「やっぱり決勝は、わくわくするねー。」
「そうだね。」
「あ、いたいた! あの子だよね!」

今夜はラグビーワールドカップの決勝戦です。
もちろん りこちゃんも、こざる達も テレビの前に陣取っています。
画面には、入場直前の選手たちが映っています。
皆が話しているのは、一緒に入場するマスコットキッズの男の子のことです。

「南アフリカの選手たちと一緒に入場する岩手県釜石市の男の子、小学4年生の小野君は、
釜石で行われるはずだった試合でマスコットキッズを務める予定だったんだけど、
台風の影響で試合が中止になってしまったんだ。」

ナミビア対カナダの試合は、台風19号の影響で中止になり、マスコットキッズを務めることができなくて、
ものすごくがっかりしていたそうです。

「小野君は、釜石シーウェイブスのジュニアチームでラグビーをやっているんだけど、
もうラグビー辞めようかなーってくらい、がっかりしていたんだよ。」
「釜石は東日本大震災で被災していて、今度は台風でまた被害があったんだよね。」

自然災害が次々と起こります。

「でも決勝戦でマスコットキッズを務めることができるからって、とっても喜んで、
ちゃんと南アフリカの国歌を練習したんだって。」
「そのワクワク具合、わかるなー。」
「すごーく嬉しいよね、だってワールドカップの決勝戦だよ!!」
皆、うんうん頷きます。

「あ、入場だよ!」

りこちゃんも、こざる達も、とっても嬉しい気持ちで画面に見入っています。

「小野君、ちょっと緊張している感じだね。」
「嬉しくて笑顔になりすぎないようにっていう顔だなー。」

いよいよ決勝戦が始まります。

「どっちも応援だけど、でも南アフリカかな?」
「そうだね、だって日本を破ったチームだからね。」
「前回は、日本が勝ったんだよ!」
「エディさんのイングランドも応援しようよ!」
「りこちゃんは、どっち?」
「そうねぇ….両方かな?」

テレビからは大きな歓声が聞こえてきます。
りこちゃんも、こざる達も 笑顔で観ています。

こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
南アフリカ、強かったですね。
よい毎日でありますように (^_^)