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熱中症対策になる?夏休みの工作その②

一週間のご無沙汰です。今度は首筋を冷やす「うなじクーラー」の制作ですよ。

ニ種類の金属(もしくは半導体)を二点で接合し、片方の接点を温めてもう片方の接点を冷やすと電流が発生します。これを「ゼーベック効果」と言い、温度計のセンサー等に使われています。この接合した金属に電流を流すと、片方の接点が吸熱(周囲の熱を奪う)し、もう片方の接点に熱が移動する(放熱)現象が起きるのです。これが「ペルチェ効果」です。

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熱が移動する仕組みを「ヒートポンプ」と言います。ペルチェ効果はフロンやアンモニアを冷媒とするヒートポンプより効率が落ちるものの、コンパクトに収まるというメリットがあります。車のバッテリーを使用する車載用の冷蔵庫等でペルチェ効果を利用した製品を見かけるようになりました。

ネット通販では送料が発生するので、ショップを一軒に絞り、「マルツ・パーツ館 https://www.marutsu.co.jp 」でメインパーツを購入しました。  ① ペルチェ素子 20㎜×20㎜(定格:3.75ボルト、4アンペア)      ② 素子を固定するための両面テープ                  ③ 放熱器 40㎜×40㎜                          ④ PC用ファン 40㎜×40㎜ 5ボルト仕様                 ペルチェ素子の実力が未知数なので、これ自体が予備実験のようなものであり、一番安くて小さなファンを選び、他のパーツのサイズを合わせる事にしました。失敗すると費用が損ですからね。(←セコい)ペルチェ素子は定格以上の電圧をかけると壊れてしまいますが、それ以下ならセンサーと組み合わせて温度を制御する事も可能です。しかし、大きな電流を測るメーターが無いので消費電力が判らず、制御回路が組めないので今後の課題とします。

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熱伝導率の高い(熱を良く伝える)専用の両面シールを使い、ペルチェ素子を放熱器の中央に固定します。放熱面から発する熱を冷却面に回さない方が良いので、断熱効果のあるレジャーシートを切って周囲をカバーしました。(偶然にも素子と厚みが同じでした)

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放熱器にファンを固定するのに良い方法が思いつかなかったので、丈夫な布ガムテープで貼り付けました。言わばエアコンの室外機のようなものです。早速電源を繋いでみましょう。

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室温とほぼ同じだった素子の表面温度が見る見るうちに下がり、飲み頃の炭酸飲料と同じぐらいの冷たさになりました。表面が結露し、「これは除湿器としても使えるんじゃないか?」という考えが頭に浮かびます。この後、冷却面積を稼ぐ為、ホームセンターで売られている一番薄いアルミ板を40㎜角に切って、素子に貼り付けました。これで冷却ユニットは完成とします。

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100円ショップの「猫耳カチューシャ」(買う時恥ずかしかった・・・)を冷却ユニットに取り付けます。肌に当たる所が痛くならないよう、フェルトを貼っています。

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装着するとこんな感じ。我が家で唯一タバコが吸える部屋はエアコンが無いので、風呂上がりに一服しながら首を冷やすと実に快適です。自販機の缶コーヒーを顔に当てて「冷た~い」と感じる状態がずっと続きます。ファンの音が若干気になりますが、これで自分だけのクーラーが手に入りました。放熱器は触ると少し暖かい程度で、こういった使用には全く問題無しです。

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残念ながら電源は二系統になりました。ペルチェ素子には充電式電池を二本直列(1.2ボルト× 2 = 2.4ボルト)にした物を二組使って電流を稼ぎ、ファンには5ボルトのポータブルバッテリーを使用しています。ファンは2.4ボルトでもギリギリ回りますが流石に風が弱い。充電式電池を増やして3.6ボルトにすると風量は安定するかもですが、素子の定格いっぱいです。どうなるでしょう?これらの電源をウエストポーチに入れれば、屋外の使用もOKです。

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ネットで検索すると、ソニーがワイシャツに装着するネッククーラーを発売したようです。流石世界の一流企業、14,850円だそうですが、皆さんどうします?(笑)。

私の方は冷却側にも放熱器とファンをつけて卓上クーラーに改造するか、発泡スチロールのケースに組み込んで冷蔵庫を自作しようかなぁと思案しています。それではまた。

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