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垂直の詩

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空       言 間 に 立てる 葉
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one

one
強く
one
もっと
one
強く
one
もっと
one
もっと
one
深い ところ
one
次元が交差する 場所
one
どこにある
one
何かが生まれる 瞬間
one
閃光
one
すべて
one
生きているという 証
one
また そこにもどる
one
もっと
one
もっと もっと
one
もっと もっと もっと
one
大きな チカラ
one
ゆれる
one
響く
one

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ヨル

ヨル

星が降ル そのヨルに
鼓動は いのちをたたえ
歌声は 傷ついた魂を鎮めル

そのとき ただ一瞬だけ
世界は うつくしいと想えた

子どもたちは あたたかい毛布にくるまり
母に抱かれ 夢見のなかに眠ル

静かなヨルの 尾途を聴きながら

ちいさな祈りにも似た永遠が
つめたい風のなかに流れル

風と踊る

風と踊る

潮騒の夕暮れ 風と踊る
リズム 鼓動と呼応して
原始の記憶 ただ漂う

瞬きの時
僕は僕であることからも解き放たれて
音の波 揺られながら
曖昧なまま 空に溶ける

ちっぽけな感情は橙の雲に消えて
時間と空間 重鳴り逢う瞬間
その確さを抱きしめる

始まりも終わりもないステップ
やさしく 祈るように
一度きりの夜は いまここに 永遠に

深夜の宇宙ステーション

深夜の宇宙ステーション

居た堪れない感情を
どうすることもできず
街灯だけを頼りに
ぼくはただ歩くことしかできない

深い静寂 行くあてもなく
ぼくは船から放り出された
宇宙飛行士

気怠い重力に引っ張られながら
長い坂を下るサンダルの音

眠るバス通りのなかに
くっきり浮かぶコンビニは
そこだけ昼間みたいな顔をして

煙草の火 ペットボトルの冷たさ
時間はゆっくりと静止したまま
曇り夜空の隙間に星が見える
深夜の宇宙ス

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埋葬

埋葬

男は赤いターバンを巻いている
赤は深淵なる祖先の記憶を意味する

男は村に死者が出ると弔いのための弦を弾く
悲しみと慈しみの調べが、
ながいながい夜を包み込む

空が白々と明ける頃
白い装束を纏った娘たちが唄いながら
死者の掌にニッケの種子を握らせ、全身を麻の布で包む

亡骸は女たちによって運ばれ
村の外縁を流れる小川にかかる橋を渡り
森の奥まで運ばれ、日の出と共に埋葬される

埋葬と豊穣祭の日を

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鹿

鹿

川の瀬で鹿の頭が見つかった
猟師は焚き火の前に ごろんと大きな塊を置いた
真っ黒い眼がちらちらと火に照らされている
首から下はなかったのだという
衰弱した鹿は川へ向かうそうだ
鹿は水の流れる場所を知っている

残雪の山路 行く手の先に鹿を見た
茂みから茂みに 路を横切る一瞬
鹿は静かに此方を見た
私と鹿の間逢い もうひとつの時間が流れる
後ろをついて歩いていた息子に呼ばれたときには
もう鹿の姿はな

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巡礼

巡礼

二海の波 重ねる 糸波
二見の鳥 色とりどりに踊る 物語
白波の知らないところ
白痴の果ての白紙の水平線に
ぽつり ぽつり 呟きながら 歩く砂の上

凍てる五十鈴の底に 見えぬ時空の尾途を掬い
沈黙と言葉を禊ぎ 流し
忙ず 生き 吸い込み 吐き出し
歩を止め 孤を求め
慈悲深くありたいと 息深く

問い重ねる甲斐もなく
解求めれば遠く離れ
それでも 問わずして解はなく
また自問自答繰り返し
お前は

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沫いの歌

沫いの歌

永遠 に 問わずして
永遠 なれ と 成れの果てに 果てた
?の旗を月
    立
    て
    る 宛名のない 果て名

足し算した資産が可視化する不確かな死産
濡れ手で掴む 粟 は
淀みに浮かぶ 泡 沫の夢のごとし と
         い
         歌を語る

  正しさ(Right)を証明する
トーチの灯(Light)は
未来を透視する投資家たちが統治する
凍死者たちの死の標

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白痴の果て

白痴の果て

とにかく 金を稼ぎたい
とにかく 資産を増やしたい
とにかく 得をしたい
とにかく 他人より損したくない
とにかく 勝ちたい
今より もっと 良い暮らしをしたい

もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっ

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波の記憶

波の記憶

霧  /  夢

立  /  断
ツ   

海  /  生み
no     (sense)
皮膚    感覚

荒レ    狂ウ
 ル    
      デ
      ン
 風が 波を運
    の

    記
    憶

はじまりの 歌

はじまりの 歌

 まわる
 わ
 た

 の ちらちら と
 降
 る

 四
 十
 六
記憶 ーphotonー 乳の匂い
 年        白
 の        色
          の
 歌(う) は   海
  sing       カイ に 届く

 脈       波
     打
     つ
     beat
     鼓動   は 孤独に

喉の奥 濡らし
振るえる簧

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雫く Riddimの残響を

雫く Riddimの残響を

途端に雫く 静けさに
世界が逆さまにぶら下がっている
世界が
  剥
  が
  れ

  落
  ちる 瞬間 の
  散る
  chill

  ーgravityー
    ↓

世界が 滴る
    下
    た
    る

世界が ゆっくりと 沁みて
    逝
    く

土のなかに 木霊する 沈黙
 痕跡と予感
 その時 世界を ーmuteー して
          未夢 と

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magic hour

magic hour

火と
人々 の
日々 焚く
釜戸 の 煙

彼の音 はぜる
canon

ケテ 灯
   ル テラス
    逆らうよに
 重力に

火 to i-u 現象
火の粉 散らして

神も 肉体も

生 to i-u 火
燃やして



鳥の歌と樹の根の 間に
(陽) (碑)
   火を灯す
   ヒ
   ト
   ビ
   ト
   の
   夕 暮れ ーmagic hourー

舟

ちいさなもの 忘却のてっぺんに
穴をあけて 覗き込む宇宙の色
不確かな一瞬の






櫂を握る掌の内側
音のない闇のなかに 舟を浮かべる

funeral

 浮
不音






曖昧な世界の手触りを
海の記憶を

奥へ 奥へ と
   億  土 へと

漕ぐ 音 -oto- 尾途
虚空


火 -homura- 焔



boat

鳴る 汽笛