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【4/15の日記】大拷問博に行ったよ

 随分な名前のイベントである。しかし、痛そうなことは特にない。名古屋の拷問器具コレクターであるヌガザカ氏が、個人のコレクションを陳列し、拷問についてのトークを行うというイベントであった。
 個人の所有であるからそんなに多くはない。しかし本物の拷問器具を見るのは初めてであったので大変に面白かった。古いペンチも並んでいて、なるほど確かにこれも拷問器具であるな、と思っていたら説明書きに「ホームセンターで買える拷問器具」とあって笑ってしまった。「苦悩の梨」という有名な拷問器具などもあり、なかなか貴重な体験だったと思う。

 しかし拷問器具より面白かったのはヌガザカ氏である。テンションの上がった楽しそうなトークは、聴いているこちらも思わず顔がほころんでしまった。楽しさが溢れ出してこちらまでウキウキが伝染してくるくらい楽しそうに喋るのである。周りの観客も同じだったらしく、皆ニコニコして聴いていた。この様子だけを切り取ったら、拷問についてのトークショーとは誰も思うまい。
 興味深かったのは「鉄の処女」と「苦悩の梨」は実際には使われていなかったのではないかという話である。当時にしては精密すぎる、実際に使われた記録が残っていない等、判断の理由は様々であるが、聴けばなるほど、納得であった。
 このイベントを企画したのは怪談師のインディ氏であるのだが、この人は肩書こそ怪談師となっているが本当に様々なイベントを企画する。以前マイナーな昭和の漫画についてのイベントを開催したこともあり、こちらも知らない事ばかりで刺激的なイベントであった。ジャンルに関係なく、本人の興味のおもむくままにイベントを企画しているのであろう。インディさん一人追いかけていれば、10種類くらいのジャンルの人々を追いかけているのと同じくらいの情報が入ってくるので便利な事この上ない。それも、私がこの人を追いかけている理由の一つである。

 当日はあいにくの雨であったがイベントは大盛況で、用意された席からはみ出して、横の通路にも追加で椅子を出して人が座っている状況であった。だが、おそらく全員満足して帰った事だろう。イベント終了後には拷問器具を写真に撮ったり、希望者は手に取って触る事も出来た。客は拷問器具を触ったり、ヌガザカ氏の解説を聞いてニコニコしていた。「大拷問博」とは思えない和やかさである。良いイベントとはこのようなイベントであるのだなと思いつつ、まだ雨の降り続く中を帰路に就いた。

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