見出し画像

何かめっちゃ面白い「VIVANT」が何か凄いしヤバいから見て欲しい

放送が開始されたばかりの
新日曜劇場「VIVANT」

夏クールドラマ情報が軒並み
解禁されていく中、VIVANTは
役どころやストーリーなど、
メインキャスト以外の情報は
放送まで一切解禁しないという
まさかの解禁をした。

事前情報としてあったのは、
主演が「半沢直樹」の堺雅人で、
タッグを組むのが「下町ロケット」
で主演を務めた阿部寛。監督は
2作品の演出を担当した福澤克雄。
さらに、メインキャストに名前を
連ねるのが二階堂ふみ、松坂桃李、
役所広司だということ。さらには、
ロケ地が【がちモンゴル】(凄すぎ)

見始める前から、何かとんでもない
ドラマになるんじゃないだろうか
という予想は薄々あったけど、
その予想は軽々飛び越えられた。

第1話を見終えての感想は、

「説明できないけど、何か凄い」
「何かめっちゃおもろかった」

本当に言葉の通り、何が面白いのか
全然説明できないけど、何か面白い。
とにかく凄かった、本当に。

初回1時間45分尺をまるまる見たのに
「何が面白いの?」って言われると
説明ができない「VIVANT」の凄さを、
見ていない人にも体験して欲しい
一心でこのnoteにまとめたいと思う。
※以下、ネタバレあり


【VIVANT】のここが凄い

①俳優界の宝、堺雅人

1話目では軽くしか触れられず、まだ
真相は明らかになっていないものの、
おそらく堺雅人演じる乃木は人格が
2つある。というよりは、心の中に
別の人格の自分がいて、乃木には
それが見えていて、会話も出来る
と言った方が正しいかも知れない。
「イマジナリー自分」みたいな。

基本的に表に出ている乃木は、
頼りない感じで、エリートながらも
周りには割とペコペコするタイプ。
どこかリーガルハイの小美門風の
コミカルな表情も垣間見える。
(個人的にはこれが最高だった)

それに対し、イマジナリー乃木(仮)は
かなりのやり手。表の乃木に対して
アドバイスをしたり、
「だからお前はダメなんだ!」と
檄を飛ばしたりする勝ち気タイプ。
もうほとんど圧強めの半沢直樹。

この全く異なる2つの役どころを、
堺雅人は風に乗って砂がガンガン
顔に飛んでくるモンゴルの砂漠で、
おそらくかなりの気温の中、
スーツで両方撮影しているわけだ。

さらには、乃木は日本語以外にも
複数の外国語を話せる人物だ。
2つの演技をこなしながら、
複数言語も覚えなければいけない。
演技力と、役作り、そして経験値。
すべてを兼ね備えている実力者の
堺雅人だからなせる技だと思う。

②ドラマで見られる規模じゃない

モンゴルでロケをしている時点で
既にスケールがでかすぎるのに、
それを上回ること上回ること。

そもそものメインキャストが、
堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、
役所広司、松坂桃李ってだけで
もう文句なしのラインナップなのに
他国の名優や、ハリウッド俳優まで
登場するもんだから、もうどの国の
ドラマを見ているのか分からない。

この蒼々たる面々をこれ以上なく
引き立たせるのが、背景だ。

作中に遊牧民が登場するが、
羊や山羊、馬の量がどう見たって
本物なのだ。馬に乗るシーンとか、
羊や山羊の群れを見せるシーンなら
他のドラマでも見たことはあるが、
「VIVANT」ではその背景に広大な
砂漠が広がっている。監督の

「どうしてもモンゴルで撮る
 必要があった」

というコメントが1話目にして
すぐに立証された。

さらに凄いのは車アクション。
警察から逃げ切るべく、市街地の
渋滞の中を馬に乗って逃げたり、
安全圏の日本大使館に行くために
強行突破するシーンでは、
ダンプカーが大量の車をなぎ倒す。
もう洋画さながらの勢いで車に
突っ込んで、吹き飛ばして進む。

このシーンを見た時はさすがに

「日曜劇場終わるの?この枠の
 クライマックスに作られた作品?」

と日曜劇場の最後の作品なのかと
疑ってしまうほどの衝撃を受けた。

この画が日本の作品で、それも映画
ではなくドラマで見られるなんて
全く、1ミリも想像していなかった。


③受け流せないことサラッとしてくる

「VIVANT」というドラマは、
「え、今のそんな淡々と進める?」
みたいなことを平気でしてくる。

その例を3つピックアップしてみた。

Ⅰ.スタッフさんもガチすぎる

 地元の警察犬の鼻を誤魔化すべく、
 顔にうん〇を塗るシーンがある。
 ここだけ読んで、絶対見ない!と
 思う人もいるかもしれないが、
 うわ~!と思いつつ、ストーリーの
 流れでちゃんと受け入れられるから
 安心して、心して見て欲しい。

 実際に塗っていないということは
 そりゃあもちろん分かるんだけど、
 なんたって二階堂ふみ様の演技が
 上手すぎるがゆえに、うん〇じゃ
 ないにしても泥とかなのか…?と
 思ってしまうほどの嫌がりっぷり。
 え~…何これ~…と思いながら、
 調べてみると、うん〇の正体は…

 美術部が全力で作った美容パック!

 既製品を使わずに、寄せた色で
 それっぽく作るという細部の努力。
 本気度に頭が上がりません。


Ⅱ.ドラムのスマホ音声可愛すぎ

 阿部寛さん演じる野崎の仲間、
 富栄ドラムさん演じるドラム。
 日本語は理解出来るが話せない
 というドラムが、野崎たちとの
 コミュニケーションに使うのが
 スマホ。その声が何とも癖になる。
 担当されているのは、声優の
 林原めぐみさん。

 ドラムはがたいが良くて、時には
 手荒なことをする厳つさもある。
 にもかかわらず、スマホ音声で
 放たれる言葉には語尾に☆が
 ついてるように聞こえるポップさ。

 「ドラムだよ☆よろしくね☆?

 「野崎さん、ガソリン15リットル
  しかないよ☆?

 このアンバランスさが文字では
 伝えきれないのが何とも悔しい。
 このドラムのギャップを見るために
 再生しても良いくらいには、
 何か癒されるし、愛らしくなる。


Ⅲ.キャスト陣の突然の登場

 本当に驚くほど何の準備もなく
 豪華キャストが登場してくるから
 えええええ?ってなる。

 堺雅人が命の危機に陥ったとき、
 颯爽と阿部寛が登場するし、
 堺雅人には外国人だと思われ、
 地元警察にもアラブ人だと
 思われているという何とも
 阿部寛らしいくだりがある。
 そのおかげか、阿部寛が
 「とりあえず風呂だ」という
 台詞を言ったときには、頭が
 テルマエロマエ一色になった。

 さらには、嫌な奴っぽく登場して、
 かと思ったらいい人で、でも結局
 裏切られて、でもやっぱり流れで
 仲間になって…という、副題の
 「敵か味方か、味方か敵か」を
 一挙に背負う二階堂ふみの登場。

 あまりにもスーツが似合いすぎる
 スタイリッシュ竜星涼。

 そして何より驚いたのは、
 渋すぎる役所広司が登場したと
 思ったら、その横にキャスト情報で
 解禁されていなかった二宮和也が
 しれっと登場してきたことだ。

 二宮和也を予告なしで登場させる
 ドラマがいまだかつてあった!?

 それでいて、まだメインキャストの
 松坂桃李が出てきていないのも、
 今後の楽しみとして残されている
 あたりが本当に恐ろしいドラマだ。


1話目の段階では堺雅人演じる乃木が
なぜ世界から追われているのか、
乃木が巻き込まれた世界の渦とは
一体何なのかということはおろか、
この物語が何を描いているのかすら
明らかになっていない。

乃木が見ている夢は何の記憶なのか、
乃木のもう一つの人格は何なのか、
そもそも最初の金はどこへ消えたのか。

「何も分かんないから見るのやめた」
という人もいるかもしれないが、
少なくとも私はやめられなかった。

画面に引きつけられて、迫力に、
演技に、先の読めないストーリーに
引き込まれて、見た後は脱力感?
心地よい疲労感に包まれていた。

何となくパターン化しはじめてきた
歴史ある日曜ドラマに、パターンの
パの字もない、とんでもない突風が
舞い込んできた。毎週この突風を
浴びられると思うとわくわくする。

新たな時代の皮切りになりそうな、
新日曜劇場・「VIVANT」
もし気になったら是非、この感情を
体感してみて欲しい。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?