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またね

「またね。」
そう言って手を振る。
「またね。」
そう言ってバイバイする。

次いつ会えるかはわからない。
だけれど、また会いたい。
そんな気持ちがこもっている「またね。」。

小さくて細い命の灯火。
僅かに輝く光が
暗闇に飲み込まれてしまった時、
私の心の中にある光の輝きも、
どこかに置いてきてしまった。

この真実が嘘であってほしい、と
空洞の道を彷徨う。


49日の夜に夢を見た。
どんな内容だったか全然思い出せないけれど、
「またね。」
この言葉をくれたことだけ
はっきりと覚えている。
あれは一体何だったのか、
本当のところはわからない。
それなのに、分かる。
きっとそうだ。
光の輝きの忘れ物を、届けてくれたから。

今なら、ちゃんと伝えられそうだ。

「またね、」
今までありがとう。

来世で会えることを信じて、
今日も私は話しかける。

1枚の思い出と共に愛を込めて。

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