見出し画像

【インタビュー】成長するおおたかの森で人々の日常に寄り添う場所でありたい(CAFE OKKO)

流山おおたかの森駅近くにある住宅街の一角に、「CAFE OKKO(オッコ)」という居心地のよいカフェがある。

この店は駅北口にある高層マンションの複合施設「ソライエスクエア」のテナントの一つで、大きなガラス窓越しに店内が見える外観が目を引く。

店内は、テーブル席がゆったりとくつろげる広さなのがありがたい。それに、看板メニューであるパンケーキはもっちりとしていて、コーヒーによく合う。

去年秋にこの地に引っ越してきた当初、カフェ難民と化していた私(久我山タカヒロ)は、この店を見つけて以来よく通っている。

近年、子育て世代を中心に人口が急増しているおおたかの森。2021年10月にオープンしたOKKOも、そんな街の空気を取り込みながら着実にファンを広げている。今回、「暮らすカフェ」をコンセプトに掲げる店づくりへの想いや今後のビジョンについて、店舗責任者の小田中さんにお話を伺った。

<店舗責任者の小田中さん>

<プロフィール>
小田中(おだなか)さん。千葉県柏市生まれ。大学で栄養学を専攻。食品メーカーや保育園の栄養士などを経験したのちに、現在はOKKOの店舗責任者を務める。趣味は料理作りとライブ鑑賞(推しアーティストはL'Arc~en~CielとGLAY)。


風味豊かなパンケーキと日常のあらゆる場面で利用できる空間が特徴

――OKKOさんで出されているパンケーキは独特の風味ですよね。流山近辺では珍しいと思います。
「スムレラ」という国産の全粒粉の小麦粉を用いることで、自宅で作るものとはちょっと違った風味を味わえるようになっています。また、一番シンプルなメニューでもメープルシロップやレモンがついているので、甘いメープルに酸味が効いたレモンをキュッと絞り、絶妙な味わいを楽しんでいただけます。

<パンケーキにはクリームやバターも載っていて自分好みの味が楽しめる>

――ところで、おおたかの森は子育て世代が多いですが、そういった土地柄は店づくりに反映されているのでしょうか?
はい。比較的若い世代のご家族が多いことから、オープン当時、この店を家族でそろって食事ができる「団らん」の場にしようと考えました。小さいお子様でも安心して召し上がってもらえるよう、生産者の顔が見える食材を揃えていますし、「キッズプレート」も用意しています。

――空間といった面でも、店内はかなりゆったりと作られていますよね。
はい。設備面では各テーブル席の間にベビーカーを置けるよう間隔を広くとっているほか、段差のない設計としました。お子様連れのお客様がランチ会をやっても周りの目が気にならないよう、個室も用意しています。

<店内は快適に過ごせるよう席の間隔が空いている>

――仕事で利用している私もこの座席の間隔が気に入っています。
ありがとうございます。平日はパソコンを使って作業されている方も多いですね。平日はお一人でも、土日にはご家族でいらっしゃる方もいらっしゃいます。他にも、併設しているコインランドリーやクリニック、近隣の保育園に行きがてら立ち寄ってくださる方もいますし、当店のコンセプトである「暮らすカフェ」としてお客様にご利用いただけているのだと思います。

「おおたかの森の住民と地域を繋ぐ場」としてオープン

――日常の様々なシーンで利用しやすい店づくりをされているのですね。そもそも、OKKOさんはどういったきっかけでこの場所に出店されたのでしょうか?
ソライエスクエアの管理会社である長谷工コミュニティさんから、お声がけいただいたのがきっかけでした。駅北口のマンション建設にあたり、新しい生活を始める住民の方が地域の人々との接点を持てるようにしたいと、長谷工コミュニティさんがクリニックや保育園を備えたソライエスクエア(複合施設)を手掛ける中で、コインランドリーを併設したカフェを作ってはどうかとのお話をいただきました。

<ソライエスクエアは様々な施設で賑わう>

――地域住民の方の交流の場としてOKKOをオープンさせたのですね。
はい。そういった想いから当店では毎月、食や季節の楽しみ方をテーマとした「おいしい暮らし方」というイベントを行っています。地域の方同士で親交を深めてもらえるよう、ある回では近隣にお住いの講師の方に花飾りや料理作りなどをレクチャーしていただきました。また、簡単な料理を囲んで参加者の間で会話を楽しんでいただいたこともあります。初回から多くのご応募があり、今ではのべ300名ほどの方にご参加いただいていますね。

――イベントに参加された方の反応はいかがですか?
例えば、盛況だったイベントの一つに去年7月の「推し酒の会~日本酒編~」があります。各参加者でお気に入りの日本酒を持ち寄るという企画です。ご夫婦やお子様連れなど多彩な顔ぶれにご参加いただきましたが、初対面の方の間でも「実は隣駅に住んでいます」といったような地域の話題で盛り上がっていました。

心がけているのは「お客様が過ごしやすく何度も来たくなる店づくり」

――話は変わりますが、小田中さんが店舗責任者になった経緯を教えてください。
子どもの時から料理を作るのが好きで、自分の手で作ったものを食べてもらう仕事をやりたいと思っていました。その時から自分のカフェを持ちたいという気持ちがありましたね。前職では保育園の栄養士として調理も行っていましたが、私が勤めていた園では、園児が実際に食事をする姿を目にすることはなく、これが自分のやりたかったことなのかと思い悩んでいました。そんな時にOKKOの店舗責任者の募集があり、地元に近いし、せっかくなら挑戦してみたいと思い応募しました。

<笑顔が素敵な小田中さん>

――実際に店舗を運営する立場になってみていかがでしたか?
初めは店を回すことでいっぱいっぱいで、スタッフに助けてもらうこともありました。しかし、そこから徐々に運営に慣れていくうちに、お客様に有意義な時間を過ごしていただけるようにするにはどうしたらよいか、ということを考えるようになりました。

――お客様が「来てよかった」と思えるよう具体的にどういった心がけをされているのでしょうか?
お客様にはできる限りくつろいでほしいと思っていますが、実際は、例えばお茶一杯入れるだけでも3分はお待ちいただいてしまいます。そのため、カウンターで注文をお受けする際、お客様には事前に席を確保してもらい、注文後は「時間がかかりますので、席でゆっくりされてください」とご案内しています。もちろん店として売り上げも大事ですが、やはりお客様にとって過ごしやすく何回も来たくなる店であることが一番だと思います。

――お客様に寄り添った対応を心がけているのですね。
はい。お客様から直接「来てよかった」と言っていただく機会はそれほど多くないのですが、リピートしてくださる方を見ると、ご満足いただけているのだなと思っています。他のスタッフもフレンドリーなので、お客様には気軽に我々と何気ない会話を楽しんでいただければうれしいです。

これからも「より多くの人々の日常の中にある店」へ

――オープン3年目を迎えていますが、メニューで工夫されたことはありますか?
去年メニューを一変させ、メインとしてパンケーキを打ち出しました。おおたかの森は子育てを機に引っ越して来られる方が多く、特に小さなお子様がいるうちはこれまでとはまったく違うライフスタイルになるかと思います。そこで、お子様を連れて遠出や外食するのは難しい方々にもこだわりの詰まったパンケーキを召し上がっていただきたいなと考えました。「近所にOKKOがあるからわざわざ都内に行かなくてもいい!」と思ってもらえたら嬉しいです。もちろん、子連れだけでなく様々な方に使っていただきたいです。

――実際にパンケーキの提供を始めてからお客様の反応はいかがでしたか?
パンケーキをきっかけに若い世代のお客様が増え、「気になって食べてみたらおいしかった」とのお声もいただきました。それを受け、さらに多くの方に味わっていただけるよう、去年11月にはパンケーキ食べ放題の企画を行っています。

――パンケーキ食べ放題企画は好評だったようですね。
はい、想像以上の反響でした。当日は私たちが予想していた以上のペースでパンケーキが消えていき、大変申し訳ないことに、焼き上がりをお待ちいただいてしまうこともありました。また、企画終了後はインスタグラムで、ご参加いただけなかった方からは残念がるコメントをいただけたのもうれしかったです。

――今後どういった店づくりをしていきたいですか?
お仕事前にも気軽に立ち寄っていただけるよう、今年より朝8時からのモーニング営業を毎日行うようにしました(定休日の火曜日を除く)。より多くの方に日常の中でお店を楽しんでいただければと思います。「おいしい暮らし方」イベント以外にも、パンケーキ食べ放題企画も定期的に行う予定ですので、初めての方もぜひ気兼ねなく足を運んでもらえるとうれしいです。

(※新規メニューやイベントについての情報は是非お店のインスタグラムをフォローしてみてください!)


この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?