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タコの形状を模した公園の滑り台について著作物性を否定した判決が公開

原告が製作したタコの形状を模した原告滑り台が美術の著作物又は建築の著作物に該当し、被告がタコの形状を模した公園の遊具である滑り台2基を製作した行為が、原告が有する著作権(複製権又は翻案権)を侵害すると主張した事案において、東京地裁が、原告滑り台の著作物性を否定した判決が判決データベースに掲載されました。https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/359/090359_hanrei.pdf
同地裁は、(1)原告滑り台は、遊具であり、鑑賞を目的とするものでないことから、「美術工芸品」に該当しない、(2)原告滑り台は、実用目的を達成するために必要な機能に係る構成と分離して、美術鑑賞の対象となり得る部分を把握できるものではなく、遊具のデザインとしての域を出るものではないとして、「美術の著作物」として保護される応用美術とは認められないと判断しました。また、「建築の著作物」に該当するかについても、応用美術と同様の基準から、原告滑り台は著作権法上の「建築の著作物」に該当しないと判断しました。
原告は控訴する方針のようですが、控訴審がどのように判断するのか、興味深いところです。

(文責:中岡 起代子)

原告滑り台の正面画像(上記裁判所Webサイト判決文より引用)

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被告滑り台1の正面画像(同上)

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被告滑り台2の正面画像(同上)

スクリーンショット 2021-06-08 16.07.01


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