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その③ 祝!イナイセ4巻 紙でも発売決定!〜大逆転の舞台裏ドキュメント〜

《前回までのあらすじ》
電子版のみで発売予定のイナイセ最終4巻を紙でも出版すべく、行動を起こすと決めたクマガエ。

自分一人の力だけで出版社の意向を覆すことは到底不可能であり、読者のみなさんの力を借りるしかない。合言葉は「神輿に担がれる覚悟」!!

だが肝心の「神輿の担がれ方」が分からない。さらに、結果を出さなければと気負いすぎるあまり「闇落ち」してしまう…! そんなクマガエを救ったのは「微生物」「『こち亀』の両さん」の生き方。闇を抜けたクマガエは、本作戦のテーマを“一粒万倍祭り”に決めるのであった。

一粒万倍祭りとは?

①イナイセらしさをだいじに(=イナイセにしかできないこと)
②自分が楽しむ(=読者のみなさんも楽しい)
③淡々とやれることをやる(=身の丈にあったことをやる)

前回までの七転八倒で得たこれらの気づきをもとに、4巻を紙で出す大逆転作戦を考えた時、浮かんだコンセプトが“収穫祭”“感謝祭”でした。

無事に完結を迎えたことをみんなでお祝いして、応援してくださったみなさんに感謝を届ける。この盛り上がりがどんどんデカくなって、ワイワイやってたらいつの間にか4巻が紙で出ることになっている…そんな場を作れたら最高じゃないか!?

一粒の種籾から万倍のお米が実るように、小さな動きが大きなうねりになるーーそんな願いを込めて今回の作戦を“イナイセ一粒万倍祭り”と名づけることにしました。

一粒万倍祭りの目玉としてまず決めた企画が「自分でコミックスを仕入れて特典を付けて販売する」でした。

コミックスの特典といえばイラストペーパーなどが一般的ですが、それだと「イナイセらしさ」は皆無。イナイセは実体験ベースの漫画なので、作中に出てくるものをリアルに持ち込んで特典にすることにしました。

漫画やアニメに登場した料理や、キャラクターをイメージしたドリンクが飲める「コラボカフェ」ってありますよね。あれを自前でやっちゃおう!というわけです。

漫画に出てきた米や野菜が手に取れる、食べられる!この「新手の2.5次元体験」は、きっと読者のみなさんも楽しいはず!僕も自分のお米や、農家の友人が作った野菜を食べてもらえたらめっちゃうれしい。想像するだけでワクワクしてきました。

仕入れるコミックスの冊数は①~③巻各60冊の合計180冊に決定。これも経済的・物量的に「無理なく」できる範囲で決めました。「500冊仕入れて差し違えてでも…!」というビースト・モードな僕はもうどこにもいません。

こちらが特典付き自主販売のラインナップ

「一人でがんばる」をやめる

突然ですが、僕は“なるべくなら人に頼りたくない星人”です。

人にお願いするより自分でやった方が速い、そもそも人にお願いするのは気が引ける…と考えがちな、上司には絶対向かないタイプの人間です。

でも今回は、それやってると100%潰れると思いました。やろうとしていることがデカすぎて、明らかに手に余るからです。

イナイセに関わっている人の力もちゃんと借りよう。その方が生まれるパワーがきっとデカくなるはず。

最初は経費削減のために自分でデザインしようと思っていた、基本特典“一粒万倍御守”のパッケージは、イナイセのロゴや装丁を担当してくれているデザイナーさんに依頼。

僕にはこんな可愛いの絶対作れない。イラストは宮澤先生の年賀絵を使わせてもらいました。

漫画担当の宮澤先生には、180冊のサイン入れだけでなく、超目玉特典の直筆サイン色紙や、Twitterスペースへの出演などもお願いする巻き込みっぷり。

今までイナイセに関わってくれた方々の力を借りてプロジェクトを進められているこの時点で、僕はもうめっちゃ楽しくて幸せでゴールした感がありました。いや、まだゴールされたら困るんですけど!と思いつつ、最高にごきげんなバイブスの中でお祭りの開幕を迎えることができました。

お祭り開幕の前夜、改めて今回の作戦に込めた思いを各SNSに投稿。いよいよ、やるしかない…!

祭りだワッショイ!!

2022年3月19日正午、ついに自主販売がスタート!

販売ページはこんな感じ。メルカリShopを活用しました

まったく反応がなかったらどうしよう…とドキドキしていたのですが、なんと!!!

一番高額かつクレイジーな「狂戦士セット」が秒で売れてしまいました…!

その後も続々とご購入いただき、初日だけで10セット以上が旅立って行きました。

こちらは初日に旅立ったものたちの一部

それからは、ご購入いただくたびに自分で梱包し発送するという日々だったんですが…これがまた最高に幸福な体験でした。

ご購入いただいた皆さんも、#イナイセ一粒万倍祭り のタグと共に購入報告という名のワッショイで盛り上げてくれました。めちゃくちゃ心強くて、本当にありがたかったです。

お祭り前夜の決意表明で書いたように、一つ一つのワッショイが集まり、デカい「勢い」になりつつある…!そんな感触が確かにありました。

途中、謎の胃腸の不調で2日間寝込みつつも、勢いは止まるところを知らず。追加した狂戦士セットも即売れ!!

最終日にも駆け込み購入してくださる方が現れたり、最後まで盛り上がりは途切れることなく、3月31日をもって自主販売企画は終了。担当さんとのミーティングで話していた、アクションを起こせる期限いっぱいまで走り抜けました…!

そして挑戦は続く…

自主販売企画終了から一夜明け、僕はこんなメッセージをSNSに投稿しました。

そう、まだ我々は何も勝ち取ってはいないのだ!!!

「その①」でも書きましたが「電子版のみ」は想像以上に強固な既定路線。担当さんに180冊をほぼほぼ売り切ったことを報告し、この結果を各所に共有してもらえるようお願いをしつつ、我々は次なる作戦へと向かわねばならない!

漫画は、ちょっとしたきっかけで人気に火がつく可能性がある。連載終了から時間が経っていても、アニメ化や実写化だって十分にあり得る。今すぐじゃなくても、いつの日か4巻が紙で出版されるかもしれない。

それを信じて、また新たにがんばろう。みなさんが届けてくれた応援を糧に…!

そして数日後。担当さんからの電話が鳴った。

《エピローグへ続く》

その④(エピローグ)👇






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