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2024年J1第6節 ジュビロ磐田 - アルビレックス新潟 マッチレビュー

磐田目線で振り返ります。

先発

ミッドウィークの試合な為、両軍フレッシュな陣容

磐田
フォーメーションは4-2-3-1(4-4-2)。
前節からの先発変更は2人。レオ・ゴメス、ペイショットが外れ、藤原、藤川が入った。藤原はJ1初先発。藤川も5年振りのJ1での先発だ。
FWの色味の強い藤川をジャーメインの相棒に据える。

新潟
フォーメーションは4-2-3-1。前節からの先発変更はGK以外の10人。大胆にターンオーバーを敢行。
藤原、舞行龍ジェームズ、千葉、堀米、島田、秋山、松田、高木、太田、谷口が外れ、長谷川巧、遠藤、トーマス・デン、早川、星、宮本、ダニーロ・ゴメス、長谷川元、小見、長倉が入る。
こちらもJ1デビューの選手が並ぶ。

アルベル体制以降、モダンフットボールのボール循環を貫く。
ポジショナルプレー→ポジショナルプレー対策の守備→ポジショナルプレー対策の守備の対策←ココのチームだと認識している。

前半

まずはハイボール&ハイプレスで陣取り合戦を5分弱程。

見えてきたのは、新潟のディフェンスの急所。

新潟は、前にプレッシャーをかける際は4-1-4-1気味でアンカーを余らせて規制を作っていた。
その際にセンターハーフの裏側=アンカー周り=ライン間が晒される構造だった。

藤川、ジャーメインがゆとりのあるボールコントロールを見せることが何度も有り。

磐田は下から繋ぐことに固執せず、最前線のパワーを使うチームなので、最後尾でプレッシャーを受けてから蹴っ飛ばす。

2:05、4:03など藤川がオープンに受けるのが立ち上がりのハイライト。

前後分断する新潟

新潟は星の周りのケア、センターバックの迎撃もあったが、ジャーメインの背中抑えに手を焼いた。
裏に抜けるか、引いて受けるかのDAZN画面外の攻防でも優位に立っていたのではないかと思います。本来なら新潟のセンターバックはインターセプトをしたいところだ。

20:30の上原力也のフライスルーパスにジャーメインが抜けて出した後にGKの小島が見事な裏ケアをしたシーンが分かりやすいが、
新潟の前と後ろの行く行かないの意志が分かれており、ターンオーバーの影響を感じさせた。

磐田が地上からライン間でフリーの選手に前向きにボールを届けたのは試合を通じても数えるほどだった。

前半に関しては13:38のグラッサの割って入る運ぶドリブル→藤川ターン位ではなかろうか。

試合が静的になってくると、
両チームのカラー通り、新潟の保持×磐田の非保持がじょじょに試合のメインステージに。

この攻防は鈴木海音のインタビューが分かりやすいので引用する。

――今季初の完封勝利ですが、守備面を振り返って
鈴木海音――前半は相手がボールを持ってくるチームと分かっていた上で、やはり縦パスを刺してきて相手のトップ下の選手だったり、トップの選手が1人背後に抜けてきて1人落ちるという形だったので、ボールに行くところとブロックを作るところで、自分とリカ(リカルド グラッサ)が、どっちが潰しに行くかといったコミュニケーションを上手く取れてやれたのが良かったのかなと思います。相手も、自分とリカが結構前に潰しに来ると分かっていて、僕たちよりももっとボランチの前くらいまで落ちてボールを受けていました。そこまで下がられたらあまり怖くはないので、1回ブロックを作ってやろうと。ただ、中盤の空いたスペースやボランチの脇、そこに縦パスを入れられて、起点を作られて何本かピンチがありました。

ジュビロ磐田公式より

新潟は、センターバックの間にGKを組み込み、WGが幅を取り、SBはハーフレーン寄りに立ちビルドアップしていく。

新潟は列を降りる動きで盤面を動かそうとする。センターバックの間にセンターハーフが降りる、またはトップ下の長谷川やセンターフォワード長倉の列を降りる動きで磐田のラインを誘導しスペースを作る狙い。

しかし、磐田は中央レーンはマンツーマン気味で対応してきた。スカウティングで用意してきたであろうゲームプランニングを強く感じた。

磐田のDH、CBはくっついていく

磐田の非保持は4-4-2が基本だが、
ツートップは新潟のセンターバックを見る。
2DHは、片方は真ん中を埋めることを意識しながら、新潟のセンターハーフのペアを見る。CBは長谷川と長倉を見る。

本来はエリア的なゾーン守備ながらも、ほぼほぼ人基準に付いていく。
特筆すべきは磐田のSHが動かずステイすること。2DHが新潟のセンターハーフに付いていって空きそうになる内側の保険をかけていたことだ。
これで磐田は新潟のビルドアップを外側に誘導する。外に出たらスライド圧縮すればよい。

これが磐田の非保持のゲームプランニングだった。リーグ中断明けからのハイライン傾向と合致する。

新潟として痛かったのは、急造だった為なのか、最後尾のビルドアップ隊のパフォーマンスが不安定だったこと。

磐田がこれだけ人に付き捕まえてくるならば、空いているサイドを使いながら、ボールを逃がせたはずだ。一旦外に出してから中に差し込むなど。

チームとして磐田のSHを縦にズレさせ、DHを釣れて空くはずのバイタルをもっと使えただろう。34:10にトーマス・デンがハーフスペースに届けたシーンの様に…。

ペナルティエリア内でパスがズレることもあり、らしくないロストが多すぎたかなと。

ユニット間のパス交換のズレ、降りてきた選手のレイオフに反応するプレーの不足はいただけないところはあったかなと思います。

コーディネーションの美しいチームだけに勿体なかった。

試合は大味ながら早く攻める磐田とじっくり保持する新潟の攻防となる。

新潟はダニーロ・ゴメスのレーン横断ドリブル、宮本のプレス矢印を折るパスで違いを作る。

磐田は松原がコーナーキックにクリーンに頭で合わせたり、カウンターから平川が惜しいシュートを放つもゴール左に逸れた。

前半はゴールレスで折り返す。

後半

ハーフタイムに磐田は、
13藤川OUT→99MペイショットIN

ペイショットとジャーメインを並べポストプレーで前進する狙いをさらに強調する。

序盤のハイプレスモードで、磐田はコーナーキックが増えるが仕留めきれず。

流れは新潟へ。

新潟が磐田陣地へ押し込み、
幅いっぱいの攻撃で磐田を釘付けにする。

60:43、宮本の磐田ディフェンスを騙す素晴らしいキラーパスを受けた小見がペナルティエリア中央から左足で枠内にシュートを放つが川島のセーブ。

64:40、長谷川巧がペナルティエリア右から右足で枠内にシュートを放つも、ここも川島のファインセーブ。

この時間帯に川島が危なげなく(実際には危ない決定機)シュートストップしてくれたことが、試合結果に直結した。いつ失点してもおかしくない時間帯だった。

横内監督は流れを切るべく選手交代。
65分
77藤原OUT→16レオ・ゴメスIN
37平川OUT→31古川IN

自陣ブロックから少しでも前にいくべくパワーを補填した。

やや試合がオープンになってくる。

すると72分に磐田がロングボールからPKをGET。
新潟ディフェンスが不用意に手を広げてしまったハンド。

ジャーメインはメンタリティー的に相当に余裕を持った状態でキッチリと決めた。ソースはコメントから↓
1-0

――PKを右側に蹴った理由は?
ジャーメイン良――(川崎戦で左側に蹴ったので)次PKを取ったら絶対に右に蹴ると決めていましたし、相手GKもやっぱりあっちに飛んだか、という感じでした。この次は難しくなりますけど、GKも難しくなると思うので、僕も考えてやっていきたいです。

ジュビロ磐田公式より

78分に磐田は続けざまに2点目を決めた。

ポストプレーで無双しているペイショットがロングボールをヘディングですらしてジャーメインがペナルティエリア手前から右足でニアサイドを射貫いた。
2-0

テレビゲームの様な、
いにしえのゴンタカの様なゴール。

新潟の遠藤としてはほろ苦いJ1デビューになってしまった。

今季の磐田は昨年のサイドバックを活かしたゲームモデルから変化し、フォワードを活かしたゲームモデルを採用している。

コンペティションに於いてスカッド内で優位をとれるのが、そこだからだと思う。

たまたまだとかラッキーだとか、そういう4分間のラッシュではなかったと思っています。

ペイショットとジャーメインで相手のセンターバックを攻撃するのはずっと狙っていたこと。相手が嫌がること。

この2人が元気な時間帯は最前線でイニシアチブが取れる。ここが1vs1なら積極的に使っていくからこその得点。

ビハインドになった新潟は前に急いで集合する攻撃になりスペースを産み出せない。
急いだ新潟ほど、本来持っている強さを殺してしまうチームはない。

84:30 新潟はペナルティエリア手前でFKを獲得。キッカーの秋山は右足でシュートを放つが、枠に嫌われてしまう。

磐田は人海ディフェンスで凌ぎきりファイナルホイッスル。
2-0で勝利。

待望のクリーンシートでの勝ち点3。

今回はここで締め。

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