黒田夜雨

詩人。『もう死ねない朝が来る』(七月堂、2018年)、『光の吐瀉物、祈りに春を』(七月…

黒田夜雨

詩人。『もう死ねない朝が来る』(七月堂、2018年)、『光の吐瀉物、祈りに春を』(七月堂、2023年)

マガジン

  • 読書月報

    親の仇のように本を読む。その記録、報告書。実際敵討ちなのである。高校時代鬱で読めやんかった分を取り返すように。一冊の本は自殺の遅延である。

  • 中尊寺のほおずき、金剛三昧院の梨のコンポート

    世の中には美味しいものについて書かれた食エッセイがたくさんある。不味いものより美味しいものを食べたいのと同じように、不味いものを不味そうに書いたエッセイより、美味しいものを美味しそうに書いたエッセイを読みたい。それはそうだろう。しかしここでは不味いものを不味そうに書いていく。これは食べ物の悪口エッセイだ。

  • 秀作集

    割りかしよく書けている、読んでほしいnoteです。

最近の記事

本当は最悪ではないさいあくについて

他人から見たら最悪かもしれないが、私にとっては別に全然最悪じゃないんだけどな。それはもっと最悪なこといっぱいあったとかそういうこともまああるかもしんないけどそういうんではなくて、普通に割と良い思い出なんだが。という思い出を他人に最悪にさせてはいけないなと改めて思う。別に全然最悪ではなかった、何なら一つの救いであると言える向きもあり、だからといってそんなに呪われている感じもなく、軽くさいあく!と笑える程度の話であって、そういう私の本当は油断しているとすぐ他人の言葉によって塗りつ

    • 自己救済と物語

      私は私を救済しなければならないというどうしてもという要請があり、でも今の自分にはそんなの到底無理だから、未来の自分が今の自分を救ってくれるんだ、だからここを生き延びたなら、近い将来私は過去の自分を救いにいかなければならない、という"設定"を自ら自ずと考え出したのがおそらく16歳くらいの頃か。「私を救えるのは私だけ」という命題、というか「他者は誰も私を救ってはくれない」という絶望があり、そこからどうしても理屈では到達できなかった辛くても苦しくてもそれでも「生きる」という選択は必

      • alternative

        人生の目標とかって正直特にない。こうなりたいみたいな理想も特にない。賞取りたいとか商業デビューしたいとか売れたいとかそういう気持ちもそんなにない。少なくともそれだけが正解だとは思ってない。そりゃ賞は取れたらいいし、商業デビューもまあしたいっちゃしたいが…それは目的ではないという感じ。売れたくはあまりないかもしれない。 唯一あるとすればいい仕事がしたい、というくらい。いい仕事ってのは、ひとまずいい作品を作るってことかな。ほんとそれくらいで、私は人生に正解を作りたくないというか

        • おまえの成長なんて知らない

          いま私がここにこういう形であるということは長年にわたる自己治癒の結果である面が多分にあるわけなのだけど、わかる、わかるよ、「おまえの成長なんて知らない」。昔どうだったとか、知らない。昔と比べたら格段によくなったとか、そうなのかもしれないけど知らない。ただ今ここにある事実として、他人より悪い。 もうこれ何度も書いているからほぼ恨み言だけど、まだ新たに現れてくるのでもう一度書く。定期的に「あなたはASDではない」と言ってくる非有識者がいるんだが、マジで一体何なんだ。今までもたく

        本当は最悪ではないさいあくについて

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          35本
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        記事

          ミレーナについて

          ミレーナを挿れた。もう1年半ほど経つ。挿れてどうかという話などを一応書き残しておこうと思う。 そもそもミレーナとは、避妊リング、IUSなどとも呼ばれるもので、子宮内に挿れ込むと5年、生理が軽くなったり避妊効果が得られたりする。詳しいことは自分で調べてほしい。 メリット ・生理が軽くなる 約2割の人は挿れてから1年経つと生理が全く来なくなるらしい。私もほぼ来なくなった。おりものレベルの経血しか出ない。それも最近はほとんど出なくなってきた。最高。生理を気にしなくていい人生って

          ミレーナについて

          もう女の子ではない

          「結局男がいないと生きていけないんだろ」はよく聞くのに「結局女がいないと生きていけないんだろ」はまったく聞かない点から考える男女の非対称性。 「〇〇もやっぱり女の子なんだね」という発言には「結局男がいないと生きていけない女の子なんだな、ほっ」という含意がある。所詮女だ、男より劣った弱い存在だ、と安心したいのだ。そもそもアラサーにもなって「女の子」なんて名指される状況は大抵異常なので、断固拒否していかなければならない。私はもう女の子ではない。一生女の子でいたいなんて全然思って

          もう女の子ではない

          None of your buisiness

          いつもNOという人間にだけ理由が問われるのだよ。しかも奴らは純粋に理由を知りたがっているわけじゃない。 ーRobinson Churches Jr (1891-2005)(アメリカの架空の俳優、アクティビスト) ※半年以上前に書いていた下書きを供養します。かなり胸糞悪いので注意してください。 居酒屋で友人が事実婚不倫の賠償金の話をしていたとき店の店員が「一定期間以上住民票が同じ家にないと請求できません!」とか言って割り込んできたのがキモすぎた。客の話に割り込んで来んな。友

          None of your buisiness

          トルコ・エジプト旅行 エジプト(カイロ)篇

          ・フライト ◎エジプト航空最高!! イスタンブールからカイロへ。30000円強。2時間。ここで乗ったエジプト航空が最高だった。機内食、最高。添乗員さん朗らかで最高。乗客も朗らか。最高。また乗りたい。今度エジプトに行くときはエジプト航空で行きたい。エジプト航空で3食食べたい。 帰りはドーハ乗換のカタール航空。50000円弱。ドーハまで3時間、乗継5時間、羽田まで10時間弱。カタール航空は評判が良いらしく、評判通り、機内食も美味しいしサービスも良い。申し分なさすぎる。 ・ビザ

          トルコ・エジプト旅行 エジプト(カイロ)篇

          トルコ・エジプト旅行 トルコ(イスタンブール)篇

          ・フライト 羽田-イスタンブール片道5万円弱だった。北京で乗継1回。北京まで4時間弱、乗継5時間半、イスタンブールまで11時間。中国南方航空は可もなく不可もなく。 ・空港からイスタンブール市街まで ハワイストhavaistを使うのがよさそう。帰りバスと電車を使って空港へ向かったが、バスが大幅に遅れる。狭い路地に平気で雑な路駐をするためバスが通れずクラクションの嵐。面白いっちゃ面白いんだがストレスフルではある。 ・両替 イスタンブール市街地でした。レートのいい両替所を探すべ

          トルコ・エジプト旅行 トルコ(イスタンブール)篇

          システムの外側

          3月1日から10日間、トルコとエジプトに旅行に行っていた。出向先の会社が潰れるため出向元に戻るのだが、それが4月1日、つまり3月末までは仕事が増えない、暇なんである、このこれ以上なく長期休暇を取りやすい期間を利用した旅行だった。旅行のこともいろいろ書きたいことはあるのだが、帰国5日にしてもういろいろなことにうんざりしている。旅行前もうんざりすることがいくつかあって、旅行中も旅行中でそれなりにうんざりしていたのだが、帰国後立て続けにうんざりすることがあった。今はただうんざりして

          システムの外側

          どこでもWELCOWE

          海外旅行に行けば行くほど薄っぺらくなる人 英語と米ドルの傲慢さ 私はエキゾチックという言葉が大嫌いだ Where are you from? どこでももちろんWelcome こんにちは 你好 감사합니다 金を持っていると思われているから かもしれないけど少なくともそれだけじゃこうはならない 知る必要のない名前を教えて 教えられた名前を頑張って復唱する 比べて日本人の外国人嫌いよ 恥ずかしいと思う 私はこの旅で憎悪を感じなかった 嫉妬を感じなかった 羨望を感じなかった 日本

          どこでもWELCOWE

          世界は英語植民地

          公用語が英語じゃない国で英語しか話さない、ありがとうの一言すら現地の言葉を覚えない、というのは私はよろしくないと思う。その国の言葉を知ろうとしないことは、その国の文化を知ろうとしないことと同義ではないか。 英語話者はときに驚くほど傲慢だ。英語圏ではない海外へ旅行に行って英語が通じなくてキレる、とかどうかしてるだろ。英語が堪能な人の一部はそうでない人を馬鹿にしている、いや、馬鹿にしすぎている。実際、英語が喋れないとイラつかれる場面は多い。英語もろくに話せないなんてそんな奴は人

          世界は英語植民地

          顔の奴隷

          ※センシティブな内容を含むので、注意してください。 整形をやりすぎている人に対して私は嫌悪感に近いものを感じてしまうことがあるのだが、それってかなり不気味の谷に近い現象なのではないかと思う。静止画だと可愛い人が動画だとえ、こわ。となりがちである。ロボットやAIが越えてきている不気味の谷を、逆に今度は人間が逆側に越えていくという面白い現象が起きている、などと言ったら怒られるか。 特に笑ったときに感じやすい。笑うことは計算して作ってない感じがする。こんなことを言ったら笑いにく

          眠れませんです

          激しい苛立ちと興奮で眠れない夜があり、気性の荒さは治らないなと痛感します、しかしイライラするのは絶対身体に悪い、健康に良くない、体臭も臭くなると思います、だからイライラするイベントはなるだけキャンセル、キャンセルです、そして、自分の機嫌を取るために新宿へ行きます、紀伊国屋書店へ行き、本を買い、ベルクへ行って、ビールを飲みます、私の水曜日、東京にしては珍しい積雪も家の中でほとんど見過ごし、異国に思いを馳せますがまた激しい苛立ちと興奮が、眠れませんです、私は自分の攻撃性を持て余し

          眠れませんです

          「会社員はできない」と言われるとムカつく

          「会社員はできない」と言う人に激しく苛立っている。確かに明らかに、能力的にできないだろう人はいる。たとえば致命的に時間が守れないとか、睡眠障害などの関係で朝起きることが極端に難しい、など。そういう人に「会社員はできない」と言われても当然腹は立たない。そもそもそういう本当にできない人はできないとわざわざ口にしたりはあまりしない。そのような言明をわざわざする人というのは、「会社員はできない」と自分に言い聞かせたい人である。私はそういう人がどうにも腹立たしくて仕方がないのである。

          「会社員はできない」と言われるとムカつく

          SNSには直接書きにくいこと

          ちいかわって結局「私は成長しないけれども(無害なので)愛してほしい」ってことであってる? 制服を着てはみ出す何とかとか言われてもちょっと意味が分からないというか何というか。 先日気づいてびっくりしてしまったのだが、戦慄かなのとアレン様、似てきてないか? しかしアレン様もパワーアップしまくっているので現在の二人が並んでいても似てきていることにはおそらく気づきにくい。

          SNSには直接書きにくいこと