見出し画像

エピソード① 会社の『教育方針』に感銘を受けて入社を決めたA君の場合

◇就職活動は足を使うことが大切!

合同企業説明会等のイベントには欠かさず出席し、多くの人事の方や企業の方々の話を聞いた。1社でも多くの企業と『出会う』ことが大事。運命の出会いはきっとある!

魚を与えれば1日の飢えを凌ぐことができる。魚の捕り方を教えれば一生の飢えを凌ぐことができる

「『魚を与えれば1日の飢えを凌ぐことができる。魚の捕り方を教えれば一生の飢えを凌ぐことができる』という話を聞いたことがありますか?」

「はい、知っています。受験生の時、先生から言われました。『だから答えを聞こうとするな。答えの導き方を訊いてこい』と教育されました」

ある企業の会社説明会で人事の方に質問された僕は得意気に答えた。『聞く』と『訊く』を区別できているところが気の利いた答えになったと思い、内心では(決まったぁ~!)とガッツポーズしていた。

 ところが人事の方はそんな私を褒めようとせず、微笑みながらこう言った。

「それは学生までね」

「学生まで??」

「社会人は魚の捕り方の次に調理の仕方を学び、そして身に付けてもらいます。仕事や人生を楽しむためには単に飢えを凌ぐだけではダメです。『どのように料理して味わうか?』が大事なのです。つまり『工夫して仕事を楽しむ』、そして『成果を喜ぶ』。我が社はそうやって人材育成に勤しみ、楽しんで仕事に取り組める職場作りを目指しています」

こんなことは考えたこともなかった。

さらに人事担当者はこう続けた。

「このご時世、最初に入社した会社に定年までいる人間は少ないでしょう。でも、辞めるのはいつでもできますから!辞める時は自分だけの何かを得た時にしてください。先程の話で言うなら、学生は其の一・其の二までで良いです。しかし社会人はそこからもう一歩、其の三に進んでください。『魚をどうやって料理する?どうやって味わう?』に。そしていつか自分だけの其の四の答えが見つけられるように頑張ってほしい。四つ目の答えを自力で見つければ、辞めた後も自分の足で立てる人間になっているはずです」

 僕は多くの学生の例に漏れず、金融関連を第一希望にしていた。大学を卒業したら地元に帰って就職しようと思い、この日は地元の合同企業説明会に参加していた。

ちなみに今、話をしてくれている企業は地元の小さな町工場で、『もし自分が銀行員になったら取引先になるかも』となめた考えをもって話を聞きに来ただけだった。

しかし全く興味のない業界だったはずなのに心が震えた。実際に身体は震えている。しかもちょっと泣きそう。そして同時に自分がすごく恥ずかしかった。

この時から僕は就活に臨む姿勢を一から改めた。会社のホームページで読む文言よりも、掲載された写真を見るよりも、会って感じ取る『肌感覚』の方が有益な情報であることを知った。

出来過ぎた話だが、僕は翌春、この町工場の営業マンとして入社した(照笑)。一緒に入社した4人の同期は僕と同じで、例の話に感化された者たちしかいなかった。単純な奴らだが、みんな気の良い仲間である。僕ら同期メンバーはみんな会社の『教育方針』に感銘を受けて入社を決めた者である。

キャリアコンサルタントより

①文字や写真では知ることのできない
②生の情報を
③出会いによって得たことで
④進路を決定した
これがこの話の重要なポイントです。

まさに、出会いは人生を変える!(万歳!)

ハッキリ言って、20代前半で天職に出会えることは少ないです。20代前半で転職に出会えた人がいたとしたら、それは何故でしょう?それは決してその人が優秀だったというのではありません。純粋に幸運だったのだと思います。その幸運は努力する人には必ず訪れます。人によって早いか遅いかの違いはありますが必ず。

自分の可能性と将来のためにも、足を使って多くの出会いを求めることをお勧めします。足を使って得た生の情報を決定的な判断材料にする。これがあなたを成功に導く重要なことだからです。

<全体目次>


はじめに(語ります・・・)
【第1章】職業選択・出会いによって進路を決めたケース

◇就職活動は足を使うことが大切!

合同企業説明会等のイベントには欠かさず出席し、多くの人事の方や企業の方々の話を聞いた。1社でも多くの企業と『出会う』ことが大事。運命の出会いはきっとある!
エピソード① 会社の『教育方針』に感銘を受けて入社を決めたA君の場合
エピソード② 出会いを通じて『飢えや渇きを満たしてくれそうだから決めた』B君の場合

◇行き詰った時には視点を変えてみよう

今、見ているものより多くのものが見たいと思ったら、より高いところに上がらなくてはならない。もう一段上がれば視野を拡げ、選択肢を増やすことができる。それが成長である。

★エピソード③ 視点を変えることで居場所をみつけることができたCさんの場合

大切なのは早く決めることではなく、決めた何かを信じること

企業研究にも会社説明会へも気持ちは消極的だった。周囲に言われて仕方なく赴いた先に怠け者の自分を変える不思議な発見があった。

★エピソード④ 就職活動で仕事への考え方が全く変わったD君の場合

◇出会いの先に希望を見つけることがある

自分の中で何が重要かを考えれば、『早く決めよう』などという雑な気持ちにならない。『これからしっかり歩める道であるか?』、『頑張れる環境であるか?』を見定めること。

★エピソード⑤ 自分が何をしたいかを明確にしたおかげで、会社との出会いに希望をみつけたEさんの場合

◇『働くこととは何か?』と向き合った

社会人になると生活の大部分が仕事になる。そのため、収入を得るための手段として仕事を選ぶのか?または人生の目標となるような仕事を選ぶのか?自分は後者だった。

★エピソード⑥ アルバイトで出会った先輩の存在が就活のゴールを決めたFさんの場合