フィンランドのスーパーで買えるものでも十分家二郎は美味しく作れるのでこれからやってくる11月にも負けずにみんなで頑張ってマシマシで生きてこうぜってハナシ。
とりあえず二郎作りたいんや！という人はすっ飛ばしてレシピと工程のところ見てね。

ニンニクは入れますか？

人生で今まで何度訊ねられてきただろうか、この質問。
確実に「くまたろう君は彼女いるの？」と訊ねられた回数より多い。というか多分後者は訊かれたことがない。
最近、30代になってから以降、二郎に行くと明らかに脂でお腹がギュルってしまうことに気づいたり明らかにニキビができることから頻度は減っているものの、大学進学とともに上京して以降、ずっと二郎系が大好きだ。
大学生の頃なんかは「〇〇（地名や駅名）　二郎系」で検索しては自転車ではるばる食べに行ったりしていた。

もちろん二郎に出会う前は九州男児の端くれとして、「ラーメンは豚骨たい！」みたいなことを言ってみたこともあったけど早々に二郎に屈して以降、ラーメンは全部好きだ（そもそも食べ物全般が好きだ）。
「くまたろう君は何ラーメンが好き？」（これは聞かれたことある）と聞かれると、よくわからなくなってとりあえず、「ちゃんぽんやね。ちゃんぽんしか勝たんね。」と返すようにしてはいるがラーメンは全部好きだし、その中でも二郎系は格別に好きだ。別枠で好きだ。

🇫🇮での食生活ここまで

駐在や留学経験のある人たちはみんな「ラーメンが食べたくなる」（だろうな）とか、「日本のラーメンはめっちゃ美味い。本当に美味い。世界一うまい」（まあその分なんかうまいもんあるだろ）とか、「あれが1000円で食えることだけでこの国に住み続けるべき理由になる」（急に国士やな）とかいろんな誇張を聞いてきた。
自分が留学に来るに際してもなんかしらうまいもんあるだろ、と思いつつも来る前にしっかり🇫🇮のラーメン事情を調べてそりゃアメリカの大都市やロンドンとは事情が違うよね、ということは理解して（空港に味千ラーメンがあるのと、市内にちらほらあるくらい）、まあ大丈夫だろうと思っていた。
実際に来てみると何だかんだ日本食はあちこちで食べれるし、寿司ビュッフェの店はチラホラあったりそれこそスーパーで醤油さえ買ってしまえば日本食は家でいくらでも作れるので（本だしはめっちゃ持ってきたのがデカい）まあまあ満足していた。

ところがある日

半日の自由時間をゲットしたのでそそくさと市内のサウナ（※ここ、天然シングルの海水プール最高だった。現地民も１分と入ってなかったけどいつみても泳いでるお婆さんが一人いた。強すぎ）に向かう途中に、お昼ごはん何食べよーと思ったらちょうど目の前にラーメン屋があってしまった・・・あってしまったのだ・・・

まあ、別にひとりで昼飯食うだけやし、と思ってサクッと入って注文。なんか色々あったけど九州男児は豚骨一択ということで豚骨と餃子を注文（20€くらいしたよ☆）。

おー！
おーー！
おーーー！
（食レポは省略）

ということで完飲（写真忘れた）。
はるか祖国を離れたこの地で豚骨らーめんが食べれることに感謝。
（完）

フィンランド版家二郎

ということで

感謝はしたのだけれども、いや、感謝したからこそ、さらに求めてしまった。求める心が止められなくなってしまった。もうラーメン食べたいとかじゃない、もう…二郎しかないやろ！
ということで二郎を作ることにした（早い）。
まずは多くの人がぶち当たるだろう壁に一問一答していく。

問１．麺をどうするか問題

この国では中華麺が見当たらない。本当にない。スーパーにもなんかフォーみたいなのは売ってるけど、中華麺はない。アジア系の店にあっても怪しいうどん・そばや焼きそば用くらい。
なので作ることにしたのだけれど、「駐在　ラーメン　麺」で調べていただくとわかるのだけれど、この議論はすでに結論が出ていて、
答．パスタを重曹で茹でれば大丈夫
これに尽きるっぽい。実際にやってみたらあらすごい。
フェットチーネが平打ち系の二郎麺っぽくなった。これは完勝。

問２．さすがに豚骨と背脂はないやろ問題

いやーない、全然ない笑
まあでも豚骨ってそもそも原価を下げるために使い出したみたいなところあるし（知らんけど）、手に入る肉を適当に煮込めば…と思ってようつべを探してみたらいい感じのレシピ（これとこれ）があったので、これも解決。
そう、骨じゃなくて
答.ひき肉を大胆にぶちこんで茹でれば大丈夫
っぽいのだ。
ちなみにチャーシュー用の肉というのもなかったのだけれど、ハム作りように縛って売られている肉で代用したらめっちゃいい感じになったのでオススメ。
ちなみに、前述の通り三十路を超えると二郎系の脂がお腹に来るので、むしろ背脂なくてもいいんじゃね？と思ったら意外となくても美味しかったので安心されたい。

問３．大量のみりん風調味料と醤油をどうするか問題

これもね、みりん高いな・・・と思ったものの（そもそもみりん風しか売ってないしこれも少量で高い）、「いやみりんなんて酒と砂糖やろ」ということでいつもどおり白ワインで代用・・・しようと思ったら切らしていたし日曜でワインを買えるALKO（一定以上のアルコールは決まった店でしか買えない）が閉まってたので、家にあったやっっすいウオッカ（https://www.alko.fi/tuotteet/103846/Suomi-Viina-muovipullo/）で代用したけどなんか上手くいった。てか、むしろウオッカで二郎作る二郎の方が🇫🇮ローカル感あっていいやろ！という謎の興奮もあった。
醤油も高級なキッコーマン様を使うのは憚られたので、スーパーで売ってる一番安い謎醤油（中華製？）を購入。ぺろっと舐めたらめっちゃ醤油だったので多分大丈夫。
答.安い酒と砂糖、安い醤油（のようなもの）で大丈夫

問４．圧力鍋なくてもできるのか問題

答．そこは北欧なんだし丁寧に煮込めば大丈夫
実際に適当に火かけて煮込んでたらできたので安心してとりあえずぶち込もう。

問５．ひき肉出汁とって捨てるのは丁寧じゃなくない？問題

わかる。
そう思ったので、調べたところひき肉でダシ取った後のダシがらはめっちゃくちゃ最強万能そぼろになるらしい。
ほら、天下のNHKさんも言ってる。
実際に筆者はキーマカレー（そう、そもそも家でラーメン作ろうなんてやつは困ったことに大体家でスパイスからカレーを作るやつと兼業していることが俺総研の調べで明らかになっている）をつくったところ、美味しすぎて妻から翌日リピートオーダーが入った（「何ならいつものより美味しいと言われたことは伏せておこう」）。
答．一粒残らず再利用すれば丁寧でサステナブルなので大丈夫

レシピと工程

レシピ　（出来高多分６杯分くらい。水足せばもっといけそう）

⭐︎スープ
・豚ひき肉800g（多分こんなにいらんかった。半分とかでもいけそう。）
・ハム用肉1kg（糸で縛ってあったのでこれにしたけど塊肉ならなんでも良さそう）
・生姜　１かけ
・ニンニク　２玉（スープに丸１個、トッピング用に好きなだけ）
・ネギ　１本（青い部分をスープ、白い部分はもったいないのでヤサイに）
・キャベツ　１玉（芯をスープ、葉の部分がもやしの代わりにヤサイのメインに）
・ニンジン　１本（余ってたので入れた。皮をスープに、中身はヤサイに入れた）
⚪︎チャーシュー・卵のつけ汁　兼　"カエシ"
・みりん or 酒＋砂糖　120ml（みりん大さじ一杯しかなかったからウオッカ100くらいに砂糖大さじ1.5くらい入れたと思う）
・醤油　400ml（何となく、濃口の謎醤油を300ml,ヤマサ様の薄口を100ml入れた）
・味の素　小さじ２
その他
・卵　６個（煮卵用。好きなだけどうぞ）
・味の素　食べるときに丼１つに小さじ１
・パスタ　太いやつがいいと思います。今回はスーパーで見つけたフェットチーネ（平打ち麺）
・重曹　パスタ茹でる際に、お湯１lに大さじ１と塩小さじ１を入れました

工程１．スープ作り

①⭐︎を全部ぶちこんで水をひたひたになるまで入れて蓋をして煮る。ひき肉は固まらないようにお玉で崩す。

②1時間半経ったところで、チャーシュー用塊肉を引き上げてつけ汁につける。

③2時間半煮込んだところでざるにあけてスープをこす。

④ひき肉はオイスターソースをかけて万能そぼろ（こちら参照）にしてタッパで保存。クズ野菜は芯などデカいのは取り除いたけど、一緒にそぼろにして食べた。

工程２．チャーシュー＆煮卵＆”カエシ”作り

二郎系だとチャーシューとか漬けた醤油がそのままカエシ（※煮返し、スープに塩味を与えるもの、タレ。https://ja.wikipedia.org/wiki/かえし）になるっぽい。厳密には二郎では”カネシ”と呼ぶらしい（と思ってたらなんか色々ややこしそう…参照）。
①⚪︎を全部混ぜて煮立たせる。レンジでチンでもOK。アルコール分を飛ばす。
②工程１の②の前にゆで卵を入れてつける。ものの15分くらいで味入った。この辺はお好みで。多分普段の煮卵より醤油が多くて塩分が多いから味入りやすいので注意。

③工程１の②であげたチャーシューをあげて投入。※このときに脂身だけざっくりカットして柔らかいところは一緒につけ込み、硬いのはスープの鍋に戻した。

④冷やしてスープができた頃につけ汁から出してスライス。

工程３．麺茹で

①お湯を沸かす（100gあたり1Lとかよく言われる気がする）
②お湯1Lあたり、重曹大さじ１、塩小さじ１を加えて茹でる
※茹で時間はお好みで。何となくパスタの袋に書いてある時間よりちょっと多めで良かったような。

工程４．盛り付け

①野菜を用意。もやしがあれば茹でるなりレンジでチンでもいいと思うが、スープ用に使ったキャベツが大量にあるので、それを炒めたり茹でたりするのでもかなり気分は出る。トッピング用のニンニクを刻んでチャーシュー、煮卵も用意。この辺で、一緒に食べる人に「ニンニクは入れますか？」とか聞くと雰囲気でるのでおすすめ。もちろん、自分に問いかけてもろても大丈夫。
②丼をあっためる（電気ケトルに沸かしたお湯を入れてちょっとして捨てるとかでいいかと）。
③あっためた丼に”カエシ”お玉少なめに１杯、味の素小さじ１、スープお玉３杯を入れて混ぜる。

④麺を投入。

⑤野菜、チャーシュー、煮卵、ニンニクをトッピング。カエシに漬け込んでいた脂身や、スープから救出した脂身があればアブラとしててっぺんに乗せても美味しい。

工程５．実食

召し上がれ。

ワイは、まずはスープをすくって飲んでから野菜を一口。チャーシューを１つ齧ってから、ニンニクの部分が下に沈むように天地返ししてから麺に行くというのがルーティン（知るか）。

ということで在フィン諸氏、在外諸君、はたまたとにかく簡単に家二郎してみたいそこのアナタ、家二郎は意外と作れるのでチャレンジされたし。

さて、あなたは

追記

半端に余った"カエシ"ほかの運命は

もちろん最後は余りました。全部半端に。
"カエシ"、スープ、チャーシューの切れ端、煮卵一個、キャベツ、パスタ…
なんかできないかな…と思って考えてみてアレを作ってみた。

（アレンジレシピ）まぜそばの作り方

めっちゃ適当だけど、作ったら美味しくできたのでシェア。
・麺　例の如く重曹で茹でる
・タレ　"カエシ"×お玉1、スープお玉半杯、味の素ひとつまみ
・ヤサイ　余ったキャベツをくたくたになるまでレンチン。キャベツの甘さとしょっぱいタレがよく合ってたのでキャベツおすすめ
・チャーシュー　のせる
・煮卵　のせる
・チーズ　あれば刻んでのせる
・マヨネーズ　キャベツの上にかける
・黒胡椒　お好みだけどめっちゃ合ってたのでぜひ
・ひき肉改め万能そぼろ　適宜載せる。スープとか"カエシ"の最後の残りをかけてレンチンしたらいい感じだった

さて仕上がりがこんな感じ。