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ヨーロッパ企画【切り裂かないけど攫いはするジャック】

個人的秋の風物詩、ヨーロッパ企画の本公演を観に行ってきました。

劇団25周年の今年の公演。
昨年の公演のトークショーで上田さんが「来年はロンドン舞台の推理ものを書きたいけど脚本が間に合わなかったらスティーブ・ジョブズが職を転々とする『スティーブのジョブズ』が新作公演になります」と仰っていたので、タイトルを見て脚本間に合ったのだなと安心しました。

当日は昼過ぎまで仕事をしていたので、急いで帰って大阪へ向かいます。シアター・ドラマシティは駅近で行きやすいので本当に助かる。
今回は今までにないほど舞台に激近の席だったので臨場感も抜群。前回の「あんなに優しかったゴーレム」同様、公演後におまけトークショーのついている回に行ってきました。

物語の舞台は19世紀のロンドン。連続人攫い事件が起こる街に捜査にやってきた1人の刑事。事件現場にいた住人たちに聞き込みをすると「人攫いジャック」について各々が自分勝手に推理を語り始めーーという会話劇から始まります。脚本の上田さん曰く「ストリート推理バトル」というジャンルの物語らしい。ストリートラップバトルの推理版。

このまま会話劇で続くのかなと思っていたら中盤からまさかの展開、そこからは喉が痛くなるくらい笑いっぱなしでした。この中盤の展開は上田さんも「いいトリックを思いついた!」となったそう。終盤もヨーロッパ企画の世界観だなー!という印象。
細かい伏線も全て回収し尽くすのは、さすが上田誠さんです。

そして毎回思うことですが、今回は特に藤谷理子さんの声が配役にピッタリで感動しました。淡々と事実を語る中に上流階級らしい嫌味な感じが含まれていて、本当に舞台映えする素晴らしい声だと常々思います。

おまけトークショーでは本編にチラリと存在が登場する本家切り裂きジャックについての設定を上田さんがさらりと暴露されていて、演者も客席も大きくどよめいていました。演者さんたちが仰っていた細かい設定を知った上で、もう1回見たすぎます。

会場の外には舞台のセットの模型が展示されています
ロンドンの街並

舞台ももちろん良いですが、ヨーロッパ企画の真骨頂であるタイムトラベル伏線回収コメディは映画でも楽しめるので、気軽に見てスカッと笑いたいという方にはおすすめです。

代表作の「サマータイムマシン・ブルース」は18年前の映画ですが、「タイムマシンで壊れたエアコンのリモコンを取ってくる!」というめちゃくちゃ小さな世界で始まるドタバタが今見ても傑作です。若かりし頃の色んな俳優さんも出てきます。
四畳半神話体系とコラボした作品もあるので、アニメが好きな方にはこちらが見やすいかも。

東京で開催されていた中村佑介展にて

「ドロステのはてで僕ら」もらしさ全開で好きです。是非youtubeに上がっているメイキングもセットで見てほしい。70分でサクッと見れます。

観劇という1年に1回の楽しみが終わってしまいました。
最近はライブや舞台を配信でも楽しめるようになってありがたい限りですが、やはり生の観劇に勝るものなしです。
おかげで良い週末を過ごすことができました。

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