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団地 is mine

 団地に引っ越してきて、はや12年経った。来た頃は古いなぁくらいにしか思っていなかったけど、時が経つにつれ愛着がわいてきた。
 団地に対するイメージは人それぞれだと思う。庶民的というのが一般的な解釈だろうか?
 私は3、4年前、大友克洋の「童夢」を父から薦められて読んだ。この作品の舞台は団地なのだ。団地にはどんな人が住んでいるか、全てはわからないし、摩訶不思議な現象が起こりうるかもしれない…自分の住む団地でも起こるかもしれない…などと考えるととても親近感がわいてきたのを覚えている。団地という庶民的でなんの変哲もない場所がSFの舞台となるなんて、団地、かっこいいではないかと。
クローンである部分にも魅かれた。前述したように、団地が作品の舞台であることで自分の住む団地に当てはめることができたように、団地の大まかな特徴はどこの団地でもあまり変わらない。どの棟も見た目は変わらない。部屋の間取りも一緒。駅近で緑も多くて敷地内に公園がある。画一的であるからこそ、作品が身近で起こっているように感じられる。
 「団地ともお」もそうである。団地に住む小学生のともおと、その団地の住人にまつわる日常のなんでもない毎日を描いている。団地で繰り広げられるストーリーであるから、もしかしたら私の団地のことなのかもなんて思うことができるのだろう。
 古くて、画一的で、庶民的で、何の変哲もない、普通な建物である団地だからこそ感じられる親近感。住めば都とはこのことだろうか?

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