見出し画像

なぜ人事評価に納得しないのか?みんなが勘違いしてしまうこと

「あなたの車の運転技術は平均以上ですか?」そう質問されると、きっと多くの方が「そんなに運転は得意じゃないけど、まあ平均以上だろう」と答えると思います。
でももし、みんなが平均以上だったら?それはもはや平均ではなくなります。そんな矛盾が人事評価の場面でも起きてしまうのです。


「平均以上効果」

人は自分のことを平均より上だと思いたがる傾向があります。前述の運転スキルは、まさにその一例といえます。このような自分は他人と比べて平均以上だと考える現象を「平均以上効果」といいます。

運転スキルにかかわらず、例えばビジネスマネジャーを対象に行われたフランスのある調査では、90%の人が「自分の専門性は平均的な同僚よりも優れている」と評価したといい、「自分は平均以下だ」と評価したのはたった1%でした。

自分の貢献度は過大評価する

また面白い研究では、夫婦の協同作業に対する自分の貢献度を、夫婦別々にパーセンテージで答えてもらいました。それぞれが正しく自分の貢献度を評価していれば、その合計は100%になるはずです。

ところが皆さんご察しの通り、結果はほとんどのケースで100%を超えてしまいました。つまり自分は相手よりより多く家事に貢献していると、互いに過大評価してしまっているということなのです。

不満を持つの当然

繰り返しになりますが、人は自分のことを実際より高く評価する傾向にあるのです。だとすれば、あなたが部下に平均より低い人事評価をくだせば(それが正しい評価結果だったとしても)、ほとんどの部下はその結果に不満を持つでしょう。

低い評価をくだす以上、必ず部下は不満を招くということを、上司は肝に銘じておかなければいけません。逆にいえば、不満を持つことは当然のことなので、恐れず公正なジャッジをくだすことが上司には求められるのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?