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アメリカの家選びは学区選び

はじめに:学校・学区選びはとにかく大事

10年のアメリカでの子育て生活から断言できることが一つある。子どもの学校選びは平和なアメリカ生活を送るうえで決定的に重要ということだ。もう一度繰り返すが、子どもの学校選びは滅茶苦茶大事である。
幼稚園から高等部まで公立学校のあるアメリカにおいて、住んでいる場所で、どの学校に行くかが例外を除いて決まる。即ち、「住む場所」を選ぶことは、「学区を選び、学校を選ぶ」ということと同じことだ。なので、どの学区の家に住むかは慎重に決めなければならない。

なので、アメリカの家選びというのは「まず学校を選び、そしてその学区の中で家を探す」という順番で進む。学区を見ずに、家を決めては絶対にいけない。「ちょっと広いから、ちょっと間取りがよいから、ちょっとショッピングモールに近いからこっちの家がいいや」という理由で、学区を妥協することはおすすめできない。少なくともアメリカにあまり慣れていないお子さんのいる家庭では特に重要だ。

現実の話:子どもによるとは言うが・・・

勿論、どんな学校であっても、友達を作り、楽しい学校生活を送ることができる子どももいる。私の友人の子どもでも英語が対してできないのに、あっという間に仲良しの友達を作り、馴染んだ子もいる。なので、「学校のランクはそんなに高くなかったけど、うちは大丈夫だったけどなぁ」という方もきっといるだろう。ただ、

  • 子どもが授業や学校に馴染めずに、学校に行きたがらなくなる

  • 授業の進行やペースに無理があり、親がかかりっきりで宿題をみないといけなくなる

  • 子どもが学校で、いじめや差別や仲間はずれなどの問題に直面する

などの状況に陥ると、その解決に多くの時間と神経を使うことになる。特に両方日本人のアメリカ生活に慣れていない家庭では、夫婦総動員で対応を求められることになるし、家族そろって「日本に帰りたい!」モードになる危険性もある。そういうリスクをなるべく避けたいという方は、学区選びは慎重にしたほうが良い。

わが家の話:鬼門の中学での挑戦

わが家の話を少しだけ。私たちは上の娘が小学校2年生の頃にアメリカに移住した。小学校はかなり注意をして選んだせいか、とても良い学校で、幸いにも沢山の良い先生に恵まれ、大きなトラブルなく卒業することができた。
が、あまり注意を払っていなかった同じ学区の中学校は、下とは言わないまでも「中の中」くらいで、あまり良い学校ではなかったと思う。今は改善されているみたいだが、Great Schoolの生徒の学力の伸びを示す”Student Progress"は、当時「2(10点満点)」であった。私の住んでいた市は良い学校が多かったので、その中ではダントツの低スコアである。

アメリカ人の友人に聞いたところ、中学校になりたての6年生、7年生というのは、結構鬼門らしい。勉強も急激に難しくなるし、身体も大きくなりはじめ、ませた生徒が増えてくる。私の子どもが行っていた学校は授業と授業の間の休み時間が4分間隔で、娘曰く、トイレに行く暇もないという。次の授業に遅刻しないように移動するだけで精一杯なのに、通路でハグする生徒やら、いきなり取っ組み合いを始める輩がいて大変とのこと。そういった生徒をいさめるために、巨体の女性警官が学校に常駐していた。特に真面目でナイーブの娘は、反抗期とからんで、学校に馴染めずかなり苦労を強いられることとなる。

特に苦手だったのは、英語の先生。テンションが無駄に高く、何かしら突飛な試みをしようというスタイルが娘の性格ともあわなかった模様。エッセイの課題で、「この世からある民族を殲滅するとすれば、どの民族を選ぶか。その民族名と理由を述べよ」というとんでもないものだったりしたこともある。
また、「ミズーリ協定(1820年代に締結された自由州と奴隷州のバランスを保つための協定)」の原文を渡され、授業中にそれを条項ごとに全て要約し、終わらなかった場合は宿題で終わらせなさい」みたいな無茶な宿題も出た。親子で古臭い法律特有の英語の言い回しと格闘したのも、今となっては良い思い出だ。同僚に「こんな宿題が中学ででてるが、こんなもんなのか?」と聞いたら、「無謀で意味不明」との答えが返ってきた。おのれ。

まとめ

アメリカでの子育ての経験を振り返ると、通う学校で大きく大変さが左右されたというのが私の実感だ。住む場所が学区を決定し、そこで決められた学校で運命は大きくわかれる。なので、自分に決定権のある「家選び」はGreat Schoolなどを参考にし、熟慮することが大事だ。下記のようなトラブルをなるべく避けたいという方は、十分に注意されたし。

  • 子どもが授業や学校に馴染めずに、学校に行きたがらなくなる

  • 授業の進行やペースに無理があり、親がかかりっきりで宿題をみないといけなくなる

  • 子どもが学校で、いじめや差別や仲間はずれなどの問題に直面する

今後も、Great Schoolの見方やアメリカの学校についての気付きを共有していきたい。

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