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情シスの取り組み方について

情シスは最近売り手市場のようで、私のTLでもちらほら転職される方や副業されてる方を見かけます。
弊社もありがたいことに応募頂いているんですが、内容を見ていくうちに私の職務経歴書や自己PRとどう違うのかを考えたりすることがあるので、ちょっとまとめておこうかなと。

個人の感想なので参考にしたりしなかったりしてください。

情シスの仕事って?

細かいことは色んな人が言ってるので割愛するとして、私は大きく以下の感じに分類しています。

0→1にする仕事

例えば「在宅勤務を行う必要ができたのでVPNを新たに導入したい」とか、「今まではメールと対面だけだったが、チャットツールも導入してコミュニケーションを促進したい」とかですね。
この場合の難易度は割と易しいですし、担当としては楽しい仕事に属するんじゃないかなーと思います。
予算や政治的な要因はあれど、基本的には自分で情報収集して良さげ!と思ったシステムを導入して運用、推進していくわけですから、モチベーションも比較的高く効果もわかりやすい、何より経営層から指示された案件だったりがほとんどなので評価にも繋がりやすいです。

この辺りは情シスとしての知見を問われるので、社内に情シスがいない場合は副業募集するなどでアドバイス貰ったほうがいいと思います。
適当にすると後で来るしっぺ返しで誰も幸せにならず、会社の成長を止めかねません。
はいそこ、しっぺ返しが来るほど会社が成長しないとか言わない。

1→10にする仕事

例えば「一旦スモールスタートでシステムを導入したけど、これを全社展開したい」とか、「既に運用しているシステムをもっと活用したい」とかですね。
この場合の難易度は様々ですが、既に導入済みですからハードルは少ないです。
ただ自分で導入したシステムのSTEP2としての施策ならともかく、引き継ぎが満足にされなかったシステムでこれを頼まれると、まず既存のシステムがどういった目的で導入され、どこまで設定ができているのかなどを確認する必要があるため、ちょっと大変です。
単純にリソース不足で手を付けられなかったならともかく、何らかの落とし穴があって、それを引き継がれていないと沼にハマる可能性は高いです。
その場合、もっと俯瞰で全体を見ることができるかがカギになりますね。

まぁ、あえて少し失敗してから立て直すとITに理解の薄い経営層には「お、頑張ってるな!」感が盛って伝わるので、神経尖らせて何事もなくスムーズに進めてる能力の高い人からすると面白くはないです。(経験談)
そういうのが得意な人もいるとは思いますが、純粋にスキルアップを目指している人の転職の要因にあがりそうですね。

ここは結構ベンダーとかに丸投げの会社もあるのではないでしょうか。
社内のことは社内の人が一番詳しいので、知見がほしい時にアドバイザー程度にスポット対応してもらいながら、基本はしっかり社内で対応したほうが結果スムーズだと思います。

10→10の仕事

なんのこっちゃという感じですが要はリプレース関係ですね。
特に運用中のシステムを別のシステムに移行するのは物によってはかなり面倒です。MDMやグループウェアなどは全員が対象なのもあり、抵抗勢力への対応に時間もかかります。
きっちりスケジュールを把握しつつ、想定される質疑応答には事前に回答を用意し、角の立たない文言で周知して定期的にリマインドを投げて動きの鈍い人のお尻を叩き続ける。
調整力がまぁまぁ問われるところですね。チームで行っているならチーム内の調整ももちろん。

この辺に来ると副業などでお願いする部分からは抜け、情シス専任の社員がいないと負荷が高いです。
単純に時間がかかる作業が多くなるので外出しで頼むと費用がかかりますし、社内調整などで時間も余計にかかったりするのでメリット少ないですね。

10→100の仕事

これはスケールの問題ですね。事業拡大などで社員が急増したりして今までは手動で対応できる範囲だったけれど、アカウント作成漏れや権限付与抜けなど細かい部分でボロが出ている状態です。

ここは経歴長めの情シスの人もスルーしがちですので、意外と考えられる人少ないのかなぁというイメージですね。
考えられる人はコマンドやツールで解決させたりするのですが、あくまでも対応可能な部分だけなのでなかなか根本解決には至らないのが歯がゆいところです。
やはりIDaaSなどが必要なのですがITに理解の薄い経営層相手では分が悪いですね…。

このあたりになると既に複数名情シスが在籍していると思います。え、いない?それはそれは…。
そのツケ、そろそろ払い時ですね。

情シスに転職する人について

経験の有無に問わず「0→1にする仕事」のアピールは多いですねー。
副業には実績の有無が重要だと思うので大事だと思いますが、転職だとどうなんでしょう。
少なくともある程度構成が決まっている会社だとあんまり刺さらないかもしれないですね。そのレベルなら既存社員でもできるので。
なのでベンチャーなどまだ構成が整っていないところを狙ってみるのは一つの戦略だと思います。
未経験でも採用の望みがありそうなのはここかなと思いますが、ぶっちゃけ今の職場を踏み台にするつもりで提案しまくり、経験積んでから転職したほうがキャリアアップ感出ますよ、とだけ。

「1→10にする仕事」や「10→10にする仕事」のアピールはあまり見ないですね。みんな引き継ぎ時のまま使ってるのかしら?
ウチの会社予算は降りにくいけど転職のために経験はある程度積みたい…という人は、とりあえず今ある環境を100%活用できるように動くといいんじゃないかなぁと思います。お金かからないけど色々できることはあると思いますし、そういう創意工夫ができる人は他に行っても重宝されるかと。
その時どういう課題を見つけ、どのくらい効率化ができ、どのくらい周りに評価してもらえたかをアピールすると自律的に考えて動ける人なんだなーと印象つけられると思います。

「10→100にする仕事」はなかなか狙うのは難しいかなって印象ですね。
経営層にITに理解があると最初からここを見越して整備をしていそうですし、理解がないとそもそも導入までのやり取りが非常にタフ…。
コンサルとかはこの辺なんでしょうか、よくわかりませんが

結論

というわけで、一番需要があるだろうなぁと思うのは「1→10にする仕事」や「10→10にする仕事」ができる人ですね。
ぶっちゃけキラキラしてないんですよ。導入事例でベンダーからインタビュー貰うわけでもないし、地味です。
できて当たり前的な印象持たれますからねー。
でもそもそもちゃんとそれを意識できている人、そういう泥臭い仕事を誠実にできる人が欲しい会社は多いと思います。

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