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商売の要は〝Value for Money”

鈴木貴之@地域の人を集めるWEB集客の専門家 さんのnote記事『ビジネス力が地域を活性化させる』と、noteユーザー じんやま|WEB業界18年目のディレクター & フロントエンドエンジニア さんのTwitter投稿に触発され、《お客様が、自分が払う金に見合った値打ちがあると考える》商品やサービスを提供することの重要性について考えてみました。

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私は、鈴木 さんと じんやま さんは、共通して

己が思い入れを捨て、お客様都合を考えよ

という視点を持っていらっしゃると感じます。

鈴木さんの記事から引用します。

それまでは顧客について深く考えることはなかったけど、どういう人がどういう風に使うのかということを考えるようになる。
これが大事な変化。
「良いのがあるから来て!」という集客から脱却できるようになるから。
(太字部分は、楠瀬が太字化)

売り手が一方的に商品価値を訴えている限り、商売は頭打ちになるということです。

じんやま さんは、

自分の70%は、相手にとっては50%かもしれないし、120%かもしれない

とおっしゃっています。つまり、商品の価値は、売り手ではなく買い手が決めるということです。

お二人の記事を読んで、私は、以前仕事で調べ事をしている中で、インドの消費者の購買原理が〝Value for Money” であると知ったのを思い出しました。

インドの消費者は〝Value for Money”を求めている。これは安ければいいのではなく、金額に見合った製品を求めているということだ。インドの消費者は知識があり賢い。
出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構『インド消費者市場の実態と今後の展望~中小企業の輸出開拓に向けて~』2010年3月https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000010889165-00

野村総合研究所が2008年9月から10月にかけてインドの3都市(デリー、ムンバイ、チャンディーガル)で行ったアンケート調査は、インドの消費者が日本企業の商品は性能や品質は良いと認めつつも〝値ごろ感”がないと感じていることを示していました。(出典:野村総合研究所『インドの富裕層市場と日本企業の戦略方向』2009年8月4日)

この調査で、「同じ価格で同じ程度の性能を持つ場合、どの国の製品を選ぶか?」という質問に対しては、世帯年収300万ルピー超えの富裕層は、3都市ともに「日本製品」と回答しています。

これらの調査が対象にした日本商品の中では家電製品の比重が大きかったのですが、インドでの市場シェアにおいて日本製の家電製品は韓国製品に水を明けられていました。

日本メーカーは日本国内向けに開発した商品にマイナーチェンジを加えてインドで販売していたのですが、韓国メーカーはインド市場に的を絞って《手頃な価格・それなりの性能の製品》を開発し提供していたのです。

私は、〝Value for Money”を価格と品質の適正バランスと理解しています。適正とは誰にとっての適正かといえば、商品とサービスの提供者にとってではなく、消費者にとっての適正です。

私は、日本人は完全主義、職人気質の傾向が強く、商品でもサービスでも細部までこだわって丁寧に仕上げると感じています。それは日本人の強みです。

しかし、同時に「自分たちは良い商品・良いサービスを提供しているのだから、売れて当然だ」という提供者本位の態度に流れてしまう危険もはらんでいると考えています。

商品とサービスの提供者は、つねに「お客様第一」、「お客様のため」と語ります。しかし、それが「自分たちが自信をもって提供する商品やサービスなら、お客様は喜ぶに違いない」というプロダクト・アウトの発想に流れていないか、常に気を付ける必要があると感じています。

お客様が〝Value for Money”を感じることのできる商品やサービスを提供すること、これがビジネスの要諦だからです。


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

『商売の要は〝Value for Money”』おわり




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