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もしも私が難民だったら

私は、少数民族として自分の国で迫害を受け、このままでは殺されると思い、命からがら国を脱出し日本にたどり着いた。日本では時給は安いけれど「まかない」の出る飲食店で働いた。そして一緒に暮らす人との間に子どもが生まれた。憧れていた普通の幸せだ。
ずっと日本で暮らすためには自分が「難民」と認定されることが必要だ。いつまでも違法な状態でいるのも嫌だ。私は意を決し難民認定の申請をした。しかしそれは認められず、国外退去の命令が出された。

その日から私は入管施設に収容され、5年の月日が経った。子どもはどうしているのだろう。自国に帰れば迫害が待っている。日本で申請を続けさえしたら自国へ強制送還はされない。あと何年、あと何回、難民認定の申請をしたら認められるのだろう。隣の部屋の人は、先日亡くなったようだ。

もし、これが自分の身に起きたことだとしたら、どうだろう。
私は誰に何をしてほしいと思うだろう。

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自分には関係ない話と見過ごしがちなもののひとつが難民問題。いま、国会で入国管理法改正案について議論されていることもあり、報道も溢れています。でも、入管施設で亡くなった女性の話題やこれを批判する弁護団の意見など、それぞれの立場や見解が錯綜し何を聞いてもいまひとつピンときません。

そこで、今日は、この問題を整理して考えてみることにしました。さて、いったい何が問題なのでしょう。

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