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地域取材ライターは刑事(デカ)になれ

ライターが地域取材に行くとき。

決められた日程の中で、取材・インタビューを行い、いかに多くの良い情報を仕入れ、良い話を引き出し、良い写真を撮影するか。
その行程で得られたものが、後日記事になります。

「あ、この情報が足りなかった・・・」「あ、この写真が足りなかった・・・」気付いたときは後の祭り。

納期までに、再度その地域に行けることは、ほぼありません。

いかに濃密な取材を行い、良い記事にするか。
そこでの嗅覚は、獲物を狙う刑事そのものです。
(注:私は刑事人生を過ごしたことはないので、あくまで想像です。)

刑事は恋をしろ

地域取材では、おすすめ観光スポットや絶景をまわるだけでなく、現地の方にインタビューを行った方が、より濃い記事が書けます。

インタビュー相手を選定し、アポをとったあと。
とにかくお相手の情報を、分かる範囲で調べまくります。SNSやnote、既に別媒体にインタビューされている場合は、そちらにも目を通す。

インタビュー相手は、基本的には初対面の方。
人は、「自分のことをきちんと調べてきてくれたんだな。」と感じると、好感をもち心を開いてくれます。

私は、分かる範囲でその方の人生年表も書きます。
その姿はまるで、恋する乙女!
(いや、むしろネットストーカ―・・・?)

事前に調べておくと、何のテーマを掘り下げるのか、記事構成も段取りできるため、短い時間で深く良い質問が可能となります。

地域に関しては、インターネット等でどんな土地でどんな特徴があるのか頭にたたきこんだあと、訪れる場所・お店をGoogleMapでピン止め。限られた時間で、多くの場所を訪れる計画をたてましょう。

刑事は尻尾をつかめ

現地に到着。いざ、インタビューが始まったとき。

インタビュー記事の角度を深くするコツは、”原体験”です。
人に歴史あり。今なぜその想いでその場所に住んでいるか、必ず”何か”があります。その”何か”の尻尾をつかみましょう

もちろん、いきなり深い質問をされるとビックリするので、アイスブレイクで雑談や、こちらの自己開示(怪しい人じゃないですよ~と)もしながら、空気を読んでコミュニケーションよく。
私の場合、ここで営業経験が活きており、やってきてよかった・・・!!と感じました。場数を踏んだら、必ず”慣れ”ます。

人は、「自分に興味をもってたくさん聞いてくれるな。」と感じると嬉しいもの。もしろん上辺だけでなく、その方の人生や想いから”学ぶ”姿勢が大切です。

インタビューで仲良くなると、別の方や別のお店を紹介してもらえたりします。すると、記事がより濃密になる。
私も、初対面のゲストハウスのオーナーから、別の事業のお店や、仲良くしているお店のオーナーを紹介して頂き、記事の深さに繋がったことがあります。

刑事は張り込め

こちらは、特に写真素材について。
地域取材は、写真の綺麗さも重要です。ただ、雨のこともあれば、思ったような写真にならない時もある。

可能な限り、行程に余裕をもうけましょう。雨の場合やうまく行かなかった日の予備日です。

AスポットがNGの場合はBスポットと、代替案も常にもっておきながら、本命写真のために、粘るのです。まるで張り込みかのように。

私は、とある地域で、どうしても遠景の山の写真を撮影したかった時があります。でも、いざ行ってみると、建物が邪魔をしてなかなか良い写真が撮れない。事前情報では撮影可能なはずの場所に行っても、その山はない。おかしい。

結局予備日に、山の中腹までロープウェーで登り、無事撮影。
粘り勝ちです・・・!!

以上、「刑事の三原則」でした。
事前の情報収集と、現地では「足」で取材することが大切。
この要素が最大化され、良い記事が書けたときの喜びは何物にも代えがたいものとなります。


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