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中国の日本語教室の教員は靴磨き屋さんやマッサージ師と同じってお話

わたしも含め中国で日本語教師をしている日本人は少なくありません。

わたしが住む街だけでも、20名以上の日本人日本語教師がいます。

大学や高校で日本語をフルタイムで教える方もいます。特に大学で日本語を教えている方の待遇はホワイトだと聞いています。

わたしもパートタイムですが大学院で授業をしています。そこの待遇はホワイトを飛び越えて光り輝いています。環境良し、給料良し、学生良しで文句なしです。

でも、今日はそんなウルトラホワイトな皆さんのことではなくて、一般の日本語教室で仕事している日本語教師の実情についてお話ししたいです。

調査対象は市内の日本語教室で働いている皆さんと、以前、広州や北京で同じ仕事をしていた日本語教師たちです。

10以上の教室の状況を確認した結果、どこも同じような待遇でしたので、中国のどこの日本語教室も同じような状況だと思われます。

結論から言うと日本語教師の待遇は、靴磨きとかマッサージ師と似ています。

靴磨き屋さんは、道具を揃えて客を待ちます。

靴を磨きたい人が現れるとサービスを提供し、報酬を受けとります。客がゼロなら収入もゼロです。道具や場所を借りているなら、その使用料を報酬から支払わないといけないでしょう。

マッサージ師も同じです。

客が来ればサービスを提供します。客はサービスに応じて支払いを行います。中国のマッサージ師に聞いたら、報酬は稼ぎの4割とか5割とかで、残りは経営者に支払うそうです。

売れっ子になれば、予約が入ったりリピーターがついて収入も安定するでしょうが、選んでもらえないと収入はゼロだそうで、辛いお仕事です。

さて、わたしたち現地採用の日本語教師も似たようなものです。特にマンツーマンスタイルを売りにしている教室の場合、報酬は授業を行った時間で計られます。

それで、1時間100元で契約している場合、100時間働いて1万元を得ることができます。ここから社会保険料や所得税が差し引かれます。

さて、日本語教室と靴磨き屋、またはマッサージ屋さんと異なっているポイントがあります。

それは日本語教室の場合、授業をまとめ買いさせる点です。つまり、日本語を学びたいと思う人は先に100時間分とかの授業料を支払います。

経営者は先に現金をゲットできるわけです。そして、その後学生は自分のペースで学習していきます。月に10時間しか学習しなかった場合、経営者は日本語教師に10時間分の報酬を支払います。

つまり、経営者の手元には90時間分の現金と、10時間分の会社の取り分が残るわけです。

このシステムは経営者にとっては夢のようなシステムです。この中国で現金を先に手に入れることができるというは素晴らしいことです。取りっぱぐれもありません。

加えて、一定時間に学生が購入した授業分を消化できない場合、権利が消失します。それで、経営者にとって最も美味しいのは、購入したけど勉強に来ない学習者です。

では、日本語教師側はどうでしょう。

やればやるだけ収入になるのでやりがいがあると思う人もいるようです。でも、授業って毎日8時間とかできるものではないので限界もあります。

わたしも月に120時間ほど授業したことがありますが、やりがいは感じられませんでした。むしろ疲れてる割には収入もたいしたことがなくて、ガッカリしたのを覚えています。

そんなわけで、現状のこのシステムは経営者にとって美味しいものだと言えます。

この売上に応じて報酬を支払うシステムは、なんだか如何わしい職業に多い様な気もしてきましたので、この辺でこのお話はやめておきます。

さて、追加ですが日本語教師の契約書には最低賃金が5000元とか記載されていることがほとんどです。

この5000元というのは時給100元の場合、50時間は絶対に仕事はあるだろうという予測なだけで、仕事がゼロでも5000元払ってくれるってことではありません。

もちろん、法律家に相談して最低賃金を勝ち取ることもできるのでしょうが、労力と時間を考えると割に合わないような気もします。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日。

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