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何故男女の恋愛観は違うのか?

私たちは常に、生物学的な「男」や「女」というカテゴリーに常に振り回されている。
やれ男前だの、好きなAV女優がどうの…やれ化粧だの、生理がどうの…そもそも生物学的な男と女とは何なのだろうか?それが私たちの恋愛にどう関わってくるのだろうか?

生物学的男女

生物学的な男女の定義はいくつかあるが、ここでは遺伝子での定義を取り上げたい。なぜなら、男女が違う要因はこの遺伝子の違いによるものだからだ。

私たちが持つ遺伝子は、染色体という遺伝子の塊のようなものとして存在している。染色体は通常2本が1セットとして機能している。パピコのような感じをイメージして貰えると良い。この2本が1セットのパピコが23個ある。つまり、染色体は23×2で46本ある。

その中でも性を決定づける染色体が1対ある。これは性染色体と呼ばれている。性染色体には2種類の形態があり、XとYという形がある。大抵の場合、2本の性染色体がどちらもXであるとき、その個体は女性となる。また、XとYどちらも1本づつ持っていると男性となる。

ちなみにY染色体にはX染色体には無い遺伝子がほんの少しあるだけで残りは機能しないため、X染色体と全く異なるというより、X染色体が退化し小さくなった言わばほとんどダミーの染色体という認識の方が正確である。

人間の場合、X染色体が1本しかない人が居たら、どちらかと言えば男性化しているように見えるということが予想される。またXXYという染色体異常の人が居たとしたら女性化しているように見えるはずである。

このように、性別はXの本数によって決められていると言っても過言では無いだろう。

性別の違いは個体の性質にどのように影響するか?

46本もある染色体の中でもXXとXYは染色体としてはたった1本の違いであるにもかかわらず、とてつもない違いを生み出していることはまさに驚くべきだ。女性と男性の注目すべき最も大きな違いは、残すことの出来る子孫の数である。

女性は、一生に何人の子孫を残せるだろう?自然に、つまり、培養器にいれてiPS細胞のごとく培養するように人工的に子供を生成しない限り、せいぜい数十数人程度が限界だろう。これは、10ヵ月もの間、子供を自分の体で育てなければならない縛りがあるからである。ちなみにギネス記録ではロシアの女性の69人だそうである。これは普通のりは多いように見えるが、オーダーで見ればそれほど理論値と違わない。

対して男性はどうだろうか?男性は女性と異なり、子孫を残すにあたって縛りがゆるい。一般に男性が子孫を残せる期間が20〜50歳だとしてこの30年毎日違う女性と生殖したとする。妊娠の確率は20から30%と見積もれれていて、20%を採用すると、この男性から生まれる子孫の数は20 × 365 × 0.2 = 1460人である。もちろんこれは少なく見積もって値で毎日何人かの女性と生殖すると理論的にはもっと増える。

このような残せる子孫の数は生殖細胞の数の違いにも表れている。子供ができる時は、卵子と精子と言う生殖細胞が受精し、精子が卵子に遺伝子を渡すことが起点となる。受精した細胞は分裂をし始めだんだんと大きくなり、人間の形になっていくのである。

この「卵子」は女性側の細胞で「精子」が男性側の細胞であるが、実はこの卵子と精子の数は全く異なる。卵子はその女性が母親のお腹にいる時、つまり生まれる前に作られ、実際に使うことができる数は約400~500個程度である。対して精子は思春期から理論的には生涯、絶えず毎日何万個も作り続けられる。

このように人間の女性と男性が作ることのできる子供の数は数十倍以上の大きな差があるのである。これは非常に考慮しなければいけない事実であり、次から文章で説明する。

残せる子孫の数の違いは私たちの繁殖戦略にどう関わるのか?

 
残せる子孫の数が違うと言う事は、子孫を残すにあたって、当然その戦略が変わってくる。

例えば海にいるイワシは卵によって子孫を残す。イワシの卵が孵化すると稚魚が産まれる訳だが、この稚魚が大きくなって卵を産めるようになるまでには、ほとんどの個体が捕食され食べられてしまう。だから、イワシは1度に沢山の卵を産まなければならないのである。

一方でライオンのような、捕食者のいない生物だと、1度に産む子供は数匹でありこの数匹を大事に育てるのである。

イワシのように多数の子孫を残し、子育てに少ないリソースをかける戦略をP戦略という。反対にライオンのように、少数の子孫に労力や時間などのリソースをさく戦略をK戦略という。

人間の話に戻ると、女性は少ない卵子を使ってお腹の中で大事に時間と労力を使って子孫を残す。男性は、毎日何万個と作られる精子を渡すだけで、繁殖することができる。

生物界でよく見られるP戦略とK戦略だが、女性と男性の繁殖戦略に当てはめて考えられそうである。つまり、女性と男性は全く異なる繁殖戦略を採用しているにもかかわらず、お互いがいなければ子孫を残すことの出来ない強制的な対立関係を強いられていることに他ならない。この点を加味すると、どうりでまあ、男女のすれ違いというものが説明できそうである。

男女のすれ違い


子孫を繁栄させる。遺伝子を残す。このような欲求は生物の本質の1つであり、40億年脈々と受け継がれた生命体の性質を私たちは直ぐには、変えられないだろう。だから、今でこそ「少子化」などと言われているが、それはおそらく私達が子供を欲しがっていないという根拠にはならない。もし、社会が子供を容易く産めるようになれば、女性はP戦略、男性はK戦略的に子孫を続々と残そうとするだろうし、我々は、実はそういう欲求が備わっているのだ。すなわち、女性は子孫に多くのリソースを割きたい。男性は一人一人にはなるべくリソースを割かずに子孫を増やしたいとするならば、両者の目論見は真っ向からぶつかる。

リアルな日本社会の恋愛事情を取り上げてみよう。基本的に、男女共にまず見た目で恋愛の対象を決める。これは、相手が健康な子供を産めそうか?もしくは、相手の遺伝子を持った子供は強い個体になるか?を視覚的に判断しているからだ。

これは、本能的な判断であり男性にとっては効率的な方法である。なぜならば、男性は子孫へのリソースをそこまで考慮しなくてもいいと本能的には思っているからだ。男性は、恋愛対象を決めて生殖するまでの時間を短縮し、労力を少なくして数打ちゃ当たる戦法を取った方が子孫繁栄に繋がるのである。したがって、男性は女性より、見たで恋愛対象を判断するという傾向が強いことが推察できるし、実際、そのような感覚がある気がする。

見た目だけの判断で恋愛対象を決めない人もいる。その人たちは、コミュニケーションを取ってより繁殖を確かにするだろう。恋愛対象になり得る相手の能力や、価値観、経験値を細かく分析するのは女性の得意とする所だ。

女性らは付き合った後も「好きって言って!浮気はするな!私に時間もお金も使って!」という、男性側からすれば面倒な要求ばかりする。そして結果、男性がその要求を満たせなければ、あっさり冷たくさよならを告げる。つまるところ、女性は自分を他の女性よりも贔屓してくれる男性を選ぶのだ。

これはもちろん、自分と将来の子供にリソースをどのくらい割けるのか、本能的に推し量っているからだ。

終わりに

このように今日もまた、日本の男性、女性はすれ違ってはまたくっつき、くっついたかと思えば、やれ浮気がどうの、要求がしつこいだの言い合っている訳だ🌝

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