中川コージ

マッドサイエンティスト。戦略科学者。Gamer, Fitness-life lover…

中川コージ

マッドサイエンティスト。戦略科学者。Gamer, Fitness-life lover, Otaku, Sci-Fi geek, Ph.D. in Strategic Management.

最近の記事

話題のチャイナ側露専門家の記事に関する雑談(特に重要な内容は無し)

下記の東野先生のnoteについて、中川コージはどう思ってる?的なポストをみたので少し反応しておきますと、主たる東野先生の解説&主張については「なるほど、勉強になる。それに、チャイナ教授氏の国際関係論領域の主張が日本のアカデミアの先生方の間でも真っ当なかたちで話題になるなんて、SNSは時代を変えてるなぁ」というものです。 んで、その本筋とは別議論として、チャイナに関するいくつかの論点、見解を挙げときます。 チャイナ当局の馮教授に対する取り扱いについては、下記のポストが僕の見

    • タタ総裁チャンドラセカラン氏、ご降臨。

      僕がインドで所属する大学の理事長(学長ではなく理事長)はインドの巨大財閥コングロマリットであるTATAタタ・グループ総裁のチャンドラセカラン氏です。2017年からインド連邦中央政府の承認を受けて(国立大学なので)理事長に就任されてます。 んで、僕もせっかく「中のひと」なので、いつかお会いできたらなぁとは、大学に所属する前から思っておりましたが、突然そんなチャンスがやってきました。数日前から大学内の整備が突貫工事で進められているなぁと思っていて、確認すると重要な会議があること

      • チャイナとインドの信仰

        先日(2024年3月11日)に、話題沸騰(??)の「市民権改正法」施行がインド政府から発表されました。総選挙直前の時期にヒンドゥー至上主義を隠さない…、というよりも煽って煽って劇場型選挙に持ち込み圧倒的勝利を狙う印人党による政権ムーブとしては、納得のタイミングです。 (※ちょっと記事が長めなので冒頭でこのnote投稿のスタンスを示しておきますが、インドの人権問題大変ですね、などと意識高い系のゆるふわで纏める投稿ではないです。) https://www.hindustanti

        • 合法プロパガンダを味わう。

          インド政治を楽しむシリーズ第二弾を書きます。前回(↓リンクの記事)はエモい「選挙シンボル」について書きました。 今回は合法プロパガンダの小ネタです。 前回のnoteで書いたように、印選管(インド選挙管理委員会)を調べていた矢先、かつ総選挙直前に選挙管理委員が辞めちゃったよ、ということで個人的に驚きました。しかも「なぜ」かは不明なまま辞めちゃったんです。 印選管トップ層構造は、委員長1名+委員2名で構成されてて前から委員1名空席になってました。んでアルンゴエル氏が辞職したの

        話題のチャイナ側露専門家の記事に関する雑談(特に重要な内容は無し)

          インドの政党・選挙を美味しく味わう。

          インドの総選挙(任期満了の場合は5年に1度)が2024年に春に予定されています。僕はいまインド現地に居住していまして、インド共和国・連邦中央政府立大学内の公共政策センターに所属する立場(≒インドの犬)であります。せっかくならばこの14億人(有権者9億人)参加型リアルフェスを楽しまないという選択肢は存在しません。世界最大級の合法的な骨肉の争いです。 何事も楽しむには事前学習が必要ということで、noteを読んでくれている同志のみなさんにも、面白ポイントを見出すきっかけを提示でき

          インドの政党・選挙を美味しく味わう。

          チャイナの春節。人民大移動。

          チャイナの春節。人民大移動。 確かに日本へ観光は著しく減っている様子。明らかにチャイナ経済不調の現れであることは間違いないものの、念のためいくつかの副次的要素も考慮しておく。 チャイナは近年、日本人ビザ免除措置停止、福島処理水論戦、海産物輸入禁止措置云々と日本への嫌がらせ(エコノミックステートクラフト含む)を展開している。 チャイナのゆるふわ一般人民や事業者にも「反日」というよりも、北京中央からの紅い空気を感じ取って「日本に触れないでおこう」テンションは広まってる。当局の宣

          チャイナの春節。人民大移動。

          スパイスシスターズ(AI生成実験)

          ※適当に指示したら、好みの画像がAIから出力されたので、せっかくなので生成AIに世界観を指示してライトノベルがどれくらいのクオリティになるのかテスト。日本語文も翻訳もほぼ手直しをせずに貼り付けてみます。 あらすじ インドのとある王国の首都、バクシカタラブ。この街は、東西南北の文化が交わる場所であり、魔法の発展にも恵まれていた。魔法とは、スパイスの調合によって生み出される不思議な力のことである。スパイスは、様々な香辛料やハーブを組み合わせて作られるもので、その種類や配合によ

          スパイスシスターズ(AI生成実験)

          【謹告】IIMインド管理大学(Lucknow・Delhi-Noida校)のリサーチフェローに就任しました。

          正式な辞令が出まして、ツィッターなどSNSで昨年2023年末に報告していたものの、noteでは投稿していませんでしたのでアーカイブとしてこちらでも投稿しておきます。 IIMインド管理大学ラクナウノイダ公共政策センターリサーチフェローに就任しました。 短期(訪問)滞在ではなく正式な長期所属です。北京大博士号や日本での政治との実務的関わりを買って頂いたようです。 経済安保と産業イノベーション、行政&企業腐敗の研究します。国際関係から公共政策といった国家レベル、そしてインドも含め

          【謹告】IIMインド管理大学(Lucknow・Delhi-Noida校)のリサーチフェローに就任しました。

          台湾総統副総統&立法委員選挙。

          ※開票速報を受けて自分のツィッターに投稿した、即興所感の転載です。 これくらいの得票差だと次回選挙での大幅揺り戻し不確実性増加のヒヤヒヤは減るとはいえ、 さすがに政権腐敗も自然増になる三期目だし、台湾半導体バカ売れラッキーパンチ効果も低減するトレンドになるだろうし、四年間で台湾周辺米中均衡も一層変化するし、経済では北京中央から引き続き冷遇されるし、党支持層タカ派に配慮しつつ経済政策でチャイナ切りもできないわけだから、たいへんな政権運営&党運営になるというのは単純に予想できる

          台湾総統副総統&立法委員選挙。

          「一帯一路」はオワコンか?

          第3回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムが10月17日、18日に開催されます。 特設サイト https://www.beltandroadforum.org/ 「一帯一路」オフィシャルページ(常設) https://www.yidaiyilu.gov.cn/  一帯一路は、ご存知の方も多いと思いますが、チャイナの経済的対外拡張構想です。彼らはオフィシャルには語らないものの、経済権益をベースにした覇権主義的な構想であり、2049年までに米国を凌駕する超大国化を目指すチャイ

          「一帯一路」はオワコンか?

          木軸ペンでシグノ芯を使うアダプター

          趣味多き道楽者として生きてる、どーも僕です。 今日は数ある自分の趣味のうち、いつもSNSでつぶやいてるウィスキーや筋肉やゲームの話ではなく、筆記具のことについて。 なんでわざわざnoteで書きたくなったかっていうと、何度も何度も何度も何度も何度も何度もチャレンジした改造がうまくいったからです。これは、世の文具ファンの同志たちにも実験(成功例)結果を報告しておかなければ、と。 みなさんご存知のボールペン。 中をパカっと開けるとリフィル(インクが入ってる細長い替芯)ってのが入

          木軸ペンでシグノ芯を使うアダプター

          言論人の居酒屋トーク。

          ラジオやネット配信など、長めのトークベースの番組を聴いていたり、僕自身が番組出演する電波芸の機会があったりすると、「保守系大御所」の語るチャイナ解説にでくわします。これがなかなかヒドい。"俺がチャイナについてザックリと批判して、みてる人が面白ければいいじゃん"、とかいう不誠実な態度です。 高校生知識レベルの旧共産国失敗の歴史みたいな薄い知識で、現チャイナの独裁失敗可能性を論拠にしているだけだったりします。それ、貴方の嫌いな左派が「憲法9条を守れば日本の平和が守られる」と形式上

          言論人の居酒屋トーク。

          福島処理水放出に対するチャイナの反応

          チャイナ側が(福島)処理水を政治問題化した件について「日本側が事前協議の配慮に欠いたからチャイナがセンセーショナルに反応している」という日本国内の論は戯れ言です。あり得ません。 日本側が事前協議を丁寧に持ちかけようが、無害エビデンス出そうが、今般のチャイナムーブは不可避です。今回の件は、彼らの内政ロジックから発出されたものです。 えーさて、 その大前提の上で、議論はチャイナの内政ロジックの要因分析になってきます。 中共にしては、非科学的な反応であって日本側に淡々と反証さ

          福島処理水放出に対するチャイナの反応

          恒大集団ショック?

          先日の僕の電波芸(@僕が大好きなアベプラ)について、少なくない反響をいただきました。 「チャイナ当局が無策で放置していたというのは"変"ではないですか?」というご質問がありました。限られた番組の時間内で僕がチャイナの背景事情を表現できてなかったのかな、と思いまして短文で補足noteを書いておきます。 恒大集団の個別企業問題に限らず、 チャイナ当局の国内不動産業界に対する態度は、 「(無策的)放置」といってしまうと誤解が生まれると思いますので、多少厳密にいえば… 1つは、目

          恒大集団ショック?

          沼地にバベルの塔(SNS雑談から転載)

          テレビラジオ。 九段線鞘当てしかり台湾侵攻しかり「中国は覇権志向に基づき常に拡張的である。拡張は中国にとってメリットがある。」という前提土台で、メディアで言論人のみなさん妄想たくましくチャイナ起点の軍事衝突を煽る、煽る、煽る。 煽った上で有事の日本の政治課題まで語れるので、何か政策を語ってる風ではあるが土台論拠は脆弱。沼地にバベルの塔。論拠を補強するために「米欧識者は…」と権威を持ち込む。その言論(電波芸)は大衆煽動につながり、政治リソースを無駄に割くノイズをふりまいて

          沼地にバベルの塔(SNS雑談から転載)

          中央政治局会議(経済工作)

          中央政治局会議(今回は経済工作)。日本にあわせて無理意訳すれば、チャイナ版「経済財政諮問会議」。 7月24日に開催されていたことが新華社から公表されました。当然ながら、チャイナの重要会議は後追い発表です(情報はマニピュレートされることがプロパガンダにおける基礎です)。 公表内容は従前通り。習指導部は内需が高まらないことにビンビンに焦っていることを感じます。 直近にPPIが5.4%下がっても「デフレではない!!」と当局発表をしてますけれども、これは当然スルー。 https:/

          中央政治局会議(経済工作)