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音のない言語

明日はOsteoleucoのライブがある。
シカゴのアーティスト、Sen MorimotoくんのJapan Tourに出る。
Osteoleucoを全く知らない人たちの前でライブをすることになる。
それが本当に楽しみなのです。
お互い完全にはじめまして。
僕らがどんな音楽をやるのかもわからないし、
顔も出で立ちも初見の状況でいきなり歌い出す。
普通の出会いであればまずあり得ない出会い方だ。
はじめましての挨拶も交わさずに音と歌で交信し合う。
僕らも見ている人の乗り方や表情や声を見て聞いて
何らかを感じ取って演奏に変化をつけていく。
言葉のない、音のない言語がライブハウスでは飛び交っている。

前の方でじっと見つめてくれている人、
MCの途中でも去っていく人、
友達とこちらを指を刺しながら何やら話している人、
たくさんの人生と感情がステージからはいっぺんに見える。
そこにいるたくさんの人々が1つの人格となって
見えない表情を作り出す。
会社を作ると”法人”とか言って人格化するけれど、
それと近いのかもしれない。
その日、その時、その場所にいた人々のソウルが連結し
”音人”となって僕らと対話を繰り広げるのである。

僕はそこに起こる波動の絡み合いこそが”LIVE”なのだと思っている。
LIVEとは響きであり、動きであり、波であり、生きている。
言語のないやりとりが短時間に無数に行われる宇宙空間。
僕と志門が作る”音人”Osteoleucoくんと、
会場のみんなが作る”音人”オーディエンスくんとの生対談。
僕はそんな感じでLIVEを捉えている。

明日はほぼ100%がSen Morimotoくんを聴きに来ているお客さんたちだろう。
彼の音楽はすごい。
ムーディーで色濃いのに、どこか不安定で儚く消えそう。
それでいて懐疑的な怪しさがプンプンに追ってくる心の音の重なり合い。
コラボするまで僕は知らなかったのだが、
志門はファンだったらしく、音源を聞いたときになるほどこれは素敵さんだと納得したのを覚えている。

冷静に考えて音楽を作って日本に知れ渡っていて
日本に来てライブするってすごいよな。
そしてお客さんがお金払って来てくれて楽しみにしていてくれて。
なんてワンダフルで漫画のようなことなのだろう。
どう考えてもワクワクするし楽しそう以外に発想が出てこない。

Ostが長野や名古屋(来月は静岡)に行く時も相当な感動とワクワクがあった。
正直30歳を超えた後にもこのワクワクがある人生を送れていることは
僕の中でとても大きな糧になっている。
小さい頃のワクワクと全く変わらない。
これできたらすごいよね?みたいなことをやっていくウキウキ感。
僕はただそれに取り憑かれているだけなのかもしれないと思う時もある。
それほどこの胸の高鳴りは僕にとっては大きい存在なのである。

人によって違うとは思う。
読んでくれている人にとって大事な感情は何なのだろうか。
書く側と読む側。
時間差もあるし場所も違う。
LIVEと違って顔を合わすこともない。
しかし僕とあなたの間には今何らかの言語が飛び交っている。
時空を超えて今コミュニケーションをとっている。
発信することは、そんなたわいもない関わりを容易に生む。
僕は改めてそのことが素敵に感じるし、輝いているように見える。

今日はこれから下北沢のスタジオで明日のリハーサルをしてきます。
志門と二人で言葉ではない言語を飛ばしあいながら、
何か感じることをお互いに表現し合いながら、
気持ちいい音を探してきます。

目に見えない言語は小さな世界かもしれない。
感じようとしなければ感じることはできない。
でもそこの目を向けるだけで、
空気が、空間が、世界そのものが生きているのだと実感する。
生きているのだからコミュニケーションを取らなくてはならない。
受診し、発信する必要がある。
ヘタクソでも何でもいい。
とにかく言葉にならない何かを紡ぎ出し、
どこかの誰かと奇跡的な関わりを生むことへの好奇心が
今日も止まらず溢れ出ている。

夏はとうに去った。
今は秋でもない夏でもない何かかがここにいる。
世界は生きている。
何かを感じながら、今日もゆるりとそれぞれ嗜んでいこうず。

明日のチケットはココから買えます^^
空いてたら遊びにきてねー!
https://peatix.com/event/3306929/view

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