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独りよがり

 せっかく勇気を持って「助けて」を言ったのに、それを突き返されると悲しいとか悔しいとか色々混ざった感情になる。
 自分が救いようもない人間だということは嫌というほど理解している。とてもめんどくさい人間だということも。

 自分は本当に弱い人間だ。自分の意思を持っていても表に出せないし、人に何か言われるとそれが間違っていても怯んでしまうことがある。世界の全てに怯えてしまう。みんな怖い。
 そんな私には「助けて」ということも難しいことなのだ。「助けて」と言える人間は強い。「助けて」に続く言葉が溜まりすぎてつい涙になってしまう。泣きたくて泣くわけじゃない、という大抵の理由はこれだと思う。よくないことはわかっているが、感情が1番上に来てしまう。

 頑張って、強さを身につけて、やっと出てきた「助けて」という言葉。

 受け取り手にしてみればただ1人の、その他大勢のだれかの、何気ない一言かもしれない。でも私にとってはその小さな声は大きな一歩だった。

 突き返された「助けて」の行方はどこなのだろう。明日に続くのか、今日に置いて行けるものなのか。自分の心で燃やすしかないのか。燃え尽きるわけがない。
 せめて、突き返さず、一度だけでも受け入れてみて欲しい。それで救われる人がいる。聞こえないふりをしないで欲しい。独りよがりなのはわかっている。けれど、それでもいいから、自分で自分を許せなくなってしまう前に、あなたに助けて欲しい。あなたを選んだ理由もちゃんとある。

 胸にできてしまったこの蟠りをどうやって解いていこうか。虚しい世界と消化試合の人生に今日も向き合って生きていく。

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