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転職活動してみたらとても楽しかった件

先日、転職活動というのをやってみました。元々、生涯を1つの職業で終えるつもりはなかったこともあり、いつかチャレンジしてみたかったんですね。

具体的には、元々好きだった会社で「これやってみたい」という求人が出ていたので、正式に申し込んで1次面接→人事との面談→役員面接と進んで…そこまでで「採用見送り」。つまりは不採用となりました。もちろんやってみたい仕事だからこそ受けたわけなので残念ではあるし悔しくもあるんですが、感想としてはとても楽しかったんです。

僕の友人には(同業である)公務員が多く、一度も転職活動したことないという人も多いのかなと思うところ、やってみたらとっても楽しかったよということを書いてみようかなと思います。

まず前提として、僕は高卒で公務員試験を受けてそこから約25年公務員をしてますので、転職活動はおろか、いわゆる就職活動ということもしたことがありません。ちなみに、僕の事前のイメージとしては、就職活動って「圧迫面接…」って感じで、正直始める前はすごくビビっていました。公務員しかやったことない自分の経験に胸を張ることも難しく(張りたいですけどね)、何か特殊なスキルを持っているわけでもないし、言っても40過ぎてますし、僕が受けたところで「なんでこんな人が受けにきたんだろう?(悪い意味で)」ってなってしまうんじゃないかというような不安でいっぱいでした。

そんな前提で受けてみたところ、実に、実に、実に、皆さんお優しくてですね。前述のとおり3回面接(面談)したわけですが、どれもとても楽しくて。結果変えてもらえなくても全然いいので、もう一回面接受けたいなと思うほどだったんです。

これは、僕が受けた会社がとてもよかったということかもしれないので、どこでもそうとはもちろん言えないというのは大前提なんですが、それでもある程度共通してるのかもしれないなと思ったのはこういうこと↓なんじゃないかと。

①自分のこれまでの仕事を俯瞰して見ることができる

僕の場合約25年公務員やってるわけで、随分長い期間なわけです。自分としてはあまり「すごいことをやった」みたいには思えないわけですけども、面接となればある程度そのマインドを変えなくてはいけません。自分のこれまでのキャリアを見返して、まとめて、それにどんな価値があるのかを説明しなくてはいけない。こういうことって、普段仕事してる中ではなかなかやらないことですよね(やってる人もいるとは思うんですけど)。改めてそういう時間をとると、自分がこれまで歩いてきた道程を振り返り、実現したことも実現できなかったこともいろいろ思い出す、するとなかなかに自己肯定感が高まるんですよね。結構いろいろ頑張ったな自分と。これって転職活動をすることで見つけた一番のメリットかもしれません。

②別組織の人から評価してもらえる

①で作った内容は、とても大事なものですが、あくまで「自分にとって」です。それを先方に渡し、面接でいろいろ聞いてもらうことで、別組織の人が自分の仕事のどういうところに興味を示すのか、高い評価をしようとするのはどういうポイントなのかというのがわかってきます。もちろん、自分としては「ここがポイント!」と思う箇所はあっても、全然違うポイントを「これ凄いですね」と言ってもらえたりします。この意外性、ずっと同じ組織にいるとなかなか味わえないものです。「組織の中での常識は世間の非常識」というケースはよくありますが、それに気づく機会は転職活動に限らず多い方がいいんじゃないかと思います。

③インタビューされてるような気分になる

①②を踏まえてさらにいろいろ自分の想いなどを聞かれるわけですが、さながらインタビューでしたね。何かをやった時の想いといったものって、誰かに話す機会ほとんどないです。やっぱ照れくさいですし。でも、転職面接では聞かれまくりますし、当然に話さなくてはいけません。もちろん照れくさい部分もあるわけですが、ある種そういったリミッターを外すべき、外さないといけない場なわけですから、思いっきり語ることができる。これは好き嫌い・向き不向きがある部分だとは思いますが、そういうの好きな人にとってはたまらない時間で。部下や後輩に時間をかけてこんなん語っていたら嫌がられてしまうというかハラスメントになってもおかしくないようなことも、この場では話しまくっていいわけです。これは貴重な時間をもらえたなと思いましたね。

④とにかく褒めてもらえる

僕の人生にとって大事なポイントの1つが「褒め」で、世界(特に日本)には褒めが足りないというのが僕の持論なんですけども、転職面接という場ではとにかく褒めてもらえます。

「ここにあったのか褒める場は!」てなりましたね。③で語ったような内容について(もちろんケースバイケースですが)、褒めたり深堀りしてきてくれたりする。そんな時間、普段生きてる中でありますか?ないですよ普通。もちろんお世辞的な要素や、面接官のマナー・礼儀としてやってくれているという部分は考慮して冷静に対応しなくてはいけませんが、にしても嬉しい。僕は「褒めまくる会」を主催してますけど、「これ褒めまくる会じゃん!」と本当にちょっと思いました。

以上のポイントを一言でまとめると「超気持ちよくしゃべらせてもらった」ということになるので、ここまで読んだ方は「だから不採用だったんだ」と思うかもしれませんね笑。そして、たしかにそうかもしれません。

転職活動の場はある種の交渉の場なわけで、もっとテクニカルにできた部分もあったように思います。ですが、そういうことを考えすぎてまで転職したいとは今思ってないというのも正直なところなんですよね。自分を素直に語って、それでも採用しようと思ってくれるようなところだったら転職したいし、そうでなければ(少なくとも今は)転職する意味がないんじゃないかと思っています。もっと切羽詰まったら当然変わってくるものだとも思うんですけどね。

ここまでの長文を読んでくださって、共感してくれるような方であるならば、むしろそう簡単には正式な転職を判断しないでしょうから、なおさらむしろ一度経験として興味がある企業に転職活動してみたらどうでしょう?と思います。もちろん緊張はしまくりますし、時間もかかります。脳みそフルバーストで体だけじゃなく疲れもしますが、得られるものは大きいように僕は思いました。

これは転職をあっせんする話でも促す話でも焚きつける話でもありません。ですが、これからの10年で雇用がもっと流動化することは間違いないと思います。本当に動かなくてはいけなくなった時に急に動くよりも、その手前の段階で一回動いておくことは重要じゃないかと思うんですよね。どんな運動の前にも準備運動は大切なわけですから。僕の大好きなオシムさんも「ライオンに追われるウサギが足をつりますか?準備が足りないのです」と言ってました。突然やったこともないことすると、足つっちゃうのは共通した話じゃないかなと改めて思いました。

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