、セルフ・アウェアネスとシステム・アウェアネスという2つから成り立っています。

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「セルフアウェアネス」とは、自分自身について観察し、気付いていく「自己理解」のこと。日々自分の中で生じる様々な感情や思考に気づき、受け入れていき、自身の内なるエネルギーや他者や世界とのつながりに気づくことができる、といいます。

同時に、自分たちを取り巻くシステム(相互のつながり合いや全体性)に自覚的であること(=システムアウェアネス)も重要に。これは、家族や友人、組織や自然環境など、システムにおける多様な関係性や見えないつながりに意識を向け、全体性を捉える力を指します。これって、イントロの部分にもあった「内側と外側の再繋」の話にも繋がりますよね。

正直、「リーダーシップ」と聞くと、「飛び抜けて出来るヒーロー」のようなイメージがあって個人的に好む言葉じゃないのですが、リジェネラティブ・リーダーはそうではなくて、自分の内的な世界観を持ちつつ、外的な自然のリズムに身を任せ行動に起こす人のことだな、と腑に落ちました。もはや、思想家兼活動家、という印象に。では実際にどうすれば?というパートは、次回のワークショップにて読み解いていきます!

外なる宇宙を、内なる宇宙に持つ

個人的にサステナビリティやエシカルの軸を持って活動をする中で、「ソーシャルグッド」って何なのか?そもそも社会を善悪で分けられるのか?全ての人・環境に「エシカル」な物って本当にあるのか?…と漠然とモヤモヤしていました。ですが、ナウシカや脳科学の本だったり、このイベントだったり…と色んなセレンディピティがあり、徐々に晴れていきました!

最近ナウシカの原作にはまっているのですが、その中にあった「生命はどんなに小さくとも 外なる宇宙を 内なる宇宙に持つ」っていう言葉を思い出しました。「宇宙」と聞くとスピリチュアルな印象があって抵抗ある方がいるかもしれないし、私自身もこの感覚が「宇宙」って言葉なのか分からないですが、何か自分の中の言語化できない感覚的なものが作動しているのは間違いないな、と思います。

この本の中で、サステナビリティに関する指摘もあり、著者は「フレームワークとしての”外的”なサステナビリティに焦点が当たっている」と述べています。たしかに、SDGsやCSRなど”戦略的”に捉えて多くの企業が動いている印象がありますよね。ですが、よく分からない/うまくいかない、という声も聞きます。それって、サステナビリティの本質は「内側」と「外側」が合わさって初めてわかるものだからでは?と、この本を通して考えるようになりました。本当に心(内側)がサステナを求めていないから、結果として「外側」がうまくいかない、のような。

文字にしてみると単純だけど、実践しないとその感覚は得られないはず。SDGsは社会的に決められた目標を達成することだけど、その世界観に自分自身が到達することでもあると思います。と考えると、SDGsだけでなく、サステナやエシカルに社会的に取り組むことって、自分自身の探究にも繋がるな、と。

自分の中で見えてきた部分は、また別のnoteに書いていきたいと思っています。興味ある方は引き続きチェックしてみてくださいね!


Thank you for reading !!

(photo:  Kana Hasebeさん✨)