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あたたかな陽気に誘われて

大阪も休業要請の対象となった企業・個人への補償が発表になりましたね。その他の自治体にも同様の動きがあるとの事。あとは本丸でしょうか。少しでも世界が良い方向に向かうことを心から祈っております。

何故このテイスティングをすることにしたかはコチラをご覧ください。
https://note.com/kttassy/n/n6337fc1b2556

それでは記念すべきテイスティング第一号、行ってみましょう。あ、ちなみにワインの情報は一番下です。気になる方は発注よろしくお願いします。

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やや濃いめの色調。少し緑がかった透明感と深みのあるイエロー。粘りはやや強め。全体的にフレッシュで少し重たい印象、穏やかな陽だまりを連想させる外観。発泡は見られない。

香りの広がりは豊かでポジティヴ。ほんのりスモーキー。熟れたリンゴからドライマンゴー、金柑のコンポートにうっすらコブミカン。軽くスワリングするとカルダモンや生姜、陳皮といった白系スパイスの香りがふんわりと立ち上がる。全体に甘やかで黄金糖を思わせる懐かしい香り。果実のニュアンスからも若さとやはり太陽を思わせる仕上がり。難解でない程度に複雑。

アタックは滑らかでジューシー。蜜のような甘みが口内を駆け巡りその後を綺麗な酸が甘さを流すように追いかける。フィニッシュには心地よい苦味が訪れ、酸とともに序盤の甘さから連なる物語を引き締める。最終的に鼻腔に抜ける余韻は長く、このワインの上質さを強く印象付ける。瑞々しく豊かで複雑な香りと味わいでありながらそれらと相反する素朴さも兼ね備えている。13%というアルコール度数を感じさせないスムースな飲み心地。ミディアムボディの中辛口。

と、ここまで書いて・・・なんか我ながらコメントつまんないな(笑)。個人的にはこれを見てあんまり美味しそうに(もっというと飲みたいと)思えない。しっかり特徴はとらえたコメントだとは思う。こういった雛形としてのテイスティングコメントは大事だと思うし、これがある意味ソムリエやワイン業界の人々にとって共通言語として活用されるのは理解できるけどこれだけじゃ今の時代ネットの波に飲み込まれて埋もれてしまう。みんな同じようなこと書いてるし。

と、いうわけでせっかく僕がテイスティング・紹介するんで次回からはもう少しコメントはカジュアルかつ自分の個性を出したい。あのまま書いてたら合わせるならマンステールとかシュークルート〜とかお堅いコメント書いちゃってたと思うし。あ、その土地のワインと料理の組み合わせは大好きですよ。今更そのコメントするのが僕の立場的にクソなだけです気を悪くされたらごめんなさい。

まあ前述のコメントを見ていただいたらわかる通り、ダイスらしくエネルギーに満ちたフルーティさ、ただしやや過熟気味。にもかかわらず酸がギリギリのところでバランスを保ち、味わいとしては絶妙。近年のアルザスに見られがちな異常に高いアルコールや酸の低さ、悪い意味での野暮ったさは微塵もなくエレガントの極み。なんしか旨い。

ペアリングという観点からテイスティングしていくと、注目すべきはこの滑らかな口当たりとそれに反するレベルの高い酸のコントラスト、そして序盤の甘さと香りに顕われるスパイシーさ。

お堅い~とは言いながらも、熟成して滑らかな食感としっかりしたボディや塩味のあるマンステール、醗酵由来の旨みを伴った酸味や出汁のきいたシュークルートは問答無用で合うだろうなとは思う。地産地消とはよく言ったものだ。

ではそれらとは異なった角度からのペアリングのお話。滑らかな口当たりというところでできれば素材は柔らかいものがいい。調理も揚げたり焼いたりしたときに出るメイラードのニュアンス(香ばしさ)は不要。蒸したり煮込んだりしたものがベター。生は避けたい。酸は高いが柔らかいのでここでもクリスピーな食感は不要。むしろ料理の味付けのところでこの酸を活かしたい。全体を通して甘みとスパイスのニュアンスが支配的なので前述の酸とともにそれらを活かすべく、料理には少しスパイスや唐辛子を使用した辛みでアクセントをつけたい。

イメージとしては少し辛みのある煮込み系の料理を食べる⇨飲み込んでからワインを含む⇨口内に残る辛みを甘みと酸味で流すように味わい飲み込む。すると最終的に抜ける香りが複合的に絡み合い、お互いを高めていることに気付けるはずだ。

と、いうわけでこのワインと合わせたい料理としては柔らかくクセの少ない肉、例えば鶏モモ肉のグリーンカレーや麻婆豆腐、コブミカンの香りを活かしたトムヤムクンのようなアジア系の料理との相性もいいと思われる。個人的にはテイスティングしていて真っ先に思いついたのはマカオ名物のアフリカンチキンだった。このワインを飲まれる際には是非お試しあれ。

ワイン名:マルセル・ダイス リクーヴィル2017
生産地:フランス アルザス
ブドウ品種:リースリングとピノ・グリの混植混醸
小売価格:4,600円 ⇦クオリティを考えるとかなり安いと思います。
輸入元:ヌーヴェル・セレクション

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とまあ書いてみたもののどうだろう?前半のような一般的なコメントも入れた方がいいのかどうか悩ましいところである。読み手の皆さんの意見を聞きながらこの辺は変えていく可能性あるんでユルユルとお付き合いくださいませ。ではまた次回!



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