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Film Photo Gallery #5 - Instant Fiction

1. Statement

写真の本質は "被写体や映し出したその風景にある見えざる世界を「暴露」することにある" 、と『写真論』を著したスーザン・ソンタグは考えていた。
暴露というとネガティブなイメージを孕むが、その本意は、見えざるものを写しだすことにあり、主観的な「見られたくない / 知られたくない」といったものももちろん暴露の対象内にある。

そんな本質を持った写真は、モノクロ、カラー、デジタルカラーとその姿を時に沿って変えてきた。生まれたばかりの姿であるモノクロ写真では、色合いを削ぎ被写体・風景(の見えざる姿)を荒々しく暴露しているように感じる。そして何よりも、光と影・白と黒という限られた要素のみて写しだされる情景にはいかなる切り取り方をしようと決して消え得ない美しさが滲み出ていると思う。

見ていると、カラーフィルムやデジタルカメラの写真とは決定的に違う何かがあるモノクロ。… なんだろう、言葉にできないけれども、見ているとまるで夢の中にでもいるような心地になってくる。
さて、そんな気持ちで、今回の Film Photo Gallery ではモノクロフィルムで撮影した個人的に印象深い写真を載せてみたい。使用したフィルム・カメラは Kodak T-Max 400 で、カメラは NIKON F501 で撮影している。

2. Photo Gallery

「影絵」
「白波」
「暮らしと構造」
「雪原」
「遠のく」
「疾風」
「畏敬者」
「心象風景」
「生命」
「体動」
「ユートピア」
「関所」

3. Comment

… 結局、デジタルもフィルムも写真は写真なんだし、「夢の中にいるような心地」だと感じさせられることも主観的な妄想に過ぎないだろう。
ただ、街だろうと大自然だろうと、写真の中では全てが均質化される、そしてその本質は暴露にあるという点だけは、誰もが認める客観的な写真論だと思えた。

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