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言論人の居酒屋トーク。

ラジオやネット配信など、長めのトークベースの番組を聴いていたり、僕自身が番組出演する電波芸の機会があったりすると、「保守系大御所」の語るチャイナ解説にでくわします。これがなかなかヒドい。"俺がチャイナについてザックリと批判して、みてる人が面白ければいいじゃん"、とかいう不誠実な態度です。
高校生知識レベルの旧共産国失敗の歴史みたいな薄い知識で、現チャイナの独裁失敗可能性を論拠にしているだけだったりします。それ、貴方の嫌いな左派が「憲法9条を守れば日本の平和が守られる」と形式上の戯言を語っているのと同じですから。理念形式面とリアルな運用・解釈・実務は別物だってことくらいわかるでしょう、と。

極悪帝国の中華様は常にメディアの注目を集めます。んでメディア上に様々な話題でチャイナが登場するわけです。そのチャイナ解説をする出演してる言論人は意識高い風に見せかけることは慣れているのですが、実はその本質は単にイヤな上司や同僚の悪口、政権への不満をグチグチ言う感じの場末の居酒屋と同じです。チャイナをののしっておけばいいし、聞いてる人はそれを求めてるんでしょ、と。

「チャイナは独裁。法治は無い。独裁者が全て決定。」想定ではなく斑な法治遵守性変化を見るべきだし、
「我らが米国様が上から目線でチャイナと余裕で対峙」ではなく米中間コンテキストの変化を見るべきだし、
古さ満載想定の対チャイナ解像度で経済や安全保障を語っても…と。

例えば、チャイナ内の最新国内法制度アップデートを無視して、「結局かの国は全て人治で解決」という古臭い総論ロジックで自身の不勉強の免罪符にしちゃってるだけ。
あるべきはどのセクションが今も人治的でどのセクションは客観法治的に変化してきたのか、を見極めること。十把一絡げにチャイナ=100%人治とするのは、言論人が解像度を上げることに怠惰なだけなのですよぬ。

中華不動産処理問題やら半導体規制やら処理水問題やら、フレッシュな問題を語る時に、内政に対する解像度がほんとガバガバ。基礎工事のロジックが適当なところに上にニュースを乗っけている、沼地にバベルの塔。

ガバガバというか古臭いチャイナ像(敵側のプロファイリング)の想定で語っといてもイイや、視聴者らはわからないだろう、という誠実さの無さだと思います。
過去のチャイナに関する経験談・体験談を話す方も少なくないが、いつの話だよ、と。しかも、自分個人周囲数メートルの体験を14億人に拡張して針小棒大に語るなよ、と。

チャイナの意思決定プロセスを旧共産主義国の失敗を錦の御旗にして小ばかにしておけば良い、という慢心。利己的すぎるんじゃないかなぁ、と。

まぁ僕自身、あまりにも勉強量が足りな過ぎて、知れば知るほど「これ組織的にチャイナ分析やらないと、独りでチンマリやってたら無理ゲーぢゃん」となっていったりするので、あまり大きな声で批判はできないんだけども。少なくとも感情保守言論人はただの居酒屋トーク。まぁ我々はみなで少しずつ勉強して頑張りましょう。

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