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中央政治局会議(経済工作)

中央政治局会議(今回は経済工作)。日本にあわせて無理意訳すれば、チャイナ版「経済財政諮問会議」。
7月24日に開催されていたことが新華社から公表されました。当然ながら、チャイナの重要会議は後追い発表です(情報はマニピュレートされることがプロパガンダにおける基礎です)。
公表内容は従前通り。習指導部は内需が高まらないことにビンビンに焦っていることを感じます。 直近にPPIが5.4%下がっても「デフレではない!!」と当局発表をしてますけれども、これは当然スルー。

https://www.chinanews.com/cj/2023/07-17/10044416.shtml

むしろ経済当局は豚肉価格(CPI関連指標)が下落している云々が嬉しいみたいな雰囲気もあって、あぁやっぱ豚肉なんだなぁ、あぁやっぱ人民の腹を安価に満たすことが大事なんだなぁ、農民一揆が怖いんだなぁ、インフレが怖いんだなぁ、という農民からの革命や飢饉を異常に恐れるチャイナ経済政策の伝統を感じる流れです。デフレを適正に警戒する百戦錬磨のサイコパス経済官僚はともかく、中共総体の意思としてはデフレよりインフレへの警戒が強い気配。キラキラワードで言えば食糧安全保障や物価の適切なコントロールなのではありますが…、その根っこは食えなかった時代への恐怖や、人民の腹を満たすことが政権安定みたいなDNAがあるような気がします。
とりあえず、いろいろ経済当局が指導部の茶々入れでヤラかしてしまって、世界にデフレ輸出みたいな事態になるのは避けて欲しいですぬ。

チャイナ経済は、チャイナ指導部、政府、人民、国内識者、国外識者からの目も含めてほぼ全部「悪化している」というところでありまして、これは指導部も織り込み済み。

じゃぁ彼らがどうコントロールしていくのか、っていうマネジメント技術に着目するわけですけれども、新人事が決まったばかりで、財政政策も金融政策も今のところはお手並み拝見期間。(逆に言えば、このグレーな期間だからこそ、リスク評価に従って投資をハルのかヒクのかってところで、投資家判断は分かれそうではある。僕自身は……という判断だけど。)

日本国内でも、感情保守の「中国は経済危機だから、独裁者習近平は対外に国民の目を向けさせるために即台湾侵攻!」みたいな旧共産主義圏の歴史バイアスを解釈した蓋然性の低すぎる見立てはともかく、仮に一層のチャイナ不況になるならば、これに真正面から対応しなきゃならん日本(特に経済部門)としては早めの分析と対応が必要だろうと。

チャイナ経済の悪化を認識する指導部に対して、アクロバティックに擁護論陣をはるチャイナ内御用学者の先生方の論は面白いと思います、はい。 (経済に関しては、結果論だけど)最良の舵取りをしているとは言い難い船頭に対して、船頭はベストパフォーマンスでうまくやってます、と持ち上げるのは大変だよぬ。


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