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夫婦共働きのナニーマネジメントinフィリピン記録(全般・欠勤遅刻対応編)

フィリピンのマニラに住む岩瀬霞です。2019年1月に夫の転職に伴って生後5か月の息子とフィリピンに移り、今は日中ナニーさんに息子のお世話を任せて、現地のスタートアップで働いています。
前回noteでナニーさん採用の過程を書いたところ、思ったより色んな方に読んでもらい感想をいただきました。ありがとうございます!

私自身仕事が大好きで、スタートアップならではのスピード感をもって事業を進めるのはエキサイティングで日々楽しいです。しかし同僚の多くは毎晩遅くまでオフィスで働くという、育児中の身には到底真似できない働き方をしています。夫はベンチャー企業で働いていて日々多忙。子どもとの時間も大切にしつつ、夫婦ともに仕事にも十分コミットできる体制をどう作っていくか、というのが最近の関心事項です。特にナニー(ベビーシッター)マネジメントには力を入れています。

はじめに:なぜナニーマネジメントが重要か

一般企業でも難しい人材マネジメントですが、特にナニーマネジメントは失敗すると、
・子どもの安全・健康を脅かす(誘拐などの犯罪、事故、病気からどう子どもを守るのか)
家主不在の家を任せ、家の内情を細かく知られるため盗難やその他犯罪を手引きされる
などの致命的トラブルを招きかねません。特に所得水準・文化・生活習慣が異なる人を雇う場合はその分リスクも大きいです。
また、日本の保育園のように1歳半以下の子どもを長時間預かってくれる託児所は少ないという事情があり、ナニーさんがいないとそもそも自分の時間すら確保できません。(中国の方は自分の親[=子の祖母]をマニラに連れてきて子の面倒を見てもらうケースをちらほらと聞きますが、日本人の帯同妻は自動的にワンオペになることも多いです)

小さい子どもを抱える家庭にとってナニーマネジメントは「子ども」「家のあらゆる財産」そして「自分の働く権利」を守るために重要で、継続的努力が必要なものですが、その知見は個々人レベルに蓄積されあまりオンラインでは共有されていないと思いました。私の個人的な経験を書くことで他の人の情報に触れたい!というのが記事を書こうと思った真意でもあります。

※ちなみに私は「ナニー」という単語を使っていますが、「ベビーシッター」「メイド」さんに子守をお願いする場合も同じです。在比日本人では「メイド」を使う人が多い気がします。

我が家のスペック:
夫(日系企業勤務、日本出張月1くらい)、自分(現地企業勤務)、1歳5か月の息子と3人家族。週5勤務・フルタイム・ステイアウト(通い)のナニーさんを雇っています(雇うまでの過程は前回のnote参照)。夫婦共働き体制ではステイイン(住み込み)ナニーを雇うのが家事育児負担軽減の観点ではおそらくベスト(そして一般的)ですが、我が家は狭いため、住み込みは非現実的でした。

ナニーマネジメントで困るのは以下あたりで、自分の記録も兼ね徐々に書いていきたいなと思います。今回は1と2について書きます。

1. 全般(従業員満足度・リテンション・盗難対策など)
2. 遅刻・欠勤時の対応
3. 離乳食・食事の支度
4. 夫婦ともに帰宅が夜遅くなる時の対応
5. 子供が病気の時の対応
6. ナニーさんと子どもだけでの外出(スクールへの送迎、プレイエリア・公園、プレイデートなど)

全般(満足度・リテンション・盗難対策etc.)

「ハッピーに働いてもらうこと」リテンション対策は常に意識しています。とても当たり前の事なんですが、家の「お手伝いさん」を雇うという感覚でいると抜けてしまうこともあると感じています(自戒を込め)。

要するに従業員満足度を高く保つことですが、ナニーさんは私たち夫婦が働いている間、生存のためのお世話だけではなく、子どもの発育に最大限良い影響を与えてくれる存在であることを期待しているためです。お世話する人の感情は必ず子どもに伝わるため、子どもがハッピーに過ごすためにはナニーさんに気持ちよく働いてもらうことが重要で、これがリテンション対策にも繋がると考えています。

このリテンション対策は重視していて、フィリピンのメイド・ナニーは今売り手市場で、給与の相場はどんどん上がっています。多くの人は求人を常にチェックしてよいオファーがあれば転職するかもしれません。私も普段のやりとりでナニーさんに不満があるときも、自分もよい雇用主か常に評価にさらされているという意識をもって、誠実に対応することを忘れないように心がけています。ナニーさんが辞めた・いなくなった際に代替の人材を探すのは相当な時間がかかることが予想され、その間自分は働けなくなるかもしれません。

雑談コミュニケーション積極的にとる
毎日は難しいですが、できるだけ出勤前に息子・ナニーさんと3人で公園に散歩に行くようにしています。

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息子のためと同じくらい、ナニーさんとの雑談コミュニケーションのためです。平日フルタイムで働いているとなかなか話す時間がとれないのですが、公園でカジュアルに話すと偶に不満に思っていること、普段言いたくても言えないことを言ってくれます。
あとはバックレや欠勤のリスク因子把握にも役立ったりします。欠勤などの多くは健康問題に加え家族の事情である気がしています。うちのナニーさんとの雑談で「実は父が病気になって今は大丈夫だけど心配している。。」と聞いた一週間後に、看病のため欠勤されました。

ナニーさんの育児に関する提案を積極的に取り入れる

ナニーさんにも我が家の息子のナニーとして働く喜び・やりがいを感じてもらえるよう、彼女の育児に関するsuggestionはリスペクトし積極的に取り入れるようにしています。これは育児の当事者意識を持ってもらうのに有効だと実感しています。私たち夫婦よりよっぽど長い時間息子と向き合っているので、彼女の気づきから学ぶことも多いです。今まで取り入れた提案は、家のレイアウト(ベビーに安全な家にするには?)、離乳食の献立、絵本や教育的遊びの提案など。

ネットワークカメラで家の様子を頻繁にチェック
盗難対策・勤務態度チェックのためネットワークカメラ(家に3台)を頻繁にチェックしています。しかし常に監視するのは不可能なため、できれば映像は録画しておき、何か事故があった時に遡って録画を見れるようにしておきます。(我が家はシャオミのこちらのカメラ

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(ネットワークカメラで見た時の様子)


スケジュールごとにチャットで逐一報告を受け、自分も早く返事する
子どもの一日の生活スケジュール表を渡し、それに従って逐一写真付きでチャットで報告してもらいます。私は勤務中でもメッセージはなるべく早く返事するようにしています。勤務中に私的メッセ―ジは賛否両論だと思いますが、メッセージの返事が遅いと「この人は仕事が忙しくて家のこと(や勤務態度)は見てないな」というシグナルをナニーさんに与えてしまい、油断(育児中の油断は事故につながる)や盗難を誘発する可能性があると考えているため、意識してやっています。

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(ランチの報告)


色々書きましたが最低限の基本は働きに見合った給与を払うことだと思います。正直やりがいが多くても一番のモチベーションはお金なので。我が家は相場より多めですが、彼女の働きに見合うと納得した金額を払っています。一回昇給もしました。その際には、昇給の理由(評価している理由・項目)を明確にし、働きと勤勉さは報われるという意識を持ってもらうようにしました。 Facebookのエキスパットコミュニティのページの求人などをチェックし、常に相場を把握するようにしています。(ナニーさんもその求人を見ている可能性はある)

急な欠勤・遅刻への対応

住み込みでなく通いのナニーさんを雇い大きなデメリットは、勤怠管理の手間です。やむを得ない事情は仕方がないものの、急な欠勤、遅刻はどの家庭も本当に困ります。幸いにも我が家が雇ったナニーさんは、驚くほど時間に正確で毎朝10分前に来てくれますが、それでも何度が欠勤、遅刻がありました。

急な欠勤時にとるべきアクションの選択肢: 
1. 緊急時に来てくれるバックアップ人材を用意し、代わりの人に来てもらう
2. 緊急時にお願いできる託児所に預ける
3. 友人にお願いする
4. 仕事をリモートワークか休み、自分で面倒を見る 


ちなみに我が家はナニーさんの欠勤時、1と4の組み合わせで乗り切りました。遅刻時は自分が遅れて出勤するしかなかった。。

【急な欠勤に備える事前準備】
a. バックアップ人材の用意とトライアル
b. 緊急時も受け入れてくれる託児所の見学とトライアル 
c. 頼めそうな友人に話しておく

a. バックアップ人材の用意とトライアル

これは難易度が高く、我が家はきちんとできていませんが、とあるワーママさんは常にスタンドバイ人材を用意しているそうな。フィリピン人とのネットワークを広く築いておくと「いざとなったら自分の子どもを親戚に預けられる専業主婦の人」などに頼める可能性があります。普段関わるフィリピン人に話しておくのが良いと思いますが、適当に見つけた人材が、親不在時に子守できる可能性は低いので、事前にトライアルまで済ませておくのが理想です。
我が家のナニーさんも、倒れた父の看病のため一週間欠勤することがありました。その時は知人の友人に急遽来てもらいましたが、育児経験はあるものの子守スキルが微妙で、とても息子を安心して任せられなかったです。そのため私は在宅勤務に切り替え(当時働き始めたばかりで特にミーティングも入っていなかったので可能でした)、様子をみながらやりました。当然仕事は全く捗りませんでした、、涙。

b. 託児所の見学とトライアル
子どもが1歳半以上であれば、受け入れてくれる託児所(デイケア)があるので、バックアップ人材よりこちらのほうが現実的かもしれません。我が家のナニーさん欠勤当時は息子は1歳で、デイケアに無理を言ってお願いしたら、トライアルの結果「まだ歩けない」という理由でやはり断られました。

我が家(Legazpi Village)が検討したデイケア:
FF Day Care 1.5歳~4歳(Legazpi Village)
http://www.futbolfunatics.com/ff-day-care-club

現在我が家が緊急時にお願いする予定のデイケアはこちら:
Glebe House Manila 1~5歳(Salcedo Village) 最長12時間預かってくれます。
http://glebehousemanila.com/long-day-childcare-overview/ 


c. 頼めそうな友人を探す
近所のワーママグループを作って緊急時助け合うのはよいかも、といつも思っていますが、私は友達が少なく実行できていません。興味ある方、ぜひお声掛けください。私も関わらせてもらっている活動、キャリアアップマニラ(きゃりまるマニラ)など、マニラで働く女性も多く所属するコミュニティが出来つつあるので、ネットワークを広め緊急時も助け合えるグループが作れたらいいなと考えています。

※おまけ:
ヘルスケアアプリAIDEでベビーシッターの手配をお願いできます。私は使ったことないのですが、中の人と仕事で話す機会があり、きちんと面接を受けてバックグランドチェックをクリアした人材が派遣されると聞きました。しかし問題は2日後以降の予約しか受け付けていないこと。これは緊急時の対応としてはワークしないですね。

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AIDE Facebookページより)

おわりに

以上、我が家のケースと私が知っていることを書きましたが、私はフィリピン歴は一年未満で知らない事のほうが多いので、ぜひ皆さんのやり方やお考えも教えていただけると嬉しいです。どんどん情報交換していければと思います。続きは別記事にて

3. 離乳食・食事の支度
4. 夫婦ともに帰宅が夜遅くなる時の対応

の2点を解決するために試みた「ナニー・メイドさん二人体制」について書きたいと考えています。結論から言うとこれは失敗しました。。

うまくいけば4月に出産予定で、我が家の子どもが2人になります。ワクワクしつつも、産後3か月で仕事復帰する予定なのでそれに備えた体制を整えられるのかが若干不安です。
以上、もしよければアドバイスや感想などいただけると嬉しいです。(最近仕事に熱中しておりなかなかこちらの筆が進まなかった。。)
読んでいただき、ありがとうございました!フィリピン子育ての素晴らしさについてもぜひ伝えていきたいです!


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