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小説を製本するあたりやったこと

ここ二、三日宣伝していますが、こちらの紙書籍版を製本するにあたりやった事あれこれを書いていきたいと思います。
また製本する際の目安としてどなたかに活用してもらえれば幸いです。




何するにしてもまずはここから

小説を書く

なんと言ってもこれが無いと始まりません。
ただ、告知していた禁じられた遊びの方は書き口が凄く気に食わなくなってしまい、今回は断念しました😭
なので書いたかと言われると難しい所なんですが。
異形の箱庭自体の装丁だったりは気に入ってるので、結果的に満足しています。

入稿用のデータ作成

1、媒体はどれにする?

基本的に私はWordで本文もジャケットも製作しています。
illustratorとか色々ありますが、今の所何の問題も無いですし、最終的にPDFに変換するのも楽です。
後述しますが、製本業者が指定するファイル形式に合わせやすいかと思うので、Wordを使用するのがおすすめです。

2、本・ページの仕様

基本的な仕様は以下の通りです。下段は入稿時に選択出来る仕様です。

・サイズ:A6
・ページ数:170
・文字数:約70,000
・フォント:游明朝
・文字数:40
 字送り:8.5pt.
 行数:19
 行送り:12.25pt.
 余白:上16㎜
    下12㎜
    左10㎜
    右10㎜


【サイズ/綴じ方/綴じ向き】 A6/無線綴じ/右綴じ
【本文(ページ数/用紙/カラー)】 170ページ/淡クリームキンマリ72.5/モノクロ
【表紙(用紙/カラー/片面両面)】 マットコート110 /カラー/両面
【表紙PP加工】 なし
【表紙箔押し加工】 なし/なし
【遊び紙加工】 クラシコトレーシング-FS41うす紫 /本文前に1枚


この遊び紙加工というのは、本文の前後に挟み込める、本文用紙とは別の材質の紙のことです。
今回挟んだのはこちら。

表紙の厚みは110だと少し薄いですね。150くらいあると硬さが出て来るかと思います。次回はそれ以上のマット素材で、別の質感の物を試してみたいです。

3、助かった細かい修正

ずっとルビの位置が気に食わなくてどうにか出来ないものかと四苦八苦していたのですが、こんな画期的な方法があったのかと驚きました。
この記事はここが本題だと言ってもいいくらいです笑
もっと早く知りたかった……

文の最後の「だ。」とかが改行される事あると思いますが、それがページの最後の行だったりすると最後の行が次のページに移動して見栄えが悪くなったり、台詞であれば2行分くらい移動した事ないですか? 今回結構そういうのが多く……その調整が本当面倒くさくて💦
余白とか文字送りとかでページ内の文字数行数を調整してました。それでも全然上手くいかなかったんですよね。
そこで更に細かい調整として、ルビと文字の間を縮められないかと思い立った訳です。
では早速説明していきます!

ルビと文字の間隔詰める

「些細」という文字にサイズ4pt.のルビを振ります。


本文は異形の箱庭です

そうするとこんな感じでルビが前の文に被ります。

半分くらい掛かっちゃいますね。これをどうにかするには下記の方法もあります
・行間を広げる
・文字のpt.を凄く小さくする
・ページの余白を広げる
・ページ内の行数を減らす

続いてこの「些細」を選択して
 
SHIFT + F9
 
を押します。するとこんな画面が出てきます。

英語の羅列が出てきました。なんだこれって感じですが、見るのは1か所だけで充分です。

赤線が引いてある部分の【up8】とあります。
この【8】を変更するとルビの位置が変わります。

この英語の羅列を非表示にしたい時はもう一度
SHIFT + F9 を押してください。

試しに6を入れてみます。
※入力する際は半角です


ルビが見えるようになりました!
これのおかげで無駄に行間を広げずにルビが載せられます。
ちなみに全ページ一括でやろうとしたり、選択している単語内でルビが別れている場合はちょっと面倒くさいので、一つずつやる事をおすすめします。
↓試しに「些細」に「さ」「さい」と振ってみます


分割されるのでまずこんな感じでルビが振られます
長い……

分かりますかね?
「さ」と「さい」で2単語分の羅列が出来ています💦
出来なくはないんですが、どこやるのか分かりにくくなるのでやはり一単語ずつやるか、対象文字列をまとめる方がよいかと思います。

他にもupの部分を変更したりするのもあるらしいんですが、実際使用するのはこっちだけで充分です。

以上、ルビの位置調整でした。
製本作業される際にはぜひ参考にされてください。

製本業者選択

最後は製本業者をどこにするかです。
迷いますよね。納期、金額、サイトの見やすさ、クレジット可不可。色々考える要素がありますが、今回は私が選択した業者2社をおすすめしたいと思います。

1、ちょ古っと製本工房

昨年、一昨年と製本を頼んだ所です。
サイトが凄く見やすく、何より滅茶苦茶安いです。
納期によって価格が変動しますが、10営業日(最遅)でお願いしたらびっくりすると思います。翌営業日も注文できます。
納入する際の形式は【PDF】です(追加料金ありでWord・手書き原稿もあり)
遊び紙を入れたりも出来ますが、帯は無いようです。
以前注文した際、誤って表紙と裏表紙を逆に配置して納入してしまったのですが、すぐに連絡があり事なきを得ました。親切……助かる……
また、データを残す事が出来るので、すぐに再印刷したい時にも便利だし、しかもちょっと安くなります!

ただ、お支払いが前払いの銀行振込のみですので、そこだけご注意ください。
そんなちょ古っと製本さんのURLはこちら

2、印刷通販ちょいのま

今年の文学フリマ福岡にて頼んだのがちょいのまさんです。
ジャンルも幅広く、価格もお安いです。
ブックカバーに角丸加工、袋とじetc様々なオプションが可能です!
しかも相談すればメニューに無い加工も出来るとか……?
データはoffice系でもPDFでもadobe系、その他も事前相談があれば検討して頂けるとのこと……凄くないですか? 
今回Wordで納入しましたが、それをちょいのまさんがPDFに変換してくださり、校了の確認メールを送って貰えます。それでOKであれば印刷開始です。
電話で相談連絡も可能です。その方が早いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、メールで連絡してもほぼ変わらないと思います。
 
支払い方法は「銀行振込」「代金引換」「クレジットカード」「コンビニ前払い」があります。
発送の連絡があってから支払いです。
 
そんなちょいのまさんのURLはこちら

最後に

振り返りがてら書きましたが、今後変更になる仕様もあるかと思いますので、詳細につきましてはサイトの方でご確認ください。
上記2つだけが良いという訳では無いですので、併せてご理解ください(__)

私が忘れない様にというのもありますが、今後誰かの役に立てばなあとも思っています。どんどん輪を広げていきたいですからね。

これからイベントに出られる方頑張ってください!👍


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