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ろうも中失も難聴も

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基本は手話話者、ろう者のことを書いています。 範囲を広げ、中途失聴者、難聴者のことも含めた記事集です。
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記事一覧

silent「18まで聞こえていた」で感じること〜一括りにできないもの

「彼は18まで聞こえていたんでしょ」  ドラマ『silent』でろう者が言ったそうですね。 この言葉の意味、 「聴覚障害者」に括られた中にある 違いについて考えてみたいと思います。  少しマニアックかもしれないですが 奈々(主人公を想うろう者)や美央(奈々の親友)の状況が分かると 彼らの切ない想いをより共有できるのかなと思います。 あんたはろう者じゃない 私の職場には「聴覚障害者相談員」という方がいます。 各都道府県、市町村に設置されてきていて、基本的には「ろう者」が担

日本人が今年、陸上男子100mで金メダルを取った話

 このタイトルを見て夢か、何かのとんちだと思った方。 残念(?)ながら、本当の話です。 問題 : 4年に1度スポーツの祭典!ろう者が出場するのは〇〇ピック!何ピック? ろう者が出場できるのは、当然パラリンピック!と思った方、残念。よく勘違いされています。 ろう者はスポーツをする上での課題はないですし、もちろん知的にも障害はありません。 パラリンピックにろう者の部門はありません。  じゃあオリンピック…?と思った方。 それも違う、…とも言い切れないですが、(目指している方も

捉え方を変える〜弱みは強みを強化するもの

突然ですが、 「あなたの弱みはなんですか? それであなたの性格を説明してください」   皆さんどう答えますか? 転職サイトでよく見る発想の転換ですね。 「即決しないところです。 その分周りの意見をよく聞き、 着実に、そしてより高いレベルの結果を残す努力をします!」 これで転職が成功するかは別として、 確かによく言われるように、弱みの裏に強みがある。 もっと言えば 弱みは強みを強化するためだけのもの、とも捉えられますよね。  普段からこのように強みに焦点を置いた発想で

ドラマから考える

奈星丞持さんが、ドラマを通じて私も絡めて記事を書いてくださいました。 (またまた奈星さんの記事について書いてすみません)  何より中途失聴者・難聴者側立場になって考えてくださった、疑問を持ってくださった、とても嬉しいことです。 更にそのきっかけの一端に私がなれていたら嬉しいです。  考え方は人それぞれ。 自分ならどう考えるか、考えるって結構大変なこと。 しかも正しいかどうかも分からない。 でもすごく尊いこと。相手を思いやること。 他の方の学びにも繋がると思うのです。 そう

奇跡の人、ヘレンケラー的訓練〜ドラマから考える(2)

 奈星丞持さんがドラマを通じて書いてくださった記事についての第2弾です。  奈星さんが中途失聴者側立場になって考えてくださったこの記事。 とても嬉しく思っています。 前回、その質問部分について私なりの回答の記事を書かせていただきました。  中途失聴者は声で話せなくなるのか、への見解です。 ただ私はドラマを見ていないので、私の経験に基づいた一例、意見です。 的外れかもしれません。ご了承ください。  今回も、私が通訳者人生や数百件の通訳活動の中で実際にあったことに基づいて書

かわいそう…って何だろう?〜ドラマから考える(3)

 私は物心つく前から祖父母がいません。 小学生の時それを 「え、かわいそうに…」 「ご、ごめん。変なこと聞いて…」 と言われることに疑問を抱いていました。 別に私は祖父母いなくても普通に幸せだし、なんでそんな勝手に不憫に思われなきゃいけないのか。 祖父母がいないことなんかより「そんなこと言われる私、かわいそう」でした。 皆さんにもそういった経験ありませんか? 耳の聞こえない人はかわいそうか 奈星さんの記事から考える、第3弾です。 毎度通知の行ってしまう奈星さん💦 次で終