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毒両親❷

毒母
 とにかく言葉使いも悪く、娘のわたしからしたら、常にイライラしていたという記憶しかない。発する言葉も、さっきまで会っていた人たちの悪口や愚痴で、それをわたしに聞いてもらって毒母だけスッキリし、わたしはモヤモヤするのが常だった。ご飯だけはちゃんと作ってくれたが、常に不機嫌で眉間に皺を寄せて、ガナリ声で躾けと称して随分酷い事を言われてきた。
 毒母の地雷に触れると、わたしがごめんなさいと号泣するまで、何時間(3時間〜5時間)でも怒り続け、揺さぶられたり、ビンタされたりした。小学校低学年までだ。毒親によくあるパターンで、その日その日の毒母の気分でルールが変えられた。昨日何時間も怒っていた事と同じことを今日しても、機嫌によっては怒られないことが多々あったし、幼少期から毒母の地雷が今日はどこなのかさぐりながら様子を見るしかなかった。
 父親の悪口もよく聞かされた。それなのに、わたしと父親をよく外出させて、毒父の横柄な対応を受けさせていたのだ。

 毒母は片付けが苦手でキッチンが特にいつも汚かった。キッチンの棚の中で油や調味料が垂れていても放置していつもベタベタで、キッチンからは変な匂いがした。Gがキッチンから出現するのが嫌だった。だけど、毒母はGが出現するのは、わたしがお菓子を食べてから手を洗わずにおもちゃを触ったからだと、わたしのせいにされた。
 断捨離も苦手で、物が捨てられてない。ゴミのように見える物に対してもだ。わたしがなぜか?と毒母に聞くと、「お金がかかっている物なんだから捨てられるわけないだろー😡💢💢」と明らかにボロボロな物でも捨てないのだ。たまに毒父に処分されて、めちゃくちゃ怒っていることもあった。ほんとただのゴミだから…。

 毒母はわたしに歯磨きを全くしないので3歳から虫歯が出来始めた。歯磨きをわたしが泣き叫んで嫌がるから、可愛そうだから、歯磨きは無理やりしない方がいいからとするのを止めたのだ。
 わたしは確かに歯磨きが嫌いだったので朝も夜もしなかった。なので虫歯まみれで、常に歯医者に通っていた。しかも歯医者が幼いわたしに対して「乳歯が虫歯になったら永久歯も確実に虫歯になっていから!」と怖い顔をして言うのだが、それって親に直接言うことなんじゃないんだろうか。毒母は待ち合い室で素知らぬ顔で何の心配もせずに待っているだけだった。歯医者で幼い娘が痛い怖い思いをしていても自分には関係のない事だったんだろう。

 わたしは父親似なので「◯◯ちゃんはパパ似だから可愛くないってよく言われるねー。ママに似たら可愛かったのにねーって言ってたねー。」確かに、そう言ってる人もいたけど、だから何なんだと幼少期よく思っていたが、父親に似ていて嫌だなとトラウマになるくらい言われ続けた。
 色々と毒母にお願い事をしても「何で私がやらなきゃならないの😡」とピシャリで聞き入れてもらえなかった。専業主婦なのにだ。何をするために家に居るんですか?わたしが悩み事を話しても「あんたの悩みなんか大したことないでしょ😡そんなことより私の方が大変だったのよ!……」とさっきまで会っていた人の悪口をこちらが延々と聞かされ続ける羽目になるのだ。

 習い事はピアノと水泳と英会話をさせてもらっていた。ピアノが出来る子はあっという間に上達するが、わたしはマイペースで手がとても小さかったのでなかなか、直ぐには上達しなかった。それなのに、毒母はピアノは経験がないので「◯◯ちゃんはピアノの練習聞いていたら上手だから、大丈夫よ!」そうだけど、なかなか伸び悩んで苦しんでる部分は理解してくれなかった。
 中学で英語の単元が始まった時、毒両親が「◯◯ちゃんは英会話習ってるから英語は大丈夫よ」といやいや、中学の単元は自力でやらんと無理やでって、現実を見つめられない、脳内花畑の毒両親なのだった。学校に通っていて先生に任せていたら大丈夫なんだからと、毒母も毒父も一切学校での様子を把握しようともしなかったのだ。

 毒母は喘息があり、家ではほとんど寝ていた。わたしや父の夜ご飯は作って置いてあったり、出来合いを買ってきたりしてなんとか準備してくれてはいたが、その準備が終わると、また休みに布団に戻っていた。家の中ではまともな会話は全く無かった。父も全く会話が成り立たないし、タバコを吸いながらテレビの番しかしないため。
 毒母が40歳の時に1型糖尿病になり、入退院を繰り返すようになった。もともとヒステリーがひどくて幕仕上げるように好き勝手言う人だったが、血糖値のコントロールが大変になり、余計にイライラの頻度が前よりも酷くなったように思う。家にいると、布団から出たり入ったりを繰り返していた。しんどかったんだとは思うが、毒父に歯ブラシとパンツの共用について執拗に言われることを相談したかったのだか、全く出来なかった。

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