kozuka

飲食店の企画開発コンサルをフリーランスでやっています。noteでは街歩きで見つけた古き…

kozuka

飲食店の企画開発コンサルをフリーランスでやっています。noteでは街歩きで見つけた古き良き食堂のメニューサンプルケースに絞った、ちょっとマニアックな投稿をしていきます。 今、後継者不足で次々閉店してしまうファサードにサンプルケースのある古き良き町食堂を記録していきたいと思います。

最近の記事

早稲田の老舗軽食&ラーメン メルシー【サンプルケース遺産16】

学生の街早稲田の名店早稲田のここはもう言わずと知れた有名店。学生街の早稲田で愛され続けている店です。 戦前は喫茶店だったらしいですが、現在はラーメンの超有名店になっています。今もドライカレーやオムライスがあるのが喫茶店時代を継承しています。 正式名称は「軽食&ラーメン メルシー」。結果として一見さんからすると、かなり変わった店の見え方をしていると思います。 軽食とラーメンが不思議ですし、ラーメンでメルシーとはかなりユニークなセンスです。 歴史を知れば、なるほど素敵だなと思

    • 神戸青木の町洋食「洋食の赤ちゃん」 【サンプルケース遺産15】

      強烈なインパクトの店名なんといっても「洋食の赤ちゃん」という店名のインパクトが半端ない。神戸周辺に何店舗かあるチェーンのようです。 「赤ちゃん」の意味が想像力を掻き立てます。 その名の通り赤ちゃんのように可愛いとか愛おしいとかの意味なのか、赤間さんとか赤楚さんとか赤のつく方の名前の愛称なのか・・ 謎です。 チェーンといっても親族の暖簾分けで広がっていった店のようです。 調べると昭和24年に神戸元町で開業したのが1号店で、8店舗ほどに広がり、今はすでに2店ほど閉店してしまっ

      • 自由が丘の町蕎麦 そば町田や 【サンプルケース遺産14】

        創業40年の町蕎麦店自由が丘にある「そば町田や」は町蕎麦というより老舗蕎麦の佇まいがあります。創業40年だそうです。 お店は戸建てのしっかりとした店構え。定食や丼も充実していて、街の食堂的な位置付けですね。 サンプルケースもかなりしっかり作り込まれていて、高級感があります。 町食堂にありがちな招き猫や置物などは殆どなくシンプルで本物感を醸し出しています。 上段の端に小さな虎のような置物があるのが愛嬌。 店主の遊びでしょうか。 食べログなどを見るとあまり評判がいいと

        • 大井町の昼だけ町中華「萬来園」【サンプルケース遺産13】

          夜は高級中華、昼は町中華の変則2毛作大井町の商店街にはサンプルケースがある古くから営業する飲食店が何軒もあるが、こちらはそうした大衆店とは一線を画した高級中華料理店。 夜はコースで3〜4万する店で、芸能人も来店するらしい。 ところがランチは各メニューが800円程度の大衆中華で、特にチャーハンが有名な店になるのです。 ここのチャーハン食べるために行列ができます。 一見して、サンプルケースがある普通の中華料理店に見えるのだが、よく見るとサンプルケースのメニューには値段がついて

        早稲田の老舗軽食&ラーメン メルシー【サンプルケース遺産16】

        • 神戸青木の町洋食「洋食の赤ちゃん」 【サンプルケース遺産15】

        • 自由が丘の町蕎麦 そば町田や 【サンプルケース遺産14】

        • 大井町の昼だけ町中華「萬来園」【サンプルケース遺産13】

          大井町の大衆洋食「ブルドック」【サンプルケース遺産12】

          大井一うまい・やすい町洋食大井町の商店街裏の飲み屋横丁にある「大井一うまい・やすい」のキャッチフレーズで有名な洋食店の「ブルドック」。 ブルドッグではなくブルドック、ブルドッグのキャラクターはどこにもないので、犬ではないのかもしれません。 数々のTVに出たことがあるらしいが、個人的には「キタナシュラン」が一番向いているのではと思うくらい、キタナイ。 店内も入り口周りも大丈夫か?と思うくらいキタナイ。 サンプルケース内のメニューサンプルも期待通り埃を被っています。またケース

          大井町の大衆洋食「ブルドック」【サンプルケース遺産12】

          代官山にある町蕎麦2軒をレポート【サンプルケース遺産10、11】

          1軒目はちょっとユニークな「福招庵」店名といい店構えといいどことなく中華料理店のようなこの店。メニューもかなりユニーク。 まず蕎麦が真っ白でうどんか素麺のようです。失礼ながら、味も見た目どおりほぼ蕎麦の味はしません。 店内の壁に貼ってあるメニューには「揚げカレーそば」なんていう想像もつかないメニューもあります(チャレンジする勇気が無い)。ただ、このメニュー札の字は個性的でかっこいいです。 内装はなぜか海亀の剥製が2つ壁に並ぶなどかなりぶっ飛んでいます、が、多分利用している

          代官山にある町蕎麦2軒をレポート【サンプルケース遺産10、11】

          横浜綱島の純喫茶「サガン」【サンプルケース遺産9】

          純喫茶って・・綱島駅前の喫茶店「サガン」は古いタイプのたばこスパスパ系の純喫茶。今はこうしたサラリーマンが仕事をサボってたばこが吸える喫茶店が少なくなってしまいましたね。 ところで「純喫茶」の「純」て何だか知っていますか? 明治時代の後半にいわゆる喫茶店の原型と言われる「カフェー」という業態が登場しました。当時は社交の場としてアルコールも提供し、女給が同席するようになり、今で言うところの「クラブ」や「スナック」に近いような業態になっていきます。 昭和の初めにはこうした酒を

          横浜綱島の純喫茶「サガン」【サンプルケース遺産9】

          恵比寿駅前の町蕎麦、そば処朝日屋【サンプルケース遺産8】

          駅前超一等地の町蕎麦恵比寿駅の駅前の超一等地。恵比寿が今のようにおしゃれな街になる前からあった町蕎麦店だが、今はビルを建て替えるようで閉店中。新しいビルではもうやらないのではないか。 この場所で大衆的な蕎麦屋をやっている場合ではないのだろう。 どんどんこうした店は無くなってしまうので、写真の記録として残しておきたい。 調べると90年続く蕎麦屋との事だが、今は夜は居酒屋色が強くなっている。何度か利用していたが、いたって普通の町蕎麦店で、便利な町の食堂として利用されていたようだ

          恵比寿駅前の町蕎麦、そば処朝日屋【サンプルケース遺産8】

          横浜鶴見の町洋食「レストランばーく」【サンプルケース遺産7】

          京浜工業地帯の胃袋を支えてきた大衆洋食JR鶴見駅高架下、昭和の大衆洋食「レストランばーく」は創業50年の店で鶴見周辺京浜工業地帯の労働者や地元鶴見大学の学生に親しまれてきた店。 学生街にはこうしたボリュームメニューの大衆洋食の店が今だに親しまれていることが多い。 ファサードはというと、よく見ると瓦の庇があるのが興味深い。色落ちした内照式の店名看板も味わい深い。 インテリアはオープンキッチンがチラ見え。白いレースがついたテーブルクロスは本格洋食を思わせる。木製の年季が入った

          横浜鶴見の町洋食「レストランばーく」【サンプルケース遺産7】

          老舗感漂う町蕎麦、横浜市綱島の「ますだや」【サンプルケース遺産6】

          かつての花街のころからあった蕎麦屋この辺りはかつて東京の奥座敷と言われた綱島温泉があり、旅館や料亭が軒を連ねていました。置屋もあり、花街でもありました。 鶴見川沿いの土手には桜の木が植わり、当時を偲ばせています。 10年ほど前までは「東京園」という日帰り温泉があり唯一の面影を残していましたが、再開発で今は閉館し、今春開通する「新綱島」駅の敷地となっています。 さて、この店は戦後ではあると思うけど、綱島温泉に遊びに来る人を目当てに大綱橋の袂に開業したものと想像します。 お店

          老舗感漂う町蕎麦、横浜市綱島の「ますだや」【サンプルケース遺産6】

          横浜鶴見の町中華「あさひや」【サンプルケース遺産5】

          店主のイラストが味のある町中華この店のサンプルケースはなかなか素敵だ。タイル張りの囲いに何と単独のシャッターもついておりますぞ。 ケースの中はかなりもりもりのボリューム。定番招き猫も鎮座。そして看板には店主らしき人の似顔絵入り。 一瞬外に出てきているところを見かけましたが、似ているではないですか。しかし似顔絵より20年近く経っているのではないかというお年。 のぼりは横浜名物の定番のサンマー麺です。 今まで取り上げた中で一番完成度の高いファサードなのではないでしょうか。

          横浜鶴見の町中華「あさひや」【サンプルケース遺産5】

          京急蒲田駅近くの「やぶ澄」【サンプルケース遺産4】

          ちょっと老舗感漂う町蕎麦店大衆町食堂の定番のひとつが「町蕎麦」です。今回のサンプルケース遺産は京急蒲田駅近くの裏路地に佇む町蕎麦「やぶ澄」さん。 青いテントが大衆感を出していますが、元々は無かったんじゃないかな。そこはかとない老舗感も漂います。 サンプルケースのメニュー札はそば屋定番のやぐらスタイル。そして何故か一家に必ず一つはあるという北海道のお土産定番、木彫りの熊が鎮座。いくつかお土産としてもらい、家に置くところがなくこちらに回されたと想像します。まさに「いやげ物」定

          京急蒲田駅近くの「やぶ澄」【サンプルケース遺産4】

          横浜鶴見駅東口「浜ッ子寿司」【サンプルケース遺産3】

          飲屋街の大衆寿司酒場京浜東北線鶴見駅東口の線路沿いの飲み屋街の一角にある大衆寿司屋「浜ッ子寿司」は寿司屋というより居酒屋に近い。 この辺りは昼は人通りも少なく、夜になると会社帰りのサラリーマンなどが一杯ひっかけにくる飲み屋横丁に近い。 サンプルケースが店の角にL字で組んであるのはなかなか珍しいのではないか。 ケースの中は寿司よりも一升瓶がドーンと鎮座。この店の業態を表現していて分かりやすい。 お酒飲む店ですよという事だ。 サンプルの寿司にラップがかけてあるのは愛嬌か。

          横浜鶴見駅東口「浜ッ子寿司」【サンプルケース遺産3】

          横浜市港北区「食事処さか本」【サンプルケース遺産2】

          定食もある町そば大衆食堂いわゆる町そばの店。だいたい町の大衆そば屋はうどんも丼ものもカレーもある定食屋のことが多い。 ちなみにサンプルケースがある大衆食堂は「中華」「そば」「寿司」「喫茶」であることがほとんど。「洋食」もある事はあるが、あまり現存しない。 今回の店は町そばに多い「そば系」大衆食堂。 定番のまねき猫も鎮座。 メニューとしては「とんちゃんラーメン」が気になる。 ファサードの看板は文字毎が独立したプラスチックのボックスになった、内照式看板がいかしている。

          横浜市港北区「食事処さか本」【サンプルケース遺産2】

          横浜鶴見の町中華「龍慶飯店」【サンプルケース遺産1】

          題して「サンプルケース遺産」食品サンプルの登場がいつだったかは正確な記録がなく、大正末期から昭和初期にかけてといわれています。食堂として店頭に食品サンプルをケースに陳列し、どんなメニューを幾らで提供するのかPRする手法は百貨店の「白木屋」が茅場町に作った食堂が最初だったのではいわれています。 メニューそのものの形状が陳列され値段も表示されているサンプルは一眼で分かりやすく、一気に広まったものと思われます。 さて、現在も食品サンプルは商業施設のレストランでは一般的な店頭訴求

          横浜鶴見の町中華「龍慶飯店」【サンプルケース遺産1】