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年をとって、昔に帰っていく

「青空だー。」

今日は朝から晴れています。
青い空に白い雲、真夏のようですが、
それでも空気は秋っぽく爽やかです。

りこちゃんと こざる達は 今日もいつものように 賑やかにお喋りしながら、
朝ごはんを食べました。

こざるちゃんは、その後にポストに手紙を投函しにいって、
今、帰り道です。

「もう秋の空気だなぁ。」
こざるちゃんは、呟きます。

保育園の横を通ります。
お子さんを連れてくるお父さん、お母さんが、
次々とやってきます。

「赤ちゃんって、ふっわふわの焼きたてパンみたいだ。」
こざるちゃんが言います。

「ほっぺも、腕も、あんよも、ぷくぷくしてるんだ!」

どの子も、ぷくぷく、ふっくらと焼き上がったパンのよう、
とってもかわいいのです。

もう少し大きい子供たちも、親御さんと手をつないで、
歩いてやってきます。

「もう焼きたてパンみたいじゃないけれど、どの子もかわいいなぁ。」

お母さんと手をつないで、
ぴょんぴょん飛び跳ねてくる小さい女の子もいます。

「あの小さい女の子、ちょっと りこちゃんみたいだ。」

こざる達は、おばあさんの りこちゃんの中に、
遠い昔、小さい女の子だった りこちゃんを見ることがよくあります。

年をとっていくと、やがて昔に帰っていくのかもしれないと、
こざる達は、そう話しています。

子供から大人になって、生きていく為に様々な知恵がついて、
そして年をとって、余計なものが削ぎ落とされて、
また子供の時の自分に戻っていくのかもしれません。

「"りこちゃん、おやつだよー"って言うと、
小さい女の子のように、キラキラッと輝いて、"うん"って言うからね。」


「ただいまー。」
「おかえりー。」

こざるカフェに入ると、りこちゃんもこざる達も
大好きな歌が流れています。

「You don't have to worry.worry
守ってあげたい
あなたを苦しめる全てのことから」

松任谷由実の『守ってあげたい』です。

「ちょっと りこちゃんの様子、見てくるねー。」
こざるちゃんは歌いながら、りこちゃんの部屋へ向かいます。

「日暮れまで土手にすわりレンゲを編んだ
もう一度あんな気持ちで夢を形にして
So you don't have to worry.worry
守ってあげたい
他には何ひとつできなくてもいい
'Cause I love you'Cause I love you.」


こざるカフェは、今日も ゆっくり始まって
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
どの子も皆、幸せで 守られる存在でありますように。
よい毎日でありますように (^_^)

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