精神的童貞

世の中全部マニ教なのかと突っ込みたくなる。二元論で飽和している。

「会いたいときに会え」

「孤独こそが人を強くする。会えないときこそ宝だ」

自分の欲求に従えば、相手は離れる。
自分が我慢すれば、相手は幸せであるらしい。

ひとりでいることで、精神は進化したようにも思う、
けれども高まる欲求は退化し、より原始的にただ会いたいと願うようになった。会えば解決するわけでもないのに、ただ側に感じることを求めて。

相手が決して似た感覚を抱かないことは知っている。

相手はちゃんと人間。
迷惑とか嫌いとか、言いたいことを押し殺すくらいには中途半端に優しいのだ。

自分なんていなくても生きていける相手だからこそ、好きになったのだろうか。

受け入れる勇気、幸せになる覚悟がない。

幸せになんかなりたくない。恐怖だから。

破滅するのを見据えているから、だからこそ、「自分からは異星人に見える、理解不能な、それなのに魅力を感じる人」を好きになるのか。

その好きって何なんだ。

狂った方位磁針ほど役立たずの、好き。
そのうち地球の果てまで行って、奈落の底へ堕ちるんじゃないのか。
それとも、それが幸せか。

#エッセイ

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